フィボナッチの兎: 偉大な発見でたどる数学の歴史 (創元ビジュアル科学シリーズ3)
- 創元社 (2020年10月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784422414270
作品紹介・あらすじ
古代から数学者は「紙と鉛筆」を使って数学の世界を切り拓いてきた。ピタゴラスの定理とも呼ばれるX2+y2=Z2は、彼が発見した定理ではない。しかし彼は直感と論理にしたがい、それが正しいことを「証明」したのだ。その後もフェルマー、ワイルズ、フィボナッチ、ニュートン、オイラーなどによる数学的発見がつづく。これらはすべて先駆者たちのひらめきの上に築かれたものだ。50の偉大な発見で見る壮大なヒストリー。
感想・レビュー・書評
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南アフリカとスワジランドの間、レボンボ山の洞窟 44,000年前 8センチのヒヒの腓骨 29個の刻み目
BC2700 シュメール人 stylusスタイラスと呼ばれる棒で湿った粘土板に文字 60進法 手で12まで数える方法☆人差し指付根から123中指456…12まで
πは超越数 代数方程式の解にならない数 長さがπの線分は書けない・円を正方形にはできない
エジプト分数 分子が常に1 5/8ならば1/2と1/8 5枚のピザを8人に分けたい→4枚のピザを半分、1枚のピザを1/8
1より小さい数はどんな数でもエジプト分数にできる
ピタゴラス 自然の中に数学的な美 ハープの弦の張力が2倍→2倍高い音が出る
ガリレオ 等しい・大きい・小さいという属性は有限の量にのみ適用可能 2乗の数を自然数と対応させる→無限に可能 2乗の数も無限
異なる大きさの無限 実数の集合は整数の習合よりも大きい
BC300 ユークリッド 原論→幾何学(図形)に関する本 聖書に次いで西欧で読まれた 直線は2点間の最短距離を与える
アルキメデス エウレカ(見つけたぞ!)
BC240 エラトステネス アレクサンドリアから南に925キロ・今のスーダン国境のシエネ(今のアスワン) ナイル川中州のエレファンテネ島に井戸・夏至の日に真上に太陽 同時刻にアレクサンドリアでは棒と影が作る角度は7.2度
(シエネは北回帰線上にありアレクサンドリアの真南と考えた)☆台湾も北回帰線あり・子供の自由研究の題材にならないか?
アラビア 830年アル・マムン知恵の館・写本の所蔵 アル・フワーリズミー 正方形を用いて二次方程式☆x^2+10x=39 1辺がxの正方形、10/4とxの長方形を4つ足すと5面の面積和が39 大きな正方形を考え5/2・5/2が4つ+39=64 大きな正方形の1辺は8
フィリナスボナッチ(ボナッチの息子の意) 1/1に2匹のウサギ→2/1そのまま→3/1男女の子(2対)→4/1(3対)
112358… 前の2つの数を足した数が続く
1614年 ジョン・ネイピア 秘密を暴く雄鶏・城内で盗み発生・暗闇で雄鶏に触れさせる・雄鶏にススを塗っておき触らなかった従僕が犯人だった
自然対数 ln ネイピアの骨(計算するための表) 計算尺
デカルト座標軸 xとy軸 (3,4) ベッドで横になっている時に天井のハエを見て思いついた
1728年 レオンハルト・オイラー e exponential指数の 成長を表す定数 yの値はe^x 傾きも 曲線の領域の面積も
グラフ理論を生んだゲーム ロシアのカリーニングラード・プレーゲル川に2つの中州・7本の橋
オイラーが架けた橋は、はるか遠くまで届いたわけだ。
ゴールドバッハ予想 2以上のすべての整数は、数個(または1個)の素数の足し算で表せる
ベルヌーイの定理 流体
ガウス 三角数 1 3(〇の下に2つの〇) 6 10…
フーリエ変換 ピアノの音・空気の圧縮と伸張の繰り返し・空気分子がくっ付けられたり離されたりすることで音が移動・人の耳に風が当たっているとは感じない・耳の神経末端から脳までの構造が空気の動きを可聴域に変える
フランス革命時 ガロア 死の前夜自分の考えをメモ「複雑な方程式を解きたいなら代数的な手段に頼ってもむなしいだけで、対称性とパターンを見出せば解ける」
解を見つけるために物事をバラバラにするのではなく、代わりに群を操作し、解を並び替える方法を考察
ブール代数 あらゆる論理的な議論に適用できる仕組みを代数を使って作る
要素の集合 XとY すべてのXがYである場合、XY=X XX=X
ナイチンゲール 見やすく色分けしたグラフ 鶏のトサカ
メビウスの帯 ねじれが入っているため2周したらスタート位置に戻ってしまう ドイツの数学者アウグスト・メビウス
オイラーの多面体の一般式 頂点-辺+面=2
インド人シュリニヴァーサ・ラマヌジャン 1729=1の3乗と12の3乗 9と10 タクシーのナンバー
Ta(1)=2で1と1 Ta(2)は1729 Ta(3)は87,539,319で3組あり
3乗から計算するのに対して元の数字を見つけるのは困難・暗号化技術
ファン・ノイマン「ゲーム理論と経済行動」 高度な数学の本としては異例なことに新聞の1面を飾った
ナッシュの理論 後悔しない理論・プレーヤーは勝ったり負けたりしない膠着状態に達する(ナッシュ均衡)→ナッシュ自身も自分の成果に疑問 ゲーム理論の想定よりも人々ははるかに忠誠心と連帯に基づいて行動する
新たな図形 スクトロイド(鉛筆の1つの角を三画になるように切り取った6角柱) 細胞組織の屈曲を助ける形詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
来年の干支は「卯」(うさぎ)!
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読書マラソン感想カードより:
フィボナッチ数列やメビウスの輪などの解説が分かりやすかった。一部eやログの説明などが難しくよくわからなかった。読みなおしてみると、しばらくしてあ~そういうことかと分かった。さし絵などもかわいくきれいな本だなと思った。楽しかった。
オススメ度:
★★★★★
にゃ~(海洋資源環境学専攻)
フィボナッチ数列やオイラーの公式などの背景のストーリーが面白かった。コンピューターの発展のところで、カオス理論や二進法のストーリーが難しすぎて3ページごとの解説ではなんとなくしか分からなかったが、へーそういうふうに数学が実用化されるのか、ということは分かった。
オススメ度:
★★★★
ポチ丸
所蔵情報:
品川図書館 410.2/H33 -
Fibonacci's Rabbits:
And 49 Other Discoveries that Revolutionised Mathematics
https://www.sogensha.co.jp/productlist/detail?id=4124 -
フィボナッチだけに焦点を当てているわけでなく、古代から現代までの数学者、理論の紹介、て感じかな。こういう本読むと、ほんと、生まれ変わったら数学者になりたくなる。
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図書館で借りた。数学歴史深い
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シュメール人は60進法だった。指の関節をつかった。
超越数=代数方程式の解にならない数。円周率、eなど。数論によって証明される。
エジプトの分数は、常に分子は1、それの足し算で複雑な分数を現わす。
古代ギリシャ人は、月食が地球の影で起こることを知って、地球が丸いことを理解した。地球の大きさは、アレクサンドリアとアスワンの距離を測った。
フィボナッチ数列=1,1から始まって、数字を足していく。1,1,2,3,5,8、13・・・最終的には黄金比になる。
eは、成長を示す定数。eのべき乗は傾きもeのべき乗、面積もeのべき乗。オイラーの公式。eのiπ乗+1=0
宇宙の駐車場=太陽、地球、月の重力の作用が均衡して動かない点=ラグランジュ点。5つある。L1~L3は直線状にある。静止衛星に最適。L4とL5はギリシャ群やトロヤ群などの小惑星や宇宙塵が溜まっている。人口コロニーの候補になる。
素数の分布。ガウスが自然対数を使って計算できることを発見。数論。
フーリエ変換=熱伝導方程式を使って正弦波に変換できる。
クラドニの金属板の上の砂の実験。ジェルマンが弾性理論を使って説明した。
ガロア。対称性とパターン。群論の先駆け。
トポロジー。メビウスの輪をふたつに切ると繋がった一本の輪になる。 -
2020年11月新着図書