作品紹介・あらすじ
日本でもNHKの番組で紹介され話題になった、カリスマ的ライフコーチが、そのノウハウのすべてを書き下ろした、究極のライフコーチングバイブルの日本版。
原書はアメリカで出版され、その後世界中で翻訳された話題作が、新装版として軽く小さく読みやすくなりました。
101のTipにより、あなたの望む人生を体系的に作ることができる不朽の名著です。
感想・レビュー・書評
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セルフコーチングについて学びたく読みました。
が、内容として自己啓発本に近いものでした。
・まずはとにかく物を捨ててスペースを確保する
・ネガティブな感情になるものを排除する
・身の回りを整理整頓し、それを保つ
など。
コーチングとは、
理想と現実のギャップを埋める手段と書かれていましたが、知りたかった内容とは少し離れていたので、星は三つ。
ただ、自己啓発本としては悪くないと思います。
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著者の基本理念は、だいたいこんな感じです。
「人のエネルギーは一定量」「まずマイナス面(不満や不安、依存など)へのエネルギー流出を止める」「次にプラス面(希望や願望など)へエネルギーを使う」「そうすれば状況が好転する」
理念に基づいた、10Tips×10章プラス1Tip、合計101Tipsが親しみやすい文章で書かれています。
内容は、常識的な物(浪費を防ぐ為にカード払いを止めるとか)と、スピリチュアル的な物(風水とか瞑想とか自己暗示とか)が半々という印象を受けました。
また、随所にちりばめられた著者のクライアントの成功事例(真偽はともかく)が、モチベーションを刺激します。
ただ、色々と首をひねりたくなる箇所もあります。
翻訳の加減かもしれないし、あまり重箱の隅をつつくような真似はしたくないのですが、実際に取り組むつもりで読み込めば読み込むほど、なんとなくモヤモヤしてきました。
Tip06:「境界を伝える四つのステップ」は、相手がまともな精神状態である事が大前提だと思います。
Tip07:「自分が嫌だと思ったらすぐ伝える」のはともかく、「過去の事でも遡ってでも伝える」のは本当に正解か。
突然連絡してきて「○年前のあの件だけど」と言われたら、そりゃ相手は驚きのあまりその場ではとりあえず謝るでしょうし、謝罪を受ける事ができて此方はスッキリするでしょう。けれどその相手はきっと、その後ずっと此方に対して不快感を持ち続けます(言われた側の体験を持つ人間として、こう思います)。
06も07も、文中の『ニュートラルに、淡々と』を守れば大丈夫だとは、とても思えませんし、うまくいかなかった時に「言い方がニュートラルじゃなかったからだ」と思いたくもありません。
Tip18:「相手の誘い・依頼にノーと言う際、理由は不要」とありますが、相手が理由を尋ねるケースが大半の筈。理由を訊かれた場合の対処法を書いていないのは片手落ちだと思います。
Tip20:風水に基づいたアドバイスとしての「バスルームに窓が無い場合は、化粧台の鏡と向かうようにして壁に鏡を」は、どう見ても合わせ鏡ではないでしょうか。窓の有無関係無く、風水でもタブーだった筈です。
Tip31:車通勤の時間を有効活用する為、本の音声データを流すクライアントを紹介。←Tip36でマルチタスクは良くないとし、別のクライアントに運転中のラジオを禁じているのは?
Tip66:「『試みる』はエネルギーの無駄遣い」。自分が「してみてください」と言わなかった事に注目してください、とありますが、この項の中はともかく、Tip35を始め「~してみましょう」という表現は随所にあります。
「101全部を行わなくても、気に入った部分だけやれば良い」というならここまで気にしないのですが、「ある分野で無理に思えたりする場合は、初めの方に書かれている事を先にじっくりやる必要があるかも」と書かれているので。
つまり、「最初の部分ができなければ、後の部分もうまくいかない」という事だと思えるので、やはり気になります。
また、原著の出版年が2000年で、執筆当時と現在とではネット環境や社会情勢など大きく違いがあると思います。
記載の101項目について加筆修正したい部分は無いか、自分に英語力があればぜひ著者にお尋ねしたいと感じました。
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