昇進者の心得―新任マネジャーの将来を左右する重要課題 (Harvard Business Review Anthology)

制作 : DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部 
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478008904

感想・レビュー・書評

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  • ”「昇進後の落とし穴」にはまってしまう前に読みたい一冊。

    <読書メモ>
    ・新米マネジャーが必ず頭を悩ませる問題(pp.8-9)
     「マネジメントという仕事を好きになれるか」
     「マネジメントをうまくこなすことができるか」
     「自分はどのように変わっていくのか」
    ・表:新米マネジャーが抱いている幻想と真実(p.11)
             幻想           真実
     基本特性 権威の絶大性       → 相互依存
     権力   「職務分掌上の権威」獲得 → 「職務分掌上の権威」以外のすべて
     望み   統制力          → やる気を引き出す
     管理方針 1対1の関係づくり    → チーム全体の調和★
     主要課題 円滑な業務運営      → 業務改善につながる改革の実行★

    ・真のリーダーシップを発揮するためには、自分のチームの部下を管理するだけでは足りず、自分のチームが置かれている環境も含めて管理する必要があるのです。(p.12)
    ・それ(=現状維持)に加えて、チームの業績をより向上させる改革案を示し、それを実行する責任を負っていることも自覚しなければなりません。ほとんどの人が驚きますが、そのような改革を実現するためにはたいがい、自分の職務権限を超えるプロセスや組織構造に異を唱える必要が出てきます。(p.23)
    ★だれかを踏み台にしておのれの有能さを証明するのではなく、チーム全体の評価を高めることを追求していたのです。我々はこれを「集合的クイック・ウィン」と名づけました。
     この集合的クイック・ウィンは、チームの力を借りて実現されるものであり、したがってチームをないがしろにしては達成できません。とはいえ、単なるチームづくりの取り組みとは異なります。(中略)
     コスト削減や売上げ増など、目に見える成果に結実しなければ、本物とはいえません。さらに、チーム・メンバー一人ひとりが実質的な貢献を果たさなければ、「集合的」とはいえないのです。
     #これ重要。CCCSLでどうやるか。
    ★私は何年にも及ぶ研究と観察に基づいて、「貢献度」というきわめて重要な尺度からフォロワーを類型化しました。
      (中略)
     私はフォロワー全般を、「孤立者」「傍観者」「参加者」「活動家」「硬骨漢」の5タイプに分けました。(pp.94-95)
     #なるほど、貢献度か。5つのタイプにも、それぞれプラスもマイナスもいる。
    ・フォロワーの分類例(pp.111-114)先行研究の情報
    ・リーダーは多数派の陰に隠れた一人の小さな声に耳を傾け、さらには自分自身の内なる疑問の声すら聞く必要があります。「普通のリーダーは、人々が行きたいと望む場所へ連れていってくれます。偉大なリーダーは、必ずしも人々が行きたい場所ではないが、行くべきである場所へ連れていってくれます」と、いみじくもロザリン・カーターも述べています。(p.123)
    ・信頼は基本的に次の三種類に分類できます。(p.145)
     ?個人的信頼
     ?専門的信頼
     ?構造的信頼
    ・構造的信頼を寄せるに値するのは、次のような人物です。
     ・その人の個人的な役割や任務を検討した結果、個人的な目的や利害によって判断が鈍ることはないと断言できる。
     ・完全にリーダーの見方になりうる立場にいる。
     ・情報を勝手に取捨選択したり、歪めたりしない。
     ・合理的な予測の範囲では、現在の信頼関係が制限されるような事情、たとえば、地位やクライアントをめぐって競争したりする可能性がないと明言できる。(pp.148-149)
    ★分散型リーダーシップ(pp.167-168)
     ?状況認識(センスメイキング):企業と従業員が置かれている状況を理解すること
     ?人間関係の構築:社内外で人間関係を形成すること
     ?ビジョンの策定:説得力あふれる将来像を描くこと
     ?創意工夫:ビジョンを実現するための新しい方法を生みだすこと
     #これらの組み合わせとバランスが重要。
    ・トップの地位に上っていく過程で、ほとんどの人は変わってしまいます。自分ではその変化を予想もしていないし、気づきもしません。(p.218)
    ★みずからのリーダーシップを「監査」してみる(pp.222-)
     質問1?質問6

    <きっかっけ>
    本屋にて面出しでディスプレイされていた。タイトルに惹かれて購入…。”

  • "転機が来たときに購入し、読み始めたものの経営全般を舵取りするCEO、取締役など経営者の研究したものが多く、途中で寝かしていた。この週末、腰を痛めたため外出できずに家に閉じ込められていた中、本棚の整理をした。そして、この本に出会い再読した。
    リーダー、管理職になったもの心得をハーバード・ビジネス・レビューに投稿された論文で構成された本。
    さまざまな学者やその道の第一人者が寄稿している雑誌の再編集した本といえば、いいだろうか。
    この順番も、意味がある。よく考えてあると感じた。
    共感したところをメモしておく。

    第1章 新任マネジャーはなぜつまずいてしまうのか
     → 幻想を抱いたまま昇格すると、リーダーとしての重要な責務を見過ごすことになる。
       EX.「1対1の部下との関係づくりを重視しなければならない」という幻想
         「特定の個人へ何らかの判断を下すと全体に悪影響を及ぼすこともある。」チーム全体の調和が重要という真実
         など
    第2章 新任リーダーが犯しやすいミス
     →今までの成功体験からのリーダーシップにこだわってはだめ。
      組織の状態を把握し、その状態にあったリーダーシップが必要。STARSモデルを紹介
    第3章 功を急ぐと、なぜ失敗するのか
     →5つの落とし穴がある。落とし穴を避け、集団でクイック・ウィンを目指そう
    第4章 頼れる部下と困った部下
    第5章 リーダーが部下に翻弄される時
    第6章 だれを信頼すべきか
     →昔の相談相手が未来永劫最適だとは限らない。その時の役割で相談してはいけない場合もあるのだ。
    第7章 完全なるリーダーはいらない
    第8章 なぜ地位は人を堕落させるのか
     →一度、経験してみるとわかるが、それなりの地位につくと、周りの多くの人がその地位にふさわしく振舞う。どんな人物であれ。そのような環境が当然と錯覚してしまう人は、早々に堕落する。"

  • リンダ・ヒルの論考をはじめ、マネジャーの現実を昇進という観点からまとめたオムニバス論集。オムニバスゆえに物足りない部分も多いが、各論者の他の著書・論文に触れる手がかりとなる。

  • いい本なのだろうと思うが、新任すぎて実感が湧かない。1年後に再読したい。

  • リーダーシップの中でも昇進後にフォーカスを当てた本。8個の小論文からなる。特に印象に残った1つまとめる。
    ・新任マネージャーはなぜつまずくか?
    多くの新任マネージャーがつまずく原因はリーダーと担当者に必要とされる能力は根本的にことなる。ほんとんどの担当者(=新任マネージャー)はそのことを理解していないことにある。マネージャーの地位を手に入れることで権力を得るわけではない。上司や部下との相互依存の中から生まれ、統制ではなくやる気を引き出すことでチームを活性化させる必要がある。多くの新任マネージャーが思っているよりも実際の権力・影響力は小さく、みずからの行動やスタンスによって勝ち得ていかなければならない。言われてみると至極当然なのだが、多くの人が出世・地位の向上という外見に惑わされて本質を見失ってしまうのだと思う。

  • 立ち上げ、再建、成長の促進、再編、成功の持続

    大体、理解できている。
    話を聞く、方向を示す、調整する、など

  • リンダヒル
    「マネジメントという仕事を好きになれるか」「マネジメントをうまくこなすことができるか」「自分はどのように変わっていくのか」
    5つの誤解
    (1)管理職の権威は絶大である
    真実:相互依存「自分の将来は、部下たちの働きいかんにかかっている」「自分の部下を管理するだけでは足りず、自分のチームが置かれている環境も含めて管理する必要がある。そのチームを支える外部のキーパーソンを見つけ、その人物と効果的な関係を築かない限り、チームが仕事をこなすことができない」
    (2)管理職の権威はその地位から生まれる
    真実:「権威以外のすべて」によって管理職の権威は保証される。とりわけ「まっとうに行動する意思」「まっとうに行動する知識」「影響力(まっとうに振る舞いやりとげる能力」の持ち主であることを示す必要がある。
    (3)部下を統制しなければならない
    真実:部下たちが自発的に考え、仕事しない限り、いかに権限移譲しようと望む成果は得られない。自分の権限を部下たちと共有しようと努める
    (4)部下一人ひとりと良好な人間関係を築かなければならない
    真実:マネージャの目標は、チーム全体の力を最大化する方法を見つけること。「グループの結束力をテコに、個人の業績とやる気を高める」
    (5)何よりも円滑な業務運営を心がける
    真実:現状を維持するだけでなく、チームの業績をより向上させる改革案を示し、それを実行する責任を負っている事も自覚する必要がある。
    マネージャたるもの、その職掌範囲内であっても、あるいはそれを超えていても、自分のチームの成功に向けて改革を起こす義務を負っている。

    大半が自分たちを組織改革の主体ではなく対象であると見なしている。

    真のリーダーは長い時間の中で、さまざまな経験を通じて成長した人。

    自分の成功に必要な条件を揃えるのは自分の責任である(権限はみずから獲得するもの)

    マークバンヒューレン/トッドサファーストーン
    クイックウィン(就任早々に何らかの成果をあげること)
    失敗するマネージャの5つの問題行動
    (1) 隘路に入り込む
    クイックウィンを求めて、新しい仕事の1分野で、その達人になろうとして、仕事全般への目配りがおざなりになる。
    (2)批判を否定的に受け止める
    批判への耐性が低く、いかなる批判も自分への攻撃ととらえるようになったり、変化を嫌う抵抗勢力が現状をかたくなに維持しようとしている証拠だとみなしたりする。
    (3)威圧的である
    自分の有能さを信じ切ってる場合、周囲に威圧的に振る舞うことがあり、自分の成功を疑わないため、部下たちが素直に従うようすを、自分への同意や支持だと勘違いすることがある
    (4)拙速に結論を出す
    事を一気に進めようとすると、周囲の人から見れば、自分たちと一緒に解決策を考えるつもりはないように見える。クイックはあるがウィンにならない。
    (5)マイクロマネジメントに走る」
    ビジョンや組織目標を部下たちと共有するための時間は惜しむくせに、彼らがビジョンや目標から外れて行動しやしないかと懸念し、勝手に先回りして、マイクロマネジメントに走る。

    成果をあげたマネージャは、自分の昇進によって、新しい部下たちもまた変化への対応を迫られていることを理解している。
    チーム全体の評価を高めることを追求する「集合的クイックウィン」をめざす。
    集合的クイックウィンかどうかの2つの質問
    (1)結果が出た時に、主要なチームメンバの貢献がきちんと認識されるか
    (2)彼ら・彼女らが、自分の貢献について胸を張って語ることができるか

    サジュニコルAジョニ
    信頼関係の土台となるのは、誠実さと能力。しかし出世の階段を昇るにつれ、互いの立場、プロジェクトや昇進を巡る競争、権力闘争といった他の要素が入り込む。
    リーダーには相談相手が必要。そのリーダの成功を強く望んでおり、しかもそれによって個人的な利害を生じることのない相談相手からの、確かな情報に基づいた客観的なアドバイスが不可欠。
    「構造的信頼」とは個人的な共感から生じるものではなく、組織内の役割や使命によって生まれる。したがって、職場内の関係が変化すれば、構造的信頼が失われる。
    「国家に友人はいない。あるのは利害関係だけである」シャルル土ゴール

  • いろいろな論文の寄せ集め。
    その中で、チームでクイックウイン(成果をすぐに出す)を導出することがその後のマネージメントに有効であるとのこと、大いに参考になる部分です。早速活用。

  • 中野

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