「よかれ」の思い込みが、会社をダメにする―飛躍的成長を実現する全体最適のマネジメント

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  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (148ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478011478

感想・レビュー・書評

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  • コストダウンの落とし穴=在庫ロスにならないこと、バーゲンセールで売り切ることにならないこと。

    サプライチェーンでは、優位であるはずの買い手側=下流のほうが利益率が下がる=廃棄ロス、在庫ロスが出るから。
    今はサプライチェーン全体がタイトで、ちょっとしたゆるみが大きな影響を出す。

    バルーンエフェクト=風船を真ん中で絞った状態。絞ったところはメーカー。メーカーはリーン生産が行き届いているため、部品メーカー、販売店に在庫が積み上がる体制になっている。
    チェーンのつなぎ目を強化する。

    在庫量を日々追い続ける=ダイナミックバッファマネジメント。
    設備稼働率を上げると必要のないものまで作ってしまう。
    ウチは違っていて、という言い訳は思考停止。学びの姿勢を失う。
    『ザゴール』『トヨタ生産方式』の同一性。トヨタはトヨタウエイがあるからできる。トヨタ生産方式は全体最適。目標がはっきりしていれば行動できる。

    コストダウン要求には、回転率の上昇で対抗できないか。
    評価尺度が個別最適に導く危険性を常に注意する。

  • ”TOC(制約理論)の伝道師 岸良さんの著書。タイトルに思うところがあり購入。対症療法的に目についた問題ばかりを追っていくことの怖さを実感。真因をみちびきだし、1つに集中して手を打っていかないと…。

    <読書メモ>
    ★「よかれ」と思い、とられた行動の数々が思ったようにうまくいかない理由が、他人のせいではなく、誤った「思い込み」のせいであることに気づくことにつながる。(p.xiv)
    ・過剰在庫があるのはなぜだろうか?
     その答えは、とても簡単だ。それは、売れる量が正確にわからないからである。(略)やむを得ず、売れる量を予想して、つくるしかない。(p.014)
    ★ボトルネックが、あなただったとしよう。専門性が高く、経験と知識を持つ頼られる存在であると同時に、あなたの働き次第で会社全体の業績が決まってしまう重責を担っている。(略)ここで、よく考えてほしい。あなたは一日中、あなたしかできない仕事をしているだろうか?(p.024)
    ・みんなが一生懸命働くことが必ずしも全体最適ではないということだ。一方で、ボトルネックに集中すること、すなわち全体のたった一点に集中することが全体最適の効果をもたらす。(p.025-027)
    ・「生産革新」「モノづくり革新」などの名前で、全社改革を担う部署が数多くある。だが、そこで多くの方々が分厚い壁にぶつかるのは、決まって工場の中ではなく、工場の外の問題だ。(中略)下流に行けば、営業が、そしてさらにお客さまがいる。そこが本当の意味での需要という源流だ。そこに影響力をいかに与えて、全体最適の改革を進めるか?そこが課題なのだ。(p.060)
    ・大野氏を実際に知るトヨタ経営幹部の方々と会うと「大野さんが残してくれた最大の財産は、全体最適だよ」とよく聞かされた。トヨタ生産方式の“かんばん”とか“アンドン”とかのうわべの手法に目を向けるのではなく、大野氏の考え方の本質そのものに目を向けるべきだったのだ。(p.097-098)
    ・毎日のようにくるコストダウン要求。このお客様の本当の願いは何なのだろうか?利益を上げること??それが本当の願いなのではないだろうか?(p.105)
    ★「よかれ」と思って導入した成果主義が、かえって成果の達成を妨げる(p.122-123)
     ゴールドラット博士は、いかなる評価尺度にも大変敏感だ。そして、たった1つのことだけチェックする。
     □その評価尺度は、人を個別最適の行動に導く危険性はないか?
    ・「人はそもそも善良である」というのは、ゴールドラット博士の強い信念でもある。それをベースにTOCの理論が構築されている。つまり、人がおかしな行動をしているとしたら、何らかのおかしな尺度で評価されているからかもしれないと仮説を立てて、それを検証していくのである。(p.123)
     #激しく賛同!
    ★パラダイムシフトは簡単ではない。しかし、可能だ。「考える」ことによって。”

  • 問題を決める(課題を見つける)ことは問題を解決することよりも難しい
    個別最適に走るとバルーンエフェクトが起きて全体最適から遠ざかる
    この複雑な世の中、予測精度を上げてプロアクティブに動くことを目指すことも対維持だが、ある程度の見極めをして、リアクションの速度を最大化することに注力したほうが良いのでは。

  • 図書館で借りた。うーん、深い

  • ●主にはTOC「ザ・ゴール」の内容か。(岸良さん講演で聞いた内容と混同してる。。)
    でも一ヶ月後に直接お会いできるのが楽しみ♪

    ●下記は全部、場合によっては正しくない!
    ・コストダウンをすると利益が増える
    ・大量生産すれば安くなる
    ・大量購入すれば安くなる
    ・お客様に近ければ近いほど市場が見える
    ・効率を上げれば、利益が増える
    ・納期にゆとりがある方が納期は守れる
    ・早く作り始めれば、早くモノはできる
    ・全員が一生懸命働けば効率が上がる
    ・お客様はコストダウンを求めている


    ●ひとつには、
    工場にてせっかく高価な費用で購入した設備なので休ませたらもったいない!と
    どんどん稼動させると、在庫の山。
    ⇒設備を休ませることこそが全体の利益に貢献!

    人に関しても同様。
    自分の仕事を早くやりすぎると後工程の人の計画を狂わせる。
    今、やらないことを決めて、後にすることが良い場合もある。


    ●「よかれ」と思って行ったことが深刻なダメージを与えることがある。
    これを防ぐにはシンプルに「何かネガティブなことが起こることはあり得ますか?」
    と聞く。ただそれだけで良い。

    ●即日実践を!でもredmineのガントチャートに2通りの表現の仕方がわからない。。。

    ソフトの見積もりなどの不確実性がつきものの場合、
    約束した納期を守るために各タスクのなかに安全余裕を持ちたくなるのが人の性。
    こういうのが複数のブロックあると実際の工数と安全余裕を持った工数/工程では大きく差が出て、
    後工程の人に迷惑がかかる。
    そこで、「できるかできないか五分五分日程」と「従来の安全日程」の2パターン作成し、
    前者の日程を各ブロック集めた後に、後者と前者の差の合計を半分だけ追加。
    こうすることで現在よりもかなりの工程短縮!
    ⇒やってみよう。。。早速。

  • 「コストダウンすれば、効率を上げれば、全員が一生懸命働けば、お客様はコストダウンを求めている」という思い込みが会社をダメにするよと教えてくれる画期的な書。在庫の持ち方についても書かれています。著者は「The Goal」の故・ゴールドラット博士に教えを受けた人です。マンガと図解の解説付きです、わかりやすさ◎。

  • 【文章】
     読み易い
    【気付き】
     ★★★・・
    【ハマり】
     ★★★・・
    【共感度】
     ★★★・・

    ・コストダウンすれば、利益が増える
    ・現場を効率化すれば儲かる
    ・お客様はコストダウンを求めている
    上記のような仮定をTOC理論やバッファマネジメントを駆使して覆す。

    部分最適化ではなく、全体最適化。
    サプライチェーンのある工程の効率を上げても、
    別工程の効率が変わらなければ、全体の効率は変わらないどころか、悪化してしまう。

    バラツキの多い店舗ごとの市場予測よりも、
    情報を集約した工場の市場予測の方が正確。

    プロジェクト内の各タスクにバッファを持たせるよりも、プロジェクト全体に対してバッファを持たせる。

    過剰生産は値崩れの元。

  • 「人はそもそも善良である」だから個々の思い込みで『よかれ』と個別最適な行動をしてしまいます。さらに、間違った評価指標も悪い影響を与える。「どのような尺度で私を評価するのか教えてくれれば、どのように私が行動するのか教えてあげましょう。」

    目標管理や同じ組織(仲間)内での競争が会社をよくするのか?競争ではなく協働を促進するマネジメントが求められる。

    皆が協力して、全体最適な仕事のやり方を追求すれば本当にいい会社になる。 そんなことはわかっている。But

    TOCで日本を良くしようと思うのならば、0.3%しかない大企業よりも99.7%を占める中小企業をターゲットにした方が良いのでは?

  • コストダウンをすれば利益が上がるのか?!
    ん〜、本書を読んで共感できることがあった。今の取り組みの視点を変えてみる意味でもいいかも。

  • TOC(制約条件の理論)のことがより深くわかりました。『ザ・ゴール』を読んだあとによむと良さげ。それにしても深い。会社でも、部分最適に注力して、全体最適をできていなかったことを思い知らされたときはショックだったなー。またまとめまくってブログかこう・・・。

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著者プロフィール

ゴールドラット・コンサルティングジャパン代表

「2016年 『知らないからできる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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