- Amazon.co.jp ・本 (688ページ)
- / ISBN・EAN: 9784469012026
作品紹介・あらすじ
クロスワードパズルを解く、話しかける、週末の予定を考える、詩を読む、罵声をあびせる、指や体で話す、メモを取る、声から性別・年齢を判断する、寝言を言う等々、人は常に言葉とともに生きている。言語そのものの面白さ・多様さ・深淵さはもちろん、あらゆる言語使用の実態までを、斬新な感覚でとらえた「万人のための言葉の百科」。写真・図版・コラム多数。
感想・レビュー・書評
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専門的に言語学を学ぶ人にはぜひとも手に入れてもらいたい一冊。
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大項目主義の事典。
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原題:The Cambridge Encyclopedia of Language
著者:David Crystal
監訳:風間喜代三、長谷川欣佑
デカいが記述は平易な事典。
【目次】
第1部 言語に関する一般的な考え方
※人々が言語に対して抱く最も一般的な見方とは何か。またその底流に流れているものは何かをみる。
1 規範的伝統
2 言語の平等性
3 言語の魔力
4 言語の機能
5 言語と思考
第2部 言語とアイデンティティー
※人が言葉を使うとき、無意識のうちに「自分」を表現している。それは年齢や性差あるいは文体など個人的な側面にとどまらず、地理的なそして民族的な集団意識までも含む。
6 身体的アイデンティティー
7 精神的アイデンティティー
8 地理的アイデンティティー
9 民族および国民のアイデンティティー
10 社会的アイデンティティー
11 コンテクストにかかわるアイデンティティー
12 文体的アイデンティティーと文学
第3部 言語の構造
※話し言葉、書き言葉、あるいは手話を問わず、言語の構造分析に関するテーマを取り上げる。
13 言語のレベル
14 類型論と普遍的特性
15 言語の統計的構造
16 文法
17 意味論
18 辞書
19 名前
20 談話とテキスト
21 語用論
第4部 言語の媒体:話すことと聞くこと
※音声言語を取り上げ、それがどのように生成され、伝達され、そして受容されていくのかを探る。
22 話し言葉の解剖学と生理学
23 言葉の音響学
24 器械による音声の分析
25 音声の受容
26 言葉による機械とのやりとり
27 言語音
28 音声の言語学的使用
29 超分節素
30 音象徴
第5部 言語の媒体:書くことと読むこと
※話し言葉との違いを押さえた上で、象形文字やアルファベット、古代文字などにみられる文字言語の特質に触れる。
31 書き言葉と話し言葉
32 表記表現
33 文字論
34 読み書きのしくみ
第6部 言語の媒体:手まねと視覚
※コミュニケーションの中でもノン・バーバルコミュニケーションの果たす役割は大きい。ここでは「手まね」や「手話」など視覚を利用した言語を紹介する。
35 手話
36 手話の構造
37 手話の類型
第7部 幼児の言語習得
※様々な録音記録や実験などから、幼児がどのようなプロセスで話し言葉や書き言葉を獲得しそして発展させていくかをみる。
38 幼児言語の研究
39 生後1年目
40 音韻論的発達
41 文法的発達
42 意味的発達
43 語用論的発達
44 学校での言語発達
第8部 言語・脳・言語障害
※日常生活でも話が支離滅裂になったり曖昧になったりすることがある。とくにここでは、言語障害の発生・原因から様々な障害の分類をみる。
45 言語と脳
46 言語障害
第9部 世界の言語
※世界にはいくつの言語があるのか、またそれぞれ何人の話し手がいるのかを概観し、その分類を示す。さらに言語の起源にも触れる。
47 言語はいくつあるのか
48 何人の話者がいるのか
49 言語の起源
50 語族
51 インド・ヨーロッパ(印欧)語族
52 その他の語族
53 孤立言語
54 言語変化
55 ピジンとクレオル
第10部 世界の中の言語
※言葉は伝達の手段であるが、その数の多さと広がりのために、人々の間の伝達を阻む要因ともなりうる。「エスペラント」など、今までに提案されたその解決策をみる。
56 言語の壁
57 翻訳と通訳
58 人工言語
59 世界語
60 多言語使用
61 言語計画
62 外国語学習と教育
63 特殊な目的のための言語
第11部 言語とコミュニケーション
※人や他の生物の多様なコミュニケーション・システムのなかで、言語はどのような位置を締めているのかを考える。最後に「言語学」が歩んできた歴史を概観する。
64 言語と他のコミュニケーションシステム
65 言語学
付録
世界の言語一覧
術語対照表
音声記号一覧
図書案内