SNSの哲学: リアルとオンラインのあいだ (シリーズ「あいだで考える」)
- 創元社 (2023年4月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784422130118
作品紹介・あらすじ
シリーズ「あいだで考える」創刊!
不確かな時代を共に生きていくために必要な
「自ら考える力」
「他者と対話する力」
「遠い世界を想像する力」
を養う多様な視点を提供する、
10代以上すべての人のための人文書のシリーズ。
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『SNSの哲学――リアルとオンラインのあいだ』
10代の生活にすっかり溶け込んでいるSNSの利用をめぐるさまざまな現象――「ブロックする」「拡散する」「死後に残るアカウント」など――を哲学の視点から捉え直し、この世界と自分自身への新しい視点を提供する。若い読者に「物事を哲学によって考える」ことの面白さと大切さを実践的に示す一冊。
感想・レビュー・書評
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SNSの使い方(依存しないように生活の中での使い方を考えよう/セキュリティを意識しよう)についての本ではなく、私たちの生活の中にすでに溶け込んでいる(分離して考えることが困難な)SNSという媒体と、それを利用しながら(SNSとともに)生きるとはどういうことか、ということをヘーゲルやハイデガー、アーレントなどの哲学者の思考を組み入れながら分析・考察している本です。
「SNSについて」を主題としている書籍、というよりも現代のわれわれの生き方について改めて哲学適任考えることが主題になっているように思います。その思考のとっかかりとして、SNSを取り上げている、という印象でしょうか。
古典的な哲学書を読むとき、現在の自分が置かれている状況と照らし合わせながら読むことが難しいと感じることが少なくありませんが、SNSを切り口に話が進みますから、「自分事」としてとらえることがしやすいように思います。
特に第一章で取り上げられているSNSでの承認(いいね!をもらうこと)への考察はなるほど、と思わせるものでした。他人から「いいね!」をもらおうとして、自分を「演出」すること(=本来の「自分らしさ」からの乖離)や、お互いに「いいね!」を送り合うために他人の投稿に過剰に反応する事(依存)など、人によっては耳が痛くなるような私的なのではないかと思います。 -
リアルとオンラインの間。
SNS疲れは承認欲求によるもので、不安、無理をすること、他律性が原因。
ヘーゲルの相互承認(役に立つかは関係なくわたしはあなたと関わっていきたい)の実現を目指すこと。
SNSに本来はない時間を作り出している。ハイデガーの「存在と時間」の考え方のように、ストーリーズに一回性を作り出すことで時熟という時間のあり方を経験する。
難しいようでなんとなくわかる感じがいい。
159冊目読了。
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#戸谷洋志
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#読了
#YA
難しい部分もあったが興味深い。「『考えたい』という気持ちを大切にしてほしい」を言い換えると「『考えなければならない』という圧力から、自由になってほしい」と語られる。何事もそうかも。自分も他者も自由にして、そこから生まれるものを大切にしたい。 -
創元社のヤングアダルト向け新シリーズ。分かりやすい言葉やイラストでSNSとの関わり方や「わたし」の在り方をときます。ヘーゲル、ハイデガー、ウィトゲンシュタインといった難解な哲学のエッセンスも盛り込まれており大人も楽しめます。SNSとの距離感を考えたくなる一冊。
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NHK100分de名著、ハイデガー回の指南役戸谷洋志さんの著書。
この番組での戸谷さんの解説がとても良かったので書店で見つけて即購入。
創元社の新しい刊行シリーズで、メインターゲットは中高校生。
それ故に、とても読みやすく理解しやすい内容でした。
中高校生や若年層に限らず、
大人でもSNSでの振る舞いに悩むことは多々あります。
この本は、SNSでの悩みやモヤモヤに対して解決策を示したり
こうしろああしろという指南本ではなく、哲学と紐付けしつつ
その悩みの根源って何だろう?
一緒に考えてみない?という寄り添うような内容です。
装丁も凝っていて、側に置いておきたい一冊です。 -
人生をより面白くするものは、「偶然との出会い」であり、今までの自分が好むものから予測されたおすすめに囲まれていては自分が大きく変わることはなかなかできないのかもしれない。SNSに縛られずに、新しい可能性の発見や幸せの実現のためにSNSを活用したい。
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SNSにおける承認欲求、時間、炎上、アルゴリズム、連帯について哲学的に考える。
参照されるのはヘーゲル、ハイデガー、ウィトゲンシュタイン、ベルクソン、アーレント。
アルゴリズムの章がよかった。
私たちのデータをもとに私たちが望むより先に好みを提供してくれるシステム。しかしそれは生を貧しくするのでは? という疑念。
SNSは利もあるが害も多い。害に自覚的に、節度を持って利用したい。
https://onl.bz/TWXiPqb
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