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- Amazon.co.jp ・本 (643ページ)
- / ISBN・EAN: 9784410105852
感想・レビュー・書評
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生物学関連の本を読んでいたら対数が出て来たので復習しようと手にとった。ら、面白くて止まらない。時間を忘れる。数ⅢCも購入。数学ってこんなに面白かったっけ。
問題を解いていてぞくぞくっとするのは、ある定理や公式を金づちやノコギリのように1つのツールとして用いることで(つまりいったんその仕組みを理解した上で、あとは深く考えずに単なる道具と見なす)、ものすごく清潔な抽象空間へと離陸してゆくように感じられる瞬間。一方、定理の背後ににおい立つ野蛮さ。遊んでいたらたまたま発見してしまった法則性といおうか。にもかかわらず、その野蛮さをいったん捨象したあとに開ける抽象性というのは、すごくエロティック。これは数学の二卵性双生児、哲学にも感じられる。ベルクソンの形而上学なんて、あれは一種のエクスタシー。
とはいえ受験数学。緻密なパズルゲームのような面白さはあっても、その世界は限定されている(フレームがある)ため、未知の問題と切り結ぶスリル(エクスタシー)はもちろんない。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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