白い死神

  • アルファポリス
3.41
  • (7)
  • (12)
  • (19)
  • (4)
  • (2)
本棚登録 : 204
感想 : 24
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784434165337

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 実話。

    第二次大戦中、ソ連はレニングラード(現在のサンクトペテルブルグ)付近の防衛のため、フィンランドに侵攻。

    兵力、装備とも雲泥の差があるソ連とフィンランドだが、祖国を守るために立ち上がり、たった一人で500人以上のソ連兵を殺した狙撃手の話。
    なお、この狙撃手はフィンランドの国民的英雄である。

    出版はウクライナ侵攻前だが、ソ連(ロシア)は1939年も2022年もやっていることは同じだし、侵攻する理由も侵攻した後の言い訳も同じだし、全く持って信用ならん国ということがよくわかる。

    この時代にもフィンランド国民に対し、積極的なプロパガンダ策を展開する。これも現代と同じ。

    フィンランドは驚異的な粘りを見せるが、国土の1/10をソ連に割譲するという屈辱的な条件で和平を成立させる。

    その後、ドイツがソ連に攻め込み、それに乗じてフィンランドも奪われた国土を取り返すのだが、ドイツが負けてまたややこしいことになる。

    やはり、戦争はしないのはもちろんのことだが、こっちが嫌がっても勝手に攻めてくる場合があるので「負けないこと」が一番である。

  • 「冬戦争の奇跡」で活躍した天才狙撃兵シモ・ヘイヘの実話
    ヘイヘはスコープを使用せず、銃身に付いた鉄製の照星と照門のみで狙撃を行ったとのこと。
    狙撃手シモ・ヘイヘの狙撃に関するエピソードを読みたかったが、
    ヘイヘ自身よりも、ヘイヘの上官のエピソードの方が多かった。
    シモ・ヘイヘ自身は自分のことをあまり語らない、物静かな人物であったと想像する。

    第20章 狙撃手の背負う重荷 と 第21章 最高の狙撃手 が面白い。

  • 狙撃手、シモ・ヘイへの数少ない資料。
    ここでは「人間」としての彼が強調されており、超人的な伝説を知った後に読むと新鮮。しかし、伝説についてはほとんど載っていないため、彼を全く知らない人には不十分かもしれない。どっちかというと、(おふざけもあるものの)アンサイクロペディアを読んでからこっちを読んだ方がいい。

  • フィンランドに実在したスナイパーの話です。スナイパーとは、どんな人間か興味があり、購入。一気に読んでしまいました。

  • 小説仕立てで書かれているが、物語は伝説が独り歩きするような誇張はされておらず、淡々と進んでいく。
    まあでも、ソ連軍の狙撃手との交戦を描いた第5章「死の炎」はたぎる。

著者プロフィール

1970年生まれ。ヘルシンキ大学卒(修士)。歴史の教師として教壇に立つ傍ら、戦場に生きた男たちの姿を描く作品を発表し続けている。1998年の夏、約60年にわたり沈黙を守ってきた伝説の狙撃手シモ・ヘイヘのインタビューに成功、これに基づいて執筆した原書はフィンランドで大きな反響を呼んだ。その他の作品に、マンネルヘイム十字章を受けた軍人ラウリ・テルニの伝記三部作(Kari Kallonen 共著、未邦訳)など。本書は著者の初めての邦訳作品。

「2013年 『白い死神』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ペトリ・サルヤネンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×