黄金のビザンティン帝国―文明の十字路の1100年 (「知の再発見」双書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422210780

感想・レビュー・書評

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  • ビザンティン帝国をよく知らなかったから読んでみた。東ローマ帝国らしいが、都市がコンスタンティノープル。いまのイスタンブールだと思うとトルコ?と思ってしまう。住んでいた人々はギリシア人。だけどローマ帝国を名乗っていた。やっぱり不思議だ。東西交易の中心となり栄えるが、農業は11世紀ずっと停滞してる。文化は古典主義のせいかあまり文学など発展せず、しかし一般大衆も高い教養がある。皇帝の娘の歴史家アンナ・コムネナの文章も知性を感じる。十字軍の知性が低く思える。とにかくユスティニアヌス帝が領土拡大もローマ法大全もやってて凄い。女性の権利もこの法律のために地位が向上したとか。歴史としては面白い国だと思った。

  • 西ローマ帝国滅亡からさらに千年以上にわたり存続した東ローマ帝国。
    しかし、それは次第にローマ帝国とは異なる国家へと変貌していた。
    後世の人々はこれをビザンティン帝国と呼んだ。
    そのビザンティン帝国の歴史とその魅力を教えてくれるのが本書である。

    ほぼ全ての紙面が古い写本からの美しい挿絵、モザイク、金貨や美術品の豊富な写真で埋め尽くされている。
    特にビザンティン帝国の主製品であった絹織物の図案の美しさは、目をみはるものがある。
    中世の人々は、世界の富の2/3は、コンスタンティノープルにあると信じていたとのことだが、それが納得できるような気がした。

    内容としては、ビザンティン帝国史の概要に始まり、皇帝やその魅力あふれる首都コンスタンティノープル、都市部や農村部の人々の暮らしぶりそしてビザンティン帝国を語る上では欠かせない神と聖人について書かれており、多面的な角度からこの帝国の姿を浮き彫りにしている。

    資料篇では、同時代人たちの残したコンスタンティノープルや皇帝等の証言がコンパクトにまとめられており、当時の雰囲気をリアルに感じさせる。

    ビザンティン帝国は、過去において硬直した組織典型として不当に低い評価を与えられてきていたが、近代に入ってからは、研究が進み、ギリシャ・ローマ文明の継承・保護者として、またその文化をキリスト教と融合させ、他の文化に伝搬した役割が評価されている。

    本社は、この人々を魅了してやまない華やかな帝国の歴史を知る格好の一冊だと思う。

  • 12/03/12 ビザンツの版図を表した地図がよかった。

  • 写真や図が多いので読みやすいが、内容はあまり詳しくない。

  • 愛する「エロイカより愛をこめて」の、NO.20『ビザンチン迷路』を読んでから、とても気になっていたビザンティン。ラヴェンナ〜イコン(聖像画)〜モザイク画。1000年以上にわたって盛衰を繰り返して、存続をし続けた、そんな帝国だとは知らず・・・。漫画だって勉強になるのよ、と親に言いたいところです。

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