戦国おもてなし時代 信長・秀吉の接待術

著者 :
  • 淡交社
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784473042026

作品紹介・あらすじ

〈16世紀は「おもてなし」の時代だった?〉
〈日本人に受け継がれる「おもてなし」の精神を中世の史料から読み解きます〉

日本人に脈々と受け継がれてきた「おもてなし」の精神は、いかにして培われてきたのでしょうか。本書では、「御成記」や「茶会記」、宣教師の記録、寺社の算用状、公家の日記など多様な史料から、中世の貴顕のおもてなしのかたちを探ります。「信長のお城自慢」「秀吉の華麗なる贈り物」など、天下人の接待や贈答の実際も紹介。われわれ現代人の感覚にも通じる先人たちの「おもてなし」を史料から伝わる肉声で読み解きます。月刊『なごみ』2016年連載の単行本化。

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  • 様々な史料から解き明かす、室町・戦国時代のおもてなし。
    接待や饗応、贈答など、どのようなものであったのか。
    ・はじめに
    第一章 戦国時代のおもてなしとは
    第二章 おもてなしをきわめる
    第三章 天下人のおもてなしと贈答
    第四章 日本人にとってのおもてなし
    ・参考文献 ・あとがき
    主要人名一覧、主要史料名一覧有り。

    日本文化に根付く「おもてなし」の精神。
    室町・戦国時代の史料から、その姿を探り、解き明かしてゆく。
    ハレの儀式の基本である「御成記」は主君(主に将軍)と
    家臣の主従関係を確認する儀式の記録で、身分での区別が明確。
    「茶会記」は伝統の変奏で、当時のおもてなしの遊興である
    茶会の記録。もてなす側ともてなされた側の記録もある。
    他に、宣教師の記録、公家の日記、武将の旅日記、
    算用状、『信長記』、博多の豪商の日記等の史料にも、
    それらの饗宴・遊興・贈り物が記録として残っている。
    三好邸や朝倉邸での御成へのおもてなしは、
    式三献から始まる豪華な饗宴。かわらけの大消費。
    二日酔いは当たり前の酒三昧。
    細川幽斎の茶会は、懐石、季節の美を愉しむ連歌。
    信長のおもてなしは、城自慢。自ら城内を案内することも。
    秀吉は派手で大掛かり。大茶会はフードフェスの如し。
    いえ、城をライトアップした信長のおもてなしも、驚き。
    贈り物は、好みがよく分かる。信長はやっぱり茶道具。
    「おもてなし」と「もてなされ」が記録された戦国時代は、
    まさにおもてなしの時代。「お持たせ」も既に存在。
    自分と相手が如何に愉しめるかが、おもてなしの精神かも。
    でも過剰はよくありません。信長に激怒された光秀のように。
    内容が興味深くて、読み込むほどに楽しめました。また、
    井伏鱒二の短編『神屋宗湛の残した日記』は読んでみたい。

  • 専門書の部類に入ると思うが、比較的読みやすく親しみやすい内容かと思う。

    文献に基づいた記述を心がけつつ、読者に断った上で多少想像の翼を羽ばたかせる箇所もあり、著者と一緒に戦国時代の英雄たちへ思いを馳せる楽しさを味わえた。

    しかし、この本いいな、と思うのがしばしば淡交社。いい本を出す会社だと思う。

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著者プロフィール

かねこ・たく 1979年生。岩手医科大学附属病院岩手県高度救命救急センター。

「2022年 『DMAT看護師になりたい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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