漢文名作選 4 文章

著者 : 巨勢進 向島成美

• 大修館書店 (1984年10月1日発売)

感想・レビュー・書評

[kuninoriyamazakiさんの感想 · 2020年2月23日]

本書は漢文の中でも優れた散文を集めた名作集である。私が漢文学を学ぶ中で出会った作品が少なからず採録されており、懐かしんで読んだ。仏教の論理に親しめない私が、なぜか漢文学の論理には極めて親和するのであり、中国文明は私は好んでいる。私が息も絶え絶えに踏ん張って生きている中にあって、孔子の背中を思って頼みとしているのであり、漢文学は私の血であり肉である。欧米の哲学や歴史学も好きだが、それとバランスを取る形で漢文学を取り入れる。そして、欧米と漢文学に挟まれながら、日本文明の精髄にも通じようと、日々音楽や新聞や短歌や日本史を楽しむのである。