日本は国境を守れるか (PLAY BOOKS INTELLIGENCE 27)

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  • 青春出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784413040273

感想・レビュー・書評

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  • セクシーボイス・小川氏による、海上保安庁に焦点を当てた本。
    最近話題の領域警備について、8年前にかかれた本であるが、情勢がほとんど変わっていないことに驚く。自衛隊には「軍隊」という役割がある以上、海保の能力向上は必須なのだが。内容的には領域警備以外の部分がやや散漫な印象を与えるのが残念だが、一読の価値はある。
    あと、海保の戦力は世界第2位だそうですよ。装備の老朽化が折角の優位を覆しかけているという指摘もありますが・・・

  • (2005.07.25読了)(2005.03.20購入)
    北朝鮮による日本人の拉致問題、北朝鮮によると見られる麻薬の取引、北朝鮮による不審船、船による中国人の密入国、竹島の帰属をめぐる問題、日本海における中国による石油採掘の問題、ロシアとの北方4島の帰属問題、海に囲まれた日本における国境線は、海上にあるので、国境警備は海上警備ということになる。もちろん、海にへばりついている船だけでは、十分な監視ができないので、飛行機や、海上を飛び交う電波の傍受、海中を動き回る潜水艦の音の傍受というようなこともかかわってくる。
    海上保安庁の役割は、主には、海難救助ということになるので、国境警備は主力にはならない。それでは、海上自衛隊が国境警備の役割を果たしているのかというと日本国民は、軍隊の出動を好ましく思わないので、あいまいな点が多いというか、軍隊は余り動けないようになっているし、ちゃんと手続を踏むといざという時には間に合わないようになっている。度重なる不審船のおかげで、海上保安庁と海上自衛隊の連携の必要性の認識は進んできている。
    この本は、その辺のことを書いているのだが、読み手の知識不足のためか、何を書きたいのか、日本は今後どうしたらいいのか、読み終わってもよくわからなかった。
    立花隆さんに言わせれば、同じテーマの本を3冊読まないと、よくわからない、ということになるので、国境警備について知りたければ、後2冊同じテーマの本を探して読むしかないのかも知れない。

    ●海上犯罪
    2001年の海上犯罪は5604件(送致件数)。その内訳は、海事関係法令違反2241件(約40%)、刑法犯1363件(約24%)、漁業関係法令違反1065件(約19%)、海上関係法令違反573件(約10%)、出入国関係法令違反276件(約5%)、薬物・銃器関係法令違反14件(約0.3%)、その他の法令違反72件(約1.7%)となっている。
    ●密航事件
    密航者で一番多いのが中国人というのは、分かるけれど、2番目がイラン人となっているのがよくわからない。しかも密航のルートが、一旦、韓国に入国し、韓国から船で、密航しようとするのだそうです。韓国とイランの行き来が結構多いのかもしれない。
    ●海上保安庁5つの使命
    ①治安維持(国際犯罪への対応、領海警備、海上における法秩序の維持、海上紛争の警備)、②海上交通の安全確保、③海難の救助、④海上防災・海洋環境保全、⑤国内外機関との連携・協力
    ●海賊事件
    インドネシア方面で時々海賊事件があり、日本の船も時々被害を受けているけど、日本の海ではないので、どうしようもない。
    ●小川和久の本(既読)
    「在日米軍」小川和久著、講談社文庫、1987.06.15
    「原潜回廊」小川和久著、講談社文庫、1987.08.15
    「湾岸危機の教訓」小川和久著、PHP研究所、1991.01.07
    「ヘリはなぜ飛ばなかったか」小川和久著、文芸春秋、1998.01.10

    著者 小川 和久
    1945年 熊本県生まれ
    中学卒業後、陸上自衛隊生徒教育隊に入隊
    同志社大学神学部中退
    日本海新聞記者、「週刊現代」記者
    1984年 軍事アナリストとして独立

    (「MARC」データベースより)amazon
    不審船、密航、麻薬、海賊…日本を取り巻く海は今、様々な脅威にさらされている。海を「国境」とする日本は、果たしてこの危機に立ち向かうことができるのか。国境を通じて考える日本の防衛論、国境警備論。

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著者プロフィール

軍事アナリスト。1945年12月、熊本県生まれ。陸上自衛隊生徒教育隊・航空学校修了。同志社大学神学部中退。地方新聞記者、週刊誌記者などを経て、日本初の軍事アナリストとして独立。外交・安全保障・危機管理(防災、テロ対策、重要インフラ防護など)の分野で政府の政策立案に関わり、国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員、日本紛争予防センター理事、総務省消防庁消防審議会委員、内閣官房危機管理研究会主査、隊友会本部理事などを歴任。小渕内閣では情報収集衛星とドクター・ヘリ実現に中心的役割を果たした。2012年4月から、静岡県立大学特任教授として静岡県の危機管理体制の改善に取り組んでいる。著書に『「アマゾンおケイ」の肖像』(集英社インターナショナル)、『フテンマ戦記』(文藝春秋)、『アメリカ式 銃撃テロ対策ハンドブック』(近代消防社)、『日米同盟のリアリズム』(文春新書)、『危機管理の死角 狙われる企業、安全な企業』(東洋経済新報社)、『日本人が知らない集団的自衛権』(文春新書)、『中国の戦争力』(中央公論新社)ほか多数。

「2022年 『メディアが報じない戦争のリアル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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