宇宙飛行士 野口聡一の全仕事術 「究極のテレワーク」と困難を突破するコミュニケーション力
- 世界文化社 (2021年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784418216024
作品紹介・あらすじ
・宇宙飛行士・野口聡一の仕事術を、大公開!
・今年5月に地球に帰還、3回目の宇宙ステーションでのエピソードも満載。
・地球から400km離れた宇宙で仕事する野口さんが、
地上とどうコミュニケーションをとり、
ミッションを遂行したのか!迫真のノンフィクション。
・私たちの実社会に役立つ「テレワーク術」「働き方」がここにある。
・宇宙好きにとって、初エピソードが盛りだくさん。
2021年5月、地球に帰還した宇宙飛行士の野口聡一さん。民間の「スペースX」社が開発した宇宙船で宇宙へ行った初めての日本人として、偉業を成し遂げた。その野口さんは、毎朝地上からの指示を受け、400km離れた宇宙で仕事をこなしていた――それはまさに”テレワーカー”だろう。地上でのテレワークを究極にした形である。その環境下で、数々のミッションを成功させた野口さんは、いかにして地上と良好なコミュニケーションをとっていたのか。テレワークが成功するポイントは何か。野口さんが経験した民間宇宙船や国際宇宙ステーション(ISS)の最新状況なども、併せて公開する。宇宙好きはもちろん、ビジネスマンにも役立つ1冊だ。
感想・レビュー・書評
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宇宙での仕事ぶり、地上にいる私たちと同じ悩みを抱えていたエピソードなどが書かれている。野口聡一さんの人となりがよく出ていて、親しみやすさを感じた。
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宇宙でどのような生活を送っていたのか、どんなに大変かがなんとなくわかりました。
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3度も宇宙へ行った野口さん、おごることなく、コロナ化で人とのつながりが薄くなった人たちの悩みは、宇宙での生活と同じと共感してくれる。その心意気がすごい。
深い経験をされているから、共感にも深みがある。
共感、ハートを開く、相手へのリスペクト。この3つはこれからの時代、ますます大事になる。
宇宙飛行士の仕事術を、一般の仕事にあてはめる。
•言葉できちんと伝える、言語化力の大切さ
•リーダーは、メンバー全員の不満のバラツキをなくす役目
•チームメンバーそれぞれの立ち位置を見る観察力と自分の役割の客観視の必要性
自分はいつでも世界とつながれる。つながっていけるという気持ちが大事。
視点を高くもち、新しい解決策を見つける。常識はどんどん変わる。新しい「宇宙」という場所に飛び込む勇気をもとう。諦めることはない。いつだって挑戦できる。 -
宇宙でのテレワーク 指示→承認→責任
手順書=宇宙飛行士と地上の契約書
リーダーは 全員を満足させるのではなく、不満のバラツキをなくす
ダイバーシティ 同じ問題に様々なアプローチ
Truth is negotiable 真実は交渉可能 主張して勝った説が定説となり、真実になる
We-They Syndrome 対立 悪い流れを断ち切るTimeout
Situational Awareness 周囲の状況理解と把握
J-SSOD 放出事業 無人補給線で運んだ衛星を「きぼう」のロボットアームで放出
Space X 1社生産体制 宇宙服の縫製まで内製
Task oriented 目的達成への柔軟な発想
Agile 機敏 迅速
Radical 変化をいとわない -
宇宙という空間で「究極中の究極のテレワーク」を3度経験して帰還した野口聡一さんの本。コロナ禍から当たり前になったテレワークをどうしたら良くなるか?に焦点を当てて、さまざまなアドバイスが綴られている。
ただ、仕事術という面では個人だけで解決できる問題ばかりではないため、全てが参考にできるかというと理想論で止まってしまうなーという部分もある。
宇宙兄弟が好きなので、個人的には宇宙でどんなお仕事をしていたのか、どんな働き方だったのかという点が面白かった。宇宙に興味がある人に特におすすめ。
個人的なメモ
・ノンバーバル・コミュニケーションが効かないところでは、伝える側と受け取る側との間で、別の解釈の余地のない、明確にして簡潔な言葉を使うべし。
・リーダーの役割は、全員を満足させることではない。全員の不満の間にばらつきがないようにすることだ。
・スペースXの強さは、①革新的である(従来の手法にとらわれず、柔軟な発想に基づいたアプローチをする)、②アジャイル(機敏で、迅速である。スリムな組織な上、上下の連携が直接的で、かつ濃密)、③変化を厭わない(どんどん進める、失敗を隠すのではなく公表して次に生かす) -
宇宙で働くという、「究極のテレワーク」「究極の職住近接」(本文引用)という環境下での働きかた、労務管理、コミュニケーションなどを紹介。実際の体験談としての読み物としても面白い
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「シチュエーショナル・アウェアネス」 (situational awareness)=「周りの状況をしっかり理解し、把握しておくこと」という意味らしい。覚えておこう。
スペースXの3点の強みは、イノベーション、アジャイル、ラジカル。自分の職場の特徴と真逆で、辛くなった。赤字なわけだ。 -
宇宙に想いを馳せることがある。想像でしかない
宇宙を実際に3回も経験して語られる話は、非常に深く、生き生きとしている内容でした。
キラキラする部分、シーンとする部分、その両方があり、なぜそう思うのか、感じるのか。
対話からの人の魅力がたくさん引き出された本でした。 -
請求記号 538.9/N 93
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野口さんのミーハーな一面も垣間見れ、親近感が湧く宇宙に纏わるエトセトラ。
どんな職業を選んでも、最終的には『自助努力』なのだなぁ、としみじみ。