有職故実便覧: 王朝文化ビジュアル案内

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  • 淡交社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784473045911

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  • 衣、食、住、文化、に分けて有職故実を紹介。衣服などは奈良、平安前期、平安、明治など順を追って紹介されているものもあり、衣服が変化していったのが分かる。

    男性の装束では「束帯闕腋袍(そくたいけってきのほう)」が、大河「光る君へ」で藤原隆家が着ていた衣装と似ていた。顔に緌(おいかけ)とよばれる黒い髭のようなものが両頬にかかる。武官の装束で平安中期頃になると上級武官の仕事は歌舞音曲や儀仗兵のような儀式の彩りが主となったとある。

    十二単は貴人に使える女性の女房装束でいわば勤務服。主人格の中宮は女房装束を身に着けなかったとある。で、その中宮の衣服の紹介は無い。

    食では「蘇」がおいしそうだ。古代、牛乳は薬として用いられていた。牛乳を煮詰めると順に「酪」、「生蘇」、「熟蘇」、「醍醐」となり醍醐が最上とある。「熟蘇」が「蘇」とよばれ宮中で尊重された。「続日本紀」(712)5月の記事には山城国に乳牛を飼う農家五十戸を定める、とある。典薬寮には「乳牛院」という役所があり、「乳牛戸」を管理していた。

    住の部分では、主人の住居とされる「寝殿」 絵図で紹介されているのだが、壁は無く、仕切りは布。夏はいいが冬はどうだったのかな、ドラマを見ていても思うのだが、どうなのだろう。

    八條忠基(はちじょうただき)綺陽装束研究所主宰。

    2024.4.17初版 図書館

  • 平安文学を読むときに役に立ちそう。衣装や室礼がはっきりしないときにこれを見れば良くわかる!国語便覧のように楽しく読めるし、図鑑や辞典がわりになりますね。

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著者プロフィール

装束研究家

「2022年 『有職植物図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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