プロフィット・ピラミッド―「超」高収益経営を実現する十四のシンプルな原則

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478001004

作品紹介・あらすじ

高収益企業の経営には、海面下の見えない部分に、精緻に設計された、高収益を支える構造体が、存在する。その構造体を、四つの要件と十四のシンプルな原則から成る「プロフィット・ピラミッド」として描き出し、一般企業にも当てはまる高収益実現のポイントを、テーマの困難さとは裏腹に、分かりやすく、コンパクトに、示す。

感想・レビュー・書評

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  • 個人的には、キーエンス、ファナック、シマノの経営スタンスを具体的に知りたかったので、触り程度ながら勉強にはなった。共通するのは、高収益へのこだわりであり、高収益率の獲得に成功している企業は、判断基準に利益率を置いている。で、業績の悪い事業を売却したり、高収益維持のための商品企画が成立しているのだと感じた。

    最初から高収益が成立しない商品、サービス、ビジネスモデルならば、世の中に求められていないのだと考える事もできるのだろう。勿論、そうした業態の方が圧倒的に多く、高収益を実現できるのは一部だ。

    しかし、成熟した日本市場において、多くの開発部隊を抱えながら、必要のない開発をし続けなければならない生産性低下の負のスパイラルは、どこかで止めなければならないのだろう。資本主義は持続的成長によって維持される。持続的成長を維持するために、ポリコレやカーボンニュートラルなどの需要喚起にクリーンイメージが利用される。付加価値化はもう十分だよね、という事態は、チキンレースで訪れない。先行者利益、価格低下、新規開発のサイクルの中で、そのサイクル内の階層やヒエラルキーの上位を求めて働くしかないのだろうか。

  • 個人的にビジネスモデルの考察の際、この本を手に取ります。世界経済の潮目が変わる(リーマンショック)前の本だが、本書の「14のシンプルな原則」は今のところ古くならないと感じている。

  • 「顧客に近づく」ことこそ、高収益の源。

  • つかれた。。

  • キーエンス、ローム、ファナック、シマノ、ヒロセ電機、マブチモーターなど高収益企業として有名な6社をケースにとりながら、なぜ彼らが高収益を実現できているのか、共通点は何かを紐解いている。

    つくづく、“利益を出す”ということがいかに奇跡的なバランスの上になりたっているか、少しでも事業立ち上げに関わったことがある人間であればその難しさは痛感していることろであろう。
    どの企業もメーカーでありながら20~50%という衝撃的な利益率に驚くばかりである。

    ■ポイント
    ・利益を生む4つの要件
    第一要件:顧客提供価値の最大化
    第二要件:競争の徹底回避
    第三要件:創出価値最大化のための自社能力設計
    第四要件:高利益得率追求の強い姿勢

    ・顧客の付加価値を取り込んだ“鵜飼モデル”
    ・顧客の潜在的な負を発見し、先んじてソリューションを提供する
    ・橋頭堡を確保し、競争を回避する
    ・生産をしない
    ・バックキャスティングをする
    ・砂漠でコップ一杯の水が一万円で売れる理由
     顧客価値の最大化
     競争の徹底排除
     コストの最小化

  • 高収益を実現している製造業企業を対象として分析

  • 高収益に近道はありませんね。
    これはしんどいですよ。
    頭じゃ理解しても実行は・・・・・。

    企業全体としてもトップの人が常日頃言い続けないとそう簡単には根付かないですし。
    でもキーエンスの営業さんからの電話だとこの本で書いているような感じはしないですけどねえ。

  • 収益構造を解説する本だとおもっていたら、日本を代表する高収益企業6社の経営スタイル、ビジネスモデルについて詳述しており、まずそのケーススタディー的な分析だけでもオモシロイ。その後それら6社に見られる共通の高収益企業の要因や構造を抽出して一般化している。
    最後にもっとも必要なことは高収益企業であらねばならないという強い意志である。利益率5%の世界と、30%の世界では見える風景が違う。その意思決定がまったく異なるのだという記述にはうなづかされるものがある。

  • 日本の製造業の利益率は数%以下、
    あるいは赤字という中で、
    長期にわたり、安定して高い利益を出し続けている
    企業があります。

    どうすれば、安定して利益を出し続ける
    ことができるのでしょうか。


    本日ご紹介する本は、

    日本を代表する「超」高収益企業である6社
    キーエンス、ローム、ファナック、
    シマノ、ヒロセ電機、マブチモーター
    が各々やっているこを、わかりやすく解説し、

    どのようなしくみで、高収益が得られているのか
    分析したうえで、共通要件についてまとめています。



    ポイントは
    「顧客価値」「競争回避」「提供価値」
    です。




    「顧客価値」

    自社の商品やサービスは
    顧客にどのようないいことがあるのか
    つまり顧客が受け取れる価値が
    大きければ大きいほど、高く売れます。

    顧客価値に基づき決定された対価は、
    製造コストとは関係ありません。

    そのためには顧客に先んじて
    顧客の未来の問題を発見しておき、
    先行して開発、対応しておくことが重要です。

    優良企業はほとんどこれをやっています。



    「競争回避」

    どんな商品もほとんんどは
    コモディティ化します。

    一旦コモディティ化してしいまうと
    「価格がすべて」となり
    つらい価格競争に陥ります。

    これを避けるには、
    まず市場で最初に商品を出す。
    すると、最初の内は競合がない状態を
    作れます。

    しかし、そのうち必ず競合がでてきます。
    そうしたら捨てる。

    ヒロセの商品であるコネクタなどの
    ブラックボックス化しにくい商品は
    すぐに真似されますので
    特に素早い撤退が必要です。



    「提供価値」

    顧客に提供する価値を
    最大化することが、高い利益に結びつきます。

    そのためのポイントが徹底した標準化です。

    標準化をすればするほど、自社にとっても
    付加価値を上げることができ
    顧客にとっても、使いやすい、安く購入できる
    などのメリットがどんどんでてきます。

    この標準化も、優良企業はほとんど
    徹底してやっています。



    本書は、複数の優良企業の例をあげた上で
    高収益になるための共通のポイントを
    わかりやすく説明しています。
    このようなためになる情報満載の本は、
    なかなかありません。

    ぜひ、読んでみてください。



    ◆本から得た気づき◆
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    キーエンス=顧客の課題に対して、「課題の解決方法」を提案し、その結果の価値を売る活動をしている
    ローム=ICというハードを売っているのではなく、セットメーカーの製品の開発支援というサービスを販売している
    ファナック=世界標準を勝ち取る一番の要因は、徹底したコスト競争力の追求(どの競合メーカーもマネできない価格設定)
    シマノ=顧客の直接的な意見でなく、顧客の意見を参考にしながら顧客の求める「本質的な機能」を見極める
    ヒロセ電機=新製品への特化(2~3年先の需要を予測しあらかじめ製品を仕込んでおき、適切なタイミングで提供する)
    マブチモーター=標準化により徹底したコスト低減を図り、小型モーターの新しい市場を創出した
    鵜飼いモデルの追求=「顧客の顧客」の潜在ニーズに基づく商品企画を行う
    無競争期間の拡大=市場で最初の商品を上市する
    橋頭堡を確保する=一旦採用されると他社製には変えにくくなる
    最終ユーザーへの直接アプローチによる業界標準の獲得
    営業を改革する=モノを売る活動の中に、潜在ニーズにつながる情報がある
    高利益率にこだわる=利益率30%をねらう世界は、利益率5%をねらう世界とは、見える景色が異なる
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    ◆目次◆
    第1章 日本の高収益企業
     キーエンス
     ローム
     ファナック
     シマノ
     ヒロセ電機
     マブチモーター
    第2章 プロミッド・ピラミッドとは
    第3章 プロフイット・ピラミッドに基ずく高収益を 実現する14のシンプルな原則
    第4章 プロフイット・ピラミッドを実行に移すために
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    ◆マインドマップ◆
    http://image01.wiki.livedoor.jp/f/2/fujiit0202/5e7a60c57e981fb2.png
     

  • 「超」高収益経営を実現する14の原則はどれも納得できるもので、経営に奇策はないことを思い知らされる一冊。

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