巨石文化の謎 (知の再発見双書 91)

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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422211510

作品紹介・あらすじ

巨石建造物は大昔からさまざまな伝説で彩られてきた。とある地域の巨石建造物は荒地の真ん中で、踊る少女たちの行列がやってくると、身を起こして少女たちを通してやったという。

感想・レビュー・書評

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  • <巨石の種類>
    フランス、カルナックは大小のメンヒル(立石)、アリニュマン(直線状列石)、クロムレク(環状列石)、ドルメン(卓石)、二列にならべた割石に天上石をかぶせ、盛り土をしたアレ・クヴェールト(通廊型石室)、円形ないし方形の玄室を備えた巨大なテュミュリュス(羨道つき墳墓)など、考えうるすべての巨石遺構が集約複合して見られる。

    <著者の行った所>
    ストーンヘンジ、
    アイルランドのニュー=グレンジ
    南スペインのアンテケーラ
    ポワチエ近郊のドルメン(「パンタグリュエル物語」ラブレー)
    アルジェリア北東部のブー・ヌアラ遺跡
    小樽近郊の忍路
    秋田県大湯の環状列石

    <巨石建造物の造形>
    ・紀元前5000年気、地中海東岸のメソポタミアと西岸のイベリア半島でほぼ同時に発生。以後、南米、インド亜大陸、インドネシア、エジプト、エチオピア、カメルーンなどに。形式は上記に収斂する。

    <すべてが伝搬ではない>
    ・紀元前7000年代に北欧や地中海地方、インド、そして日本にまで申し合わせたように一斉に出現する細石器文化の場合と同様、すべてを伝搬とは捉えられない

    <世界各地の文化の独自発生と時代的・形状的一致は何故?>
    ・墳墓のドルメン、天文台?の環状列石であれ、かなりの労働力と経営技術、その統括者が必要。なので、高度に組織された強大な位階制部族社会の存在が前提となる。
    ・巨石文化は新石器時代革命を基盤として育まれた萌芽敵国家の誕生を物語っている。

    <後期旧石器時代の文化も引き継いでいる>
    ・抽象化された文様などは、旧石器時代の洞窟壁画や骨角線刻にみられる造形を受け継ぐ。・・己の存在を表現した。これは何なのか。

    <掲載写真、絵、の場所>
    ・イギリス、ストーンヘンジのドルイド祭(夏至の日)
    ・イギリス、ゴードンズエッジ
    ・デンマーク、ウドレイア
    ・ブルターニュ、ラ・ロシュホ(妖精たちの岩)
    ・ブルターニュ、ロクマリアケルの倒壊大メンヒル
    ・フランス・ブルターニュ、カルナックの列石
    ・カフカス山脈のドルメン
    ・イギリス、オークニー諸島のドルメン
    ・イギリス、ガーンジー島のフィヤージュ遺跡
    ・ポルトガル、ビゼウのメンヒル
     巨石のある場所を知りたかったのだが、p66にヨーロッパでの分布図があった。

    <画家の描いた巨石>
    ・カスパル・ダーヴィト・フリードリッヒ 「石の前で佇む男」
    ・ヨハン・クリスティアン・ダール(ノルウェー) デンマークの巨石に葉の落ちた木の絵
    ・ターナー 「ストーンヘンジ」 前で羊が倒れる
    ・コンスタブル 「ストーンヘンジ」

    <小説・映画の中の巨石>
    ・「テス」 最後にテスがストーンヘンジに横たわる


    ジャン-ピエール・モエン著 フランス博物館研究所長 先史学者
    蔵持不三也監修 1946生 ヨーロッパ先史学。早稲田大学文学部卒、同大人間科学部教授。 

    2000.7.20第1版第1刷 図書館

  • MJ5a

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