大地震の前兆をとらえた!―警戒すべき地域はどこか

著者 :
  • 第三文明社
2.50
  • (0)
  • (0)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 9
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784476032949

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • いつも通っている図書館でたまたま見つけた本です、2008年に執筆された本で、今までの大きな地震(阪神大震災、新潟地震等)について予兆を観測していたので、今後の大地震の予測ができると大胆に言い切っている本です。

    当時の予測では、最も危ない地域は、東海でも東北でもなく、千葉県東北エリアだそうです。でも、今回起きた東北エリアも、一応警戒すべき地域として挙げられていました。

    特に、東海地震よりも、それ以外の地域で大地震が起きる可能性が高いというのは、興味ある指摘でした。特に、私の両親は神戸に住んでいるのですが、阪神大震災の1日前に小さな地震があったそうですが、それについてもこの本で触れられて(p227)いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・大地震の予兆となる異常地震活動域を、この本では、地震の目=サイスミック・アイと名付ける、地震活動を時間を追って図示していくと異常活動域が台風の目のように現れる(p5)

    ・大地震の早期発見には、サイスミック・アイと、火山活動の早期確認が有効である(p6)

    ・本震の近くは、まわりよりも通常地震活動が直前も活発であった(p20)

    ・1950年から1994年までのM6以上の通常地震活動をみると、M6より大きな地震が起きていない、第一種空白域が、琵琶湖から淡路島にかけて認められる(p50)

    ・サイスミック・アイの長径の長さと、地震の規模がほぼ比例する(p89)

    ・火山活動が活発になってから30年程度(以内?)で地震が発生している、相関関係がある(p92、112)

    ・1995年1月の阪神大震災は、1991年に起きた雲仙普賢岳噴火が警告を発していた、阪神大震災後には、雲仙普賢岳の火山性地震がピタリと止んだ、火山噴火予知連絡会は同年5月に終息宣言をしている(p101)

    ・伊豆大島・三原山を予兆とした地震は、フィリピン海プレート上面がずれて起きたプレート境界型の巨大地震、一方、阪神大震災や新潟中越地震は内陸プレート内部で断層がずれたり割れて起きる、内陸型直下地震、そのタイプの地震は、海溝型よりも遅く地震がやってくる(p111)

    ・東京湾北部のサイスミック・アイは、本物ではない可能性が高く、地震が起きるとしても、地表から深い部分で起こるので被害も軽減される(p142)

    ・30年以内に首都圏で起こり得る直下型地震としては、千葉県北東部が最も可能性がある(p155)

    ・南海トラフには、南海沖・東南海沖・東海沖の3か所があるが、そのうち東海沖のひずみだけが解消されていないので、東海沖地震が起きるとされている(p164)

    ・東海地震が来ない謎の理由の一つとして、日本最大の火山である富士山の活動がいまだ活発になっていないことがある(p181)

    ・近年日本を襲っている地震は、内陸型地震(阪神淡路、鳥取西部2000、平成芸予2001)が多く、プレート型地震(関東大震災1923、東南海1944、南海1946)は起きる可能性は低い(p191)

    2011/7/24作

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1940年横浜市生まれ。東京大学理学系大学院博士課程修了(海洋地質学専攻、理学博士)。通商産業省(現・経済産業省)工業技術院地質調査所、米コロンビア大学ラモント・ドハティ地球科学研究所(総理府派遣)、琉球大学教授を経て、現在、同大学名誉教授。NPO法人海底遺跡研究会理事長。1995年の阪神・淡路大震災、2004年の新潟県中越地震、2011年の東日本大震災、2014年の御嶽山噴火を事前予測した独自の理論は注目を集めている。1982年度朝日学術奨励賞、1986年度沖縄研究奨励賞を受賞。

「2015年 『緊急図解 次に備えておくべき「噴火」と「大地震」の危険地図』 で使われていた紹介文から引用しています。」

木村政昭の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×