原色 木材加工面がわかる樹種事典

  • 誠文堂新光社
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784416614266

作品紹介・あらすじ

235種の木材を写真と共に紹介する、木材樹種事典の決定版。
木材見本写真は、木工家・河村寿昌が木工ロクロで挽いて作った小箱を使用。樹種ごとに特徴などをわかりやすく解説。

1)木材見本の写真は加工曲面
小箱の曲面に現れた木肌や杢が鮮明に見える写真を掲載(従来の樹種事典では、平板の写真が掲載)。加工前の木地を含めて1樹種につき4カットを基本とする。
2)樹種ごとに、硬さなどを体験に基づきながら紹介
硬さ(1~10までランク付け)、加工のしやすさ、木目、色、匂いなどの特徴を樹種ごとにわかりやすく説明。250種以上の木材をロクロ加工してきた木工家・河村寿昌の体験に基づきながら、木材業者や研究者などの感想や研究成果を加味して記述した。木材の使い手(木工関係者、インテリア関係者、木材業者など)にとって、有益な情報が満載。例えば、「逆目を感じず加工しやすい。ロクロ加工では、繊維の影響を受けずサラサラと挽ける。油分なくペーパーが効き、仕上げ後に粗が目立たない」など。
3)特に色と匂いは、具体的なイメージが湧く表現で
色と匂いについては、できるだけイメージしやすい表現を心掛けた。例えば、「エスプレッソコーヒーのような黒」、「しっとりしたバナナのような黄色」、「杏仁豆腐やサクランボのような匂い」など。
4)正しい木材名、最新の学名と科名を掲載
木材業界や既刊の事典では、木材名が植物学上の呼称と市場通称名などが入り混じって使われ、混乱していることがある。本書では、できるだけ整理して、学名と共に正しく記載することに努めた。木の学名や科名は、DNA解析による最新のAPG体系に基づいて掲載。
5)木材の入手可能場所を掲載
ほとんど流通していない木材や希少な木材などについて、入手可能な木材業者を掲載。
6)掲載樹種は約230
国産材約115、外国産材約115の合計230数種を掲載。世界で最も重くて硬い木と思われるデザートアイアンウッドやモンゾから最も軽い木であるバルサまで、特徴のある木や有用材を多数紹介。国産材では、沖縄産材やあまり知られていない木も積極的に掲載。
7)小箱の作品集としての楽しみ
事典としてだけではなく、色や木目の異なる約230種の小箱の作品集としても楽しめる。

感想・レビュー・書評

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  • 【資料ID】71602975
    【請求記号】657.038/K
    【OPAC URL】https://opac2.lib.oit.ac.jp/webopac/BB50045012

    特にロクロ挽き時の音や匂い、刃のあたる感覚などを近似するものに例えて一種ずつわかりやすく解説し、作者自ら木材を挽いた加工見本写真が全樹種にわたり掲載されている。さらに巻末には木材業者リストもあり。
    素材選びや加工時の参考書として必見の一冊。

  • 既に素晴らしいレビューが書かれています。それをご覧いただくと、良さが伝わります。
    そして本書は著者の情熱に満ちた素晴らしい解説書です。
    材木に興味のある方、必見です。

  • この本が特に良いと思うのは【国産材】の項がとても充実していること。
    一般的な樹種はもちろん、庭木や街路樹、里山などで見かける立木としてごく普通に見られる樹々を、だからあまり流通ルートに乗らないものもその入手先・入手方法とともに、材として加工すると…ということがすべて平等に掲載されている。
    「神代」つまり1000年からの埋もれ木を、各樹種ごとに紹介しているのもおもしろい。
    「ペーパーが効く」「木屑は粉々」とか、ロクロを使って削る際の「シュルシュル」「ゴリゴリ」などのオノマトペ、加工時に材が発する匂いにも言及しており、著者に名を連ねる河村寿昌さんという木工家の樹々への愛情・慈しみを感じる。ちなみに235樹種の加工見本はすべてこの河村さん製作の「小箱」。
    樹種を紹介する本は色々な切り口で出版されているけれど、ぼくはこの本が大好きです。

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著者プロフィール

河村 寿昌:1968年生。挽き物の木工家。石川県挽物轆轤技術研修所で、轆轤(ろくろ)技術や漆について学んだ後に独立。修業時代から木材の収集を始め、現在、約300種の木材を所有。それらの材を用いて小箱や器などを製作し、ギャラリーや百貨店などで個展やグループ展を行っている。

「2019年 『増補改訂 【原色】 木材加工面がわかる樹種事典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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