粘菌 知性のはじまりとそのサイエンス: 特徴から研究の歴史、動画撮影法、アート、人工知能への応用まで

  • 誠文堂新光社
2.20
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784416717202

作品紹介・あらすじ

脳や神経をもたない単細胞生物でありながら、外的刺激に対して複雑な行動様式を示す粘菌(変形菌)。

その特異なふるまいは、コンピューターサイエンスや人工知能研究の黎明期から
科学者たちを悩ませてきた「単一始点最短経路問題」に最適な解を与えうる能力をもつことで注目を集めた。

この驚くべき生物が、どのようにして無数の色や形へと変身をとげるのか、
その体内でどのような化学反応がおき、多様な行動・判断を生み出しているのか、
その情報処理システムには、まだ多くの謎が残されている。

本書は、サイエンスドキュメンタリーフィルム『The Creeping Garden』の製作を通して、
2人の英国人がどのように研究を深めていったかを描き出す。

その過程で粘菌研究の歴史や、現在第一線で活躍する科学者たちの研究をふまえ、
粘菌を応用したコンピュータや人工知能、ウェアラブルデバイスなどの取り組みについても紹介する。

巻末には、粘菌を活用した研究で2度のイグ・ノーベル賞を受賞した中垣俊之博士と、
現在日本の変形菌研究をリードする川上新一博士による対談も収録。

感想・レビュー・書評

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  • 皆さんは「The Creeping Garden」という映画をご存知でしょうか。と問いかけると、さも私は存じているかのようですが、寡聞にして本書を読むまで存じ上げませんでした。本書を読むと、粘菌を題材にドキュメンタリーを撮ったイギリスの映画監督の、粘菌に対する情熱をヒシヒシと感じることができます。また個人的に本書から、「実は日本・日本人が粘菌に対して古くから興味をもち、研究を重ねてきた」ということを逆に教えていただきました。「これから粘菌に触れてみよう」という初心者の方から、「粘菌?割と知ってるよ」という玄人の方まで楽しめる本だと思います。ぜひご一読ください。
    (生命理工学コース M2)

  • イギリス国内 映画 (The Creeping Garden)
    水木しげる 漫画 (猫ー楠)

    粘菌の魅力を映画作品の苦労話と一緒に説明している。
    粘菌に記憶力はあるのか?唸り声、採取行動で描く模様のアート、情報処理能力の可能性の実験をおこなっている。
    意外なのがコンピューターとの関係性。
    知的なものがあると思わせてくれる本でした。
    粘菌がいま負のストレスを受けている。らしい。

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著者プロフィール

ジャスパー・シャープ:ロンドンに拠点を置く作家、映画評論家、映画歴史家。日本映画の専門家として国際的に有名。日本映画ウェブサイト「MidnightEye」の設立者兼共同編集長。世界各地で数々の巡回回顧展や映画シーズンのキュレーションを担当。菌類の熱心なアマチュア研究家としての顔も持つ。制作および上映技術の歴史などを研究分野とし、同分野の研究によりシェフィールド大学で博士号を取得。

「2017年 『粘菌 知性のはじまりとそのサイエンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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