甘い罠 (Gene Novels)

著者 : 暁由宇

• イー・コネクション (2002年8月1日発売)

感想・レビュー・書評

[りえぴょんさんの感想 · 2024年4月29日]

仕事ができて人に威圧感さえ与えてしまう男が、自分より十も年下の学生にひそかに狙いを定められ、その術中にはまり身も心も相手の思い通りにさせられてしまう。攻めに見えた主人公が実は受けで、攻めもまた然り。途中から豹変した攻めによるSMが話のメインになってしまったが、受けの心情の変化はなかなか面白かった。

[カイルさんの感想 · 2010年6月29日]

（あらすじ）
生真面目な公認会計士恭介は馴染みの居酒屋で知り合った
千博とひょんなことから親しくなる。
かつて親友に恋人を奪われて以来、恋愛に積極的になれず、
仕事に没頭する日々を送っていた恭介にとって、
自分に懐いてくる年下の千博は可愛い弟のようであり、
心和む相手だった。
だが、その出会いは単なる偶然ではなく、
巧妙に仕組まれたものだった。
千博によって、次第に追い詰められ、
理性や常識で覆い隠していた欲望を暴かれていく恭介は...。

[松倉東さんの感想 · 2010年6月11日]

面白かったです。興味深いという意味でも。
昔、友人に同じ著者の3Pものを貸してもらったことがあるんですが、あれも予想してた内容とまるで違う展開で楽しめたのを思い出しました。

本作はＳＭを主題にしているので一瞬怯むんですが、読んでいるうちに主人公がＭに目覚めることが、精神的な解放に繋がっていることを無理なく納得させられてしまいます。
心理描写が簡潔なのに自然で、調教ものにありがちな泥沼な後味がないです。
むしろ読後感は爽やか。
著者の暁さんが断筆されてしまったのが悔やまれる…