朝鮮戦争は、なぜ終わらないのか (「戦後再発見」双書7)

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422300573

作品紹介・あらすじ

北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐって緊迫化する日本の安全保障。なぜヨーロッパでは30年も前に消滅した「冷戦構造」が、東アジアではいまだに続いているのか……。現在の日本政府は、アメリカとのあいだに存在する安全保障の枠組みを変えることはまったく選択肢になく、ただ中国と北朝鮮を、崩壊したソ連に代わる「新たな脅威」と位置づけ、従来の冷戦構造を維持しようとしている。本書では、その根源が67年前の「朝鮮戦争」にあることを明らかにし、対米関係では日本と双子のような関係にある韓国の軍事的状況から、これまであまり論じられてこなかった朝鮮戦争と日本の安全保障体制の関係についてときほぐし、これから進むべき日本の未来を展望する。

感想・レビュー・書評

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  • 外交問題についてあまりにも無知であったため購読
    勉強になりました

    これを読んでいるときに、ちょうど米主導によるシリア攻撃がはじまった

  • ● 2000年6月13日、金正日総書記、金大中大統領。南北共同宣言。南北両国は、それぞれの統一案に共通性のあることを認め、今後その方向で統一を求めていく。
    ●ソウルには朝鮮戦争を戦った「国連軍」が存在し、日本はその「後方基地」になっています。首都圏に3カ所、九州に1カ所、沖縄に3カ所あります。そのため、アメリカはいつでも戦争を始めることができます。
    ●ソウルでは、長年街の中心部に居座っていた米軍基地が、ついに移設されることになりました。現在も韓国軍を指揮する権利は米軍が持っています。
    ●1962年。実は沖縄の米軍基地から、核ミサイル発射されかけた事があった。読谷村の核ミサイル基地に対して、ソ連に向けた4着のミサイル発射命令が下されました。士官が、この命令は間違いだと確信し、命令を無視しました。
    ●北朝鮮が核型兵器開発に執念を見せ始めたのは1990年代。
    ● 1950年。北朝鮮はやがて韓国を攻撃する、その背後には中国がいると言う情報が、山口県庁の朝鮮情報室に早くから寄せられていました。
    ●朝鮮半島に出撃した米軍の基地を守るため警察予備隊が作られた。
    ●倒産の危機にあったトヨタも、朝鮮戦争で息を吹き返した。
    ●日本からの後方支援がなければ米軍の負けになっていた。機雷の除去作業では日本が秘密裏に作業をしていた。
    ●結局アメリカから押し付けられたのは、日本国憲法ではなく、日本の再軍備の方である。
    ●韓国語の指揮権は、なぜ米軍が持っているのか?新たに発足した米韓連合司令部が、国連軍から作戦統制権を受け継いだ。
    ●まずは作戦統制権を早期に韓国に戻し、南北対話の条件を整えるべきです。
    ●グローバル化の流れがもたらすものは、むしろ国家間の対立かもしれない。

  • 本を読み進めるうちに、うん?なんだこの書きっぷり。
    と著者の経歴を見ると、あ~、だからね!って納得。
    中日新聞に入社、現在は東京新聞論説委員だそうです。
    特に中盤以降は、左派のお花畑っぷり全開で、言っていることに矛盾・根拠のない推察など満載でいちいち指摘しきれない(多すぎて覚えていない)。
    https://seisenudoku.seesaa.net/article/472425936.html

  • 朝鮮国連軍(国連旗の使用を許された実質米軍で、国連の監督は及ばない)が組織として存続している限り、和平は難しいのでは。
    在日米軍基地の中にも、国連軍が使用できると定められているところがある。
    北朝鮮が韓国の島に砲撃を加えたとき、韓国があまり反撃できなかったのは、米国による圧力があったから。

  • 新聞記者として朝鮮半島を見てきた著者が今も休戦中で日本にも大きな影響を及ぼしている朝鮮戦争の持つ意味について説明する。
    韓国の龍山基地の歴史、日本と国連軍地位協定、米本土への攻撃力を持つに至ってアメリカの本格的な脅威となった北朝鮮、沖縄の米軍基地から核ミサイルが発射されかけた事案、北朝鮮の核開発に至る経緯、朝鮮戦争を予期していた山口県、朝鮮戦争の推移、日本の戦争協力と再軍備、日米安保条約の目的は日本の防衛以外に米軍基地を使うためにあること、作戦統制権についてといった話で、あまり知らない朝鮮戦争について勉強できた。

  • 東2法経図・開架 319.2A/G62c//K

  • 18/01/11。

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著者プロフィール

五味洋治:1958年長野県生まれ。82年早稲田大学第一文学部卒業。83年東京新聞(中日新聞東京本社)入社、政治部などを経て97年韓国延世大学校に語学留学。99~2002年ソウル支局、03~06年中国総局勤務。08~09年、フルブライト交換留学生として米ジョージタウン大学に客員研究員として在籍。現在、論説委員。主に朝鮮半島問題を取材。著書に『朝鮮戦争は、なぜ終わらないのか』(創元社)、『金正恩 狂気と孤独の独裁者のすべて』(文藝春秋)、『父・金正日と私 金正男独占告白』(文春文庫)、『女が動かす北朝鮮 金王朝三代「大奥」秘録』(文春新書)などがある。

「2021年 『金正恩が表舞台から消える日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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