- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784422300481
作品紹介・あらすじ
昭和期以降、日本独自の言論空間として機能した論壇。その論壇の舞台であった、いわゆる総合(綜合)雑誌を題材に、戦後民主主義を支えてきた中間文化界の形成・実相・変遷を論じる、ありそうでなかった社会学論集。『文藝春秋』や『世界』『婦人公論』『暮しの手帖』『流動』『放送朝日』など、論壇の時間軸と空間軸の広がりに絶妙に迫る雑誌10誌(+ネット)をセレクト。論壇の崩壊が叫ばれて以降初めて成る、本格的論壇研究。
感想・レビュー・書評
-
門外漢ですが、たまたま図書館で目に留まったので読んでみました。
各章は特定の雑誌にフォーカスしているものの、同時代の関連する論壇雑誌を紹介しているため、順番に読んでいくと、明治末から現代までの論壇雑誌の栄枯盛衰を概観できるようになっているように思いました。
論壇雑誌を日常的に読まないので、論壇雑誌というものの内容や位置づけをいまいち把握できていませんでしたが、そういった事柄についても理解を進めることができました。
雑誌研究・論壇研究のさまざまな手法も知ることができ、興味深かったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
雑誌
-
【内容紹介】
昭和期以降、日本独自の言論空間として機能した論壇。その論壇の舞台であった、いわゆる総合(綜合)雑誌を題材に、戦後民主主義を支えてきた中間文化界の形成・実相・変遷を論じる、ありそうでなかった社会学論集。『文藝春秋』や『世界』『婦人公論』『暮しの手帖』『流動』『放送朝日』など、論壇の時間軸と空間軸の広がりに絶妙に迫る雑誌10誌(+ネット)をセレクト。論壇の崩壊が叫ばれて以降初めて成る、本格的論壇研究。
<http://www.sogensha.co.jp/booklist.php?act=details&ISBN_5=30048>
【目次】
序論(二〇一四年二月三日 竹内洋) [001-013]
目次 [014-015]
■第一部 論壇のフォーマット
第一章 『中央公論』――誌運の法則(竹内洋) 01
第二章 『文藝春秋』――卒業しない国民雑誌(井上義和) 049
第三章 『世界』――戦後平和主義のメートル原器(佐藤卓己) 077
■第二部 論壇のアキレス腱
第四章 『婦人公論』――お茶の間論壇の誕生(稲垣恭子) 111
第五章 『暮しの手帖』――山の手知識人の覇権(佐藤八寿子) 133
第六章 『朝日ジャーナル』――桜色の若者論壇誌(長崎励朗) 165
第七章 『ニューズウィーク日本版』――論壇は国際化の夢を見る(松永智子) 185
■第三部 論壇のフロンティア
第八章 『諸君!』――革新幻想への解毒剤(井上義和) 217
第九章 『流動』――新左翼系総会屋雑誌と対抗的言論空間(大澤聡) 245
第十章 『放送朝日』――戦後京都学派とテレビ論壇(赤上裕幸) 271
第十一章 「ネット論壇」――論壇のデジタル化とインターネット(富田英典) 293
あとがき(二〇一四年二月一一日 佐藤卓己) [312-317]
『日本の論壇雑誌』関連年表(白戸健一郎) [318-342]
人名・誌名索引 [343-350]
【編者紹介】
■竹内 洋
1942年新潟県生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。京都大学博士(教育学)。京都大学大学院教育学研究科教授を経て、現在、関西大学東京センター長。京都大学・関西大学名誉教授。
著書に『メディアと知識人』(中央公論新社、2012年)、『革新幻想の昭和史』(同、2011年)、『大学という病』(同、2001年)など。
■佐藤卓己
1960年広島県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。京都大学博士(文学)。東京大学新聞研究所助手、同志社大学文学部助教授、国際日本文化研究センター助教授などを経て、現在、京都大学大学院教育学研究科准教授。
著書に『「キング」の時代』(岩波書店、2002年)、『言論統制』(中公新書、2004年)、『輿論と世論』(新潮選書、2008年)など。
■稲垣恭子
1956年広島県生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程退学。京都大学博士(教育学)。現在、京都大学大学院教育学研究科教授。
著書に『女学校と女学生』(中公新書、2007年)、編著書に『不良・ヒーロー・左傾』(共編、人文書院、2002年)、『教育文化を学ぶ人のために』(2011年、世界思想社)など。
【その他の執筆者】(50音順)
◆赤上裕幸
1982年埼玉県生まれ。防衛大学校公共政策学科専任講師。著書に『ポスト活字の考古学』(柏書房、2013年)など
◆井上義和
1973年長野県生まれ。帝京大学総合教育センター准教授。著書に『日本主義と東京大学―昭和期学生思想運動の系譜』(柏書房、2008年)など。
◆大澤聡
1978年広島県生まれ。近畿大学文芸学部講師。著書に『批評メディア論―戦前期日本の論壇と文壇』(岩波書店、2015年)など。
◆佐藤八寿子
1959年東京都生まれ。京都女子大学、滋賀大学等非常勤講師。著書に『ミッション・スクール―あこがれの園』(中央公論新社、2006年)など。
◆白戸健一郎
1981年北海道生まれ。日本学術振興会特別研究員(PD)。
著書に『ソフト・パワーのメディア文化政策』(共著・新曜社、2013年)など。
◆富田英典
1954年大阪府生まれ。関西大学社会学部教授。
著書に『インティメイト・ストレンジャー―「匿名性」と「親密性」をめぐる文化社会学的研究』(関西大学出版、2009年)など。
◆長﨑励朗
1983年大阪府生まれ。京都文教大学専任講師。著書に『つながりの戦後文化誌―労音、そして宝塚、万博』(河出書房新社、2013年)など。
◆松永智子
1985年福岡県生まれ。東京経済大学コミュニケーション学部専任講師。著書に『ソフト・パワーのメディア文化政策』(共著・新曜社、2012年)など。 -
【配置場所】工大選書フェア【請求記号】051.3||T【資料ID】11401267