- Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
- / ISBN・EAN: 9784414401691
感想・レビュー・書評
-
風景構成法を深めてみたくなり読みました。
治療の過程で、絵が変わっていく様子が分かり、こんなにもメンタルの状態が絵に現れるのかと驚きました。
それぞれの要素が示す事象ももちろんですが、全体の印象や要素同士の関係性などを読み解くためには、長年の経験と研鑽が必要だなぁ、と…。
まぁ投影法なんだから当たり前ですが^ ^詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
(確か)箱庭療法から発展した日本発祥の芸術療法で、阪神大震災のトラウマ治療において重宝されたもの。ユング心理学とゲシュタルト療法を基礎に、特定の制限された画題をどのように扱うかで双方向の対話を試みるというものだったような。コラージュ療法とは関連があったような。症例が秀逸だったような。
-
「臨床というのは死の床に臨むという意味です」
という河合隼雄先生のお言葉から始まるのが印象的な本でした。お借りする機会があったので、誠心書房から出ている皆藤章先生の「風景構成法その基礎と実践」を読んでみました。
風景構成法の基本的な概論・歴史から目的、手順、基礎となる理論などが載っています。
この本の面白いなぁと思ったところは、大まかな概論、この技法を作り上げるに至った理論だけではなく、空間構成要素について景観工学的解析というのが別の領域のお話のようで思わずへー!と口から漏れました。
事例を交えつつ、解釈はしてくれているのですが、明確に○○はこれ、というシンボル的な解説をしているわけではないので、そういうのを期待して読むと、け、結局どう解釈するべきなのっ。となるかもしれません。紋切り型ではなく、臨機応変に、このような視点で見たら良いですよ、という方向性を導いてくれる本でした。
技法云々を差っぴいて、人のイメージの仕方、景観の捉え方、というのに興味がある方も楽しめる本じゃないかなぁと思いました。