- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784473038012
作品紹介・あらすじ
茶席では茶碗をはじめ、さまざまな茶道具に出会います。ふだん何気なく目にしている道具には、どのような意味が隠されているのでしょうか。本書は茶道具にほどこされた文様・意匠の歴史をさかのぼり、その由来や意味を探ります。道具にこめられた亭主の思いを理解するだけでなく、あらたな趣向や取り合わせにも役立ちます。
感想・レビュー・書評
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いろいろときめくのですが、もうちょっと解説と写真が連動していると良かったかな。やっぱり解説で取り上げられている物品はすぐに写真で確認したいです。
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茶道といっても本格的にやっているわけじゃない人間にとって、名品鑑賞や鑑賞のための知識(文様・形状・来歴の類)はなかなか身につかない。計上別(茶入れ・茶碗を分類した本)は割とあるし、もう一冊持っているので別にいいのだが、文様や意匠別に分類してくれる本があるととてもうれしい。ありそうであまりなかった本という感じ。
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茶の湯の道具は、古くから受け継がれているさまざまな文様や意匠で彩られている。
本書では、そうした文様を、「動物」「植物」「景色と風物」「連続するもの・幾何学的なもの」「天体と水」「吉祥」「文学・芸能・歳事」に分類し、さらに「動物」であれば、十二支それぞれの動物や獅子麒麟といった架空の動物まで、個々の種類について、その背景や代表的な道具を紹介し、写真で例を挙げている。意匠や文様の解説書である。
各種類について1ページずつにまとめられていて、あまり厚い本ではないが、なかなか奥深い。
さらりと書かれている解説の中にも、いくつも有名な(のであろう)道具や意匠が挙げられていたり、長い歴史について触れられていたりする。造詣の深い人なら「ああ、あれ」とすぐ思い浮かぶのだろうが、初心者がきちんと理解しようと思うと1ページごとに調べ物がどわっと発生する。
図書館から借りた本でもあり、今回は、堅苦しく全部理解しようとせずに、ざっと読むことにした。何より、写真がきれいで見るだけでも楽しい。
数多くの人々が長い年月にわたって継承し、育ててきた意匠や文様には、諸々、複雑な歴史があるわけだが、こうして体系だって解説されると、初心者にも「なるほど」と思えることが多い。整理・分類から見えてくるものは案外、多いのかもしれない。
1つ気になったのは、道具類の写真の出典が(ごく一部を除いて)挙げられていないこと。著者の前書きに、「意匠の代表というよりは例として挙げた」と書かれているし、読者にイメージを与えるものとして掲載されているのかもしれないが。でも、できればちょっと併記してもらったら参考になったような気がするなぁ。
*個人的には、「鱗鶴(折り鶴の意匠らしいのだが、どうやって見ると鶴に見えるのかよくわからない(^^;))」「木賊兎」「馬上盃(節分の頃によく使われると聞いていたのだが、それは初午との関わりらしい)」「七宝(丸が重なって連なった形。よく見かける形だが、名前を初めて知った)」「独楽」の項をおもしろく読んだ。
*とはいえ、膨大すぎて、「ははぁ」と感心してもまた忘れてしまったりするのだが(^^;A)。
*手元にあるとよい本なのだろうが、ちょっとお高いなぁ・・・。