ランキングのカラクリ

著者 :
  • 自由国民社
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本棚登録 : 77
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784426125356

作品紹介・あらすじ

統計のプロフェッショナルが教える数字とデータの「正しい」読み解き方。
教養としての統計学が勝手に身につくビジネス書。

「住みたい街ランキング」「赤ちゃんの名前ランキング」「大学ランキング」「理想の上司ランキング」「良い病院ランキング」…メディアで報じられるとついつい見てしまう、気になるランキング。でもその順位、どうやって決まっているかご存知ですか?

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◇本書「はじめに」より抜粋

「ランキング」、と一口に言っても千差万別。本書でもいろいろなものを扱うが、それらは玉石混交状態である。いいかげんなランキングもあって、必ずしもそれが悪いとは限らないが、少なくともいいかげんなものを見極める目は持ってほしい。本書の一番の目的はここにある。

つまりランキングを作る正しい方法論を知り、もしあるならその背後のカラクリを知り、そして自分で役立ててほしいのである。

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●目次
第Ⅰ章 平均と分布 ーー視聴率ランキングの仕組みを考えてみるーー
第Ⅱ章 比較とサンプリング ーー大谷翔平はベーブ・ルースを超えたのか?ーー
第Ⅲ章 指標と指数① ーー住みたい街ランキング1位は本当に住みやすいのか?ーー
第Ⅳ章 指標と指数② ーー大学ランキングは優れた教材ーー
第Ⅴ章 相関と因果 ーー良い病院ランキングが上位なら死亡率は下がるはず?ーー
第Ⅵ章 ランキングのカラクリを見破るコツ ーーまとめに代えてーー

感想・レビュー・書評

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  • この著者の本は、前に『「社会調査」のウソ――リサーチ・リテラシーのすすめ』(文春新書)というのを読んだことがある。これはとても面白い本だった。

    本書も、『「社会調査」のウソ』の類書、応用編だ。
    社会調査論を専門分野の一つとする研究者である著者が、豊富な専門知識をふまえ、世にあるさまざまな「ランキング」の裏側を暴いた書なのである。

    《世にはびこる多くのランキングは、遊びの範囲で楽しむものでしかなく、意味のないものなのだ》と、著者は言い切る。

    本書でやり玉にあげられるのは、「大学ランキング」「住みたい街ランキング」「理想の上司ランキング」「理想の父ランキング」「良い病院ランキング」「赤ちゃんの名前ランキング」など……。
    それらのうち、「大学ランキング」「住みたい街ランキング」「良い病院ランキング」あたりは、たしかに、マジメに受け取ってしまうと人生すら左右しかねないだろう。

    大マスコミや大企業などが手掛けるそれらのランキングに、いかにいいかげんでバイアスが多いかを、著者は指摘していく。
    とくに、大学ランキングに対する批判は、著者が長年大学の経営サイドに身を置いてきた人(大阪商業大学学長)だけに、緻密かつ執拗で、読み応えがある。

    個人的には、各種「幸福度ランキング」に潜むバイアスを指摘した部分が、大変有益であった。
    日本が幸福度ランキングで先進国中下位に甘んじている「謎」に、初めて得心のいく解答が得られた思いになった。

    なお本書は、指標と指数の違い、相関関係と因果関係の違いなど、統計学の基礎の基礎についてもくわしく説明されており、統計入門としても有益である。

  • ランキングって、楽しいですよね

  • 谷岡さんの文体が面白かった。統計、ランキング等気になる方は必読。
    個人的なランキングでは、暫定2位

  • 「住みたい街」「理想の上司」「赤ちゃんの名前」

    テレビや雑誌では毎日のようにあらゆるランキングが発表されている。

    でも、それって本当なの?

    この本を読むとランキングのカラクリに気づきます。

    そして世のランキングのほとんどが客観的なデータになっていないこと驚きます。

    「アリゾナ州の結核死亡率」の話は非常に面白かった。

    テレビやネットで発表される「数字」については鵜呑みにはせずに「これって本当?実は違うかも?」という視点を常に持ち続けた方が良いですね。

  • 統計を仕事でも活用していたので、大体の事は分かっていたが、あらためて頭の整理が出来た。最後の事実は主観によって捻じ曲げられる。事実は無知によって知らずに捻じ曲げられる。強く同意

  • まあまあかなあ

  • 「その順位、本当ですか?」

    普段何気なく目にするランキングのカラクリをあなたは知っていますか?視聴率、赤ちゃんの名前、内閣支持率などの様々なランキングを例に、その裏に隠された数字のトリックを説明する。

    数字と聞くと、正確さを求められるような印象を受けるが、ランキングに至ってはそうではない。例えば、同じ事柄を扱ったものでも、新聞社が違ければその数値には少なからず開きがでる。

    ひとえにランキングといっても、適正な計測によるものや、少々いい加減なものもある。しかし、正確なランキングが必ずしも良いわけではない。雑誌やテレビなどでよくある、理想の〇〇ランキングなどの適当なランキングの方が、かえつて面白いものが多かったりする。

    本書では、ランキングを通して目にうつる数字に騙されない力が身につき、物の見方や考え方の視野が広がります。

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著者プロフィール

大阪商業大学学長

「2021年 『悪魔の証明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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