落ちこぼれ万歳: 自分を生きたアントレプレナー列伝

著者 :
  • 明拓出版
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784434112386

感想・レビュー・書評

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  • 著者は、松下電器の元副社長で、この本を書いている時点ではアメリカの大学ではたらき、シリコンバレーに近いスタンスをとっている。冒頭で、”仕事は面白くないもの”、”自分の時間を会社に売っているのだから”、ということがあるが、2017年の今、これは通用しないと思う。企業が成長期にある中で開発の中心にいた人たちにありがちな価値観。本人たちが言うほど、束縛されていないし、つまらないことをしていない時代だから。自分たちで成長を促したと錯覚できる時代。日本のGDP成長率が10%を超えていたのだから、どの企業だって年率10%は成長するわけで、これが誰か特定の個人の手柄かというとそんなことはない。今の日系企業の問題は、まさにここにあって、国としてほぼ0%成長、企業も停滞期にあるということ。昔のつまらない仕事と今のつまらない仕事は圧倒的に結果が違う。昔のつまらない仕事は、つまらないけど、年率10%成長につながっていると思えた。だって給料が上がるし、日本の変化が日進月歩だったのだから。今のつまらない仕事は、本当に何ももたらさない。もたらすのは疲労だけ。ただ、本書では、このようなつまらない仕事から抜け出すために「会社は乗り物」という考えを提案している。そう考えれば、まあ時代は関係ないですね。ということで前段が長くなったが、本書は著名なアントレプレナーの紹介本。

    以下、登場するアントレプレナーとそこからの教訓をリストにしていこう。

    フレデリック・ターマン(スタンフォード大学教授)
    シリコンバレーの父、ビル・ヒューレットとデビット・パッカードをつなぎ、結果HPができた
    ・「最初の会社は袖にしろ」:
    最初の会社では勉強だけさせてもらって、経験やスキルを次の環境で生かす
    ・仕事は楽しく面白くやるべきもの
    ・仕事は分担してやるもの

    ウィリアム・ショックレー
    言わずと知れた半導体の祖、ベル研でトランジスタを発明し、ショックレー研究所を設立
    研究者としてはすごいがダメリーダーの典型で自分中心でないと気がすまない
    結果として皆に嫌われて研究所はつぶれる

    ロバート・ノイス
    インテルの基礎となるフェアチャイルド・セミコンダクタの創設者
    ショックレーのもとを去ってうまくやった人

    「グレーパーソンの見えないアントレプレナーには投資をするな」 by シリコンバレー
    グレーパーソンは成功したアントレプレナーでシリコンバレーのタニマチ的な老人たちのこと
    100人くらいいるらしい

    ビル・ゲイツ
    「自分のものは自分のもの、他人のものもじぶんのもの」
    ジャイアン的発想でいいアイディアを上手にぱくりながらIBMまで利用してのしあがった生来の商売人

    時代は変わっても「一所懸命にやる」ことの大切さは変わらないらしい

    やばそうな状況を楽しめばいい

    ジョセフ・シュンペーター
    イノベーションとは既存のものの新しき結合である
    二股ソケット&地下足袋、これが日本の二大特許

  • 遠回りしても、余分な苦労をしても・・・。

    すべて順調に行くだけが成功の道ではないことを、この本は学ばせてくれました。

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著者プロフィール

株式会社フレームワークス執行役員。人材派遣、物流センター運営、物流子会社の事業譲渡などの経験を経て、2015年入社。システム導入支援に限らず、物流拠点再編、倉庫内設計、自動化推進など、ロジスティクスにおける課題解決支援に幅広く携わる。物流業界で頑張っている方々に少しでも貢献したい一心で、奮闘中。

「2021年 『ミライへつなぐロジスティクス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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