- Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
- / ISBN・EAN: 9784434168345
作品紹介・あらすじ
ある日突然、異世界へ飛ばされてしまった莉月(りつき)。共に異世界へと渡ってきたのは、手に持っていたミニトマトの苗、一株99円。親切な人に拾われた莉月は、メイドとして働く傍ら、トマト作りに精を出すのだが、ある日トマト畑で、凄まじいイケメンに出会って……。元の世界に帰る日を夢見て、メイド業とトマト栽培に励み、美形たちに翻弄される、ラブ(?)&コメディストーリー!
感想・レビュー・書評
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タイトルはどういうことなんやろう? と、思っていたら、トマトの苗を持ったまま異世界トリップしちゃった女子の話やった。
なるほどー。
うまいな。
今回は異世界トリップしてお姫様になったのではなく、メイドさん。
わりと感覚も庶民ぽい子やったけれども、皇太子さま? (に、なるのかな。王位第一継承者の人)に見初められるという点では、王道。
ただこのトリップしちゃったリツキちゃん(名前、難しいな・・・)が、ややひねくれたというか・・・、ツッコミ気質の子なので、なかなかそのあたりが進展しない。
「自分みたいな庶民がこんなキラキラ王子様に好かれるわけがない」
みたいな思い込みがすごいねん。
とはいえ、リツキちゃんはひくつではないので読んでいてイラッとはせえへんけど、トリップ先のカールディア王国では黒髪黒瞳が珍しいらしく、当人の意識に反してリツキちゃんは
「すごい美少女」
ちゅう認識をされている様子。
そこらへんの温度差が・・・。ちょっと終盤には面倒臭くなってきたかな・・・(笑)。
鈍感にもほどがある。
アデレィに対して持っているであろう好意に対して、リツキちゃん自身が鈍感なのよね・・・。もうそこは流されて的な。
まだ続きがあるようなので、とりあえず次作は読んでみようか・・・。
結局、アデレィとリツキの関係もはっきりしないまま、この調子ではアデレィは王宮へ帰ってしまうやろうに、リツキはなんだかんだでついていくんかしら。
王子様とメイドさんという恋愛も面白いとは思うので、そこらへんもうちょっとわかりやすく展開してくれたらうれしいな。
先日読んだ「異世界で本屋さん」は、設定を作り込むあたりわりと生粋のファンタジー色が濃くて、それはそれで面白いけどじっくり腰を据えて読む必要があったのに対し、こちらはファンタジーの面倒臭い設定を
「なんとなく、スッとばす」
ちゅう力業で、数時間でさくっと読めちゃう手応えやった(もちろん、だから面白くないわけではない)。
中学生でも楽しんで読めそう。
それだけに、アデレィとリツキの距離感に関してだけはさくっと展開させないのが、
「もうそこはエエねん・・・」
と、結論を急ぎたくなってしまったのは、私がオバチャンやからかしらね! 笑
だって、作中でリツキが紅茶を淹れるのに苦労してたのはいいよ。そのときにいうたセリフが
「お茶といえばコンビニで買うペットボトルのもの」
って、はああ!?
ないないないない!!
そもそもコンビニで買い物も余程のことがない限りせえへんけど、
お茶=コンビニ
って、若っ!! 発想ちゅうか感覚、若っ!!
紅茶も日本茶も茶葉でいれるでしょうに。
むしろ紅茶はティパックでも、日本茶は茶葉っていうのが、現代日本人の大多数じゃない・・・?
オバチャンびっくりしたわ。
あと、最後に公式の場である舞踏会でトマトの栽培についてアデレィじきじきにリツキから感謝の辞を述べたのは、そうすることによって「王家御用達」と、いうか、アデレィも認めたという箔が付くからちゃうのん!? と、思った。
もちろんリツキのドレス姿も見たかったというのはあるけど、そこは付加価値にしてほしかったー。
(2016.11.06)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
リツキは20歳、会社員。ミニトマトを家で育てようと意気揚々帰宅する途中、なんやかんやで異世界へトリップする。そこで出会う人々の優しさに感謝しながら、トマト作りに邁進する……。
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って、なんかあらすじにラブ要素ゼロっぽくなっちゃったけど、いちおうラブコメだと思います(たぶん)。よくあるファンタジーというか、少女向けファンタジーというか……その辺は「ああ、うん、よくあるよね」って思いますが、リツキのトマトに対する心意気が面白い。そこまで好きなのか……って呆れ……もとい感心します。
お約束でイケメンがたくさんリツキを取り囲むわけですが、それをトマトではねのける辺りも好きですね。ええ、そうです。無条件に惚れてくる展開が苦手なんですけど、それを主人公がはねのける系は好きなんです。 -
異世界に飛ばされ伯爵家のメイドをしている宮川莉月20才と、王子様アデレイのロマンス?プチトマトの苗を持って、トマトの無かった世界へのトリップ。かる―く楽しめる楽しい作品にしあがっている。
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異世界に行くシーンは上手だなって思った。