ルーン文字の起源

著者 :
  • 大学書林
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  • Amazon.co.jp ・本 (103ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784475019002

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  • ・もともとルーン文字は紀元後2世紀にはゲルマン語を話す古代北欧を中心に拡がっていた。実際『エッダ』にルーン文字に関する記述が出てくる。北欧神話の世界では、オーディンがルーン文字を発明したとされており、「オーディンの箴言」の中に「我はルーン文字を読み取り、呻きながら読み取り」という場面があり、これは、主神オーディンがトネリコの世界樹ユグドラシル(宇宙の中心にあるとされている)に自ら9夜吊り下がり、我が身を槍で傷つけ、この修行・苦行を経て魔法の文字であるルーンを取得したというシーンである。

    ・文字の起源論には、由来そのものの他に、誰(どの民族)が借用・作成したのか、あるいは、いつどのような変遷をたどったのかといった論点も含まれることになるが、ルーン文字について、これらのすべてを破綻なく説明できるテーゼはまだ提出されていない。ルーン文字の起源論は、なお決め手を欠く推察のみに基づき未だ仮説の域を出ていないのである。

  • 京都大学学術情報リポジトリにアップロードされている論文のまとめといった内容になっております。ルーン文字に対して興味がある方で本格的に足を突っ込んでみたい方は楽しめるかと思います。

    以下著者論文

    ルーン文字の由来
    https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/155101/1/57_Kawasaki.pdf

    ルーン文字の起源をめぐって(その1)
    https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/185064/1/59_Kawasaki.pdf

    ルーン文字の起源をめぐって(その2)
    https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/198645/1/dbk06000_%5B019%5D.pdf

    ルーン文字の起源をめぐって(その3)
    https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/210193/1/dbk06100_%5B017%5D.pdf

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著者プロフィール

京都大学大学院文学研究科(修士課程)修了
現在、京都大学大学院人間・環境学研究科教授
著書に『ゲルマン語学への招待 ヨーロッパ言語文化史入門』(現代書館、2006年)、『アフリカーンス語への招待 その文法、語彙、発音について』(現代書館、2010年)、『オランダ語学への誘い』(大学書林、2011年)、『ドイツ語学を学ぶ人のための言語学講義』(現代書館、2013年)、『スイス「ロマンシュ語」入門』(大学書林、2013年)、『ボンヘッファーを読む ドイツ語原典でたどる、ナチスに抵抗した神学者の軌跡』(現代書館、2015年)、『ゲルマン語基礎語彙集』(大学書林、2015年)、『ルーン文字の起源』(大学書林、2017年)、『神学と神話 ドイツ文化誌の視座から』(現代書館、2019年)、『アボリジニの言語』(大学書林、2020年)、『エトルリア語入門』(金壽堂出版、2021年)などがある。

「2023年 『ドイツ語のことわざ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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