すべては「先送り」でうまくいく ――意思決定とタイミングの科学

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478021804

感想・レビュー・書評

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  • <目次>
    はじめに あなたは「いつ決めるべきか」を知っているか?
    第1章 人は「先送り」で進化した − 心に備わる遅らせる仕組み
    第2章 一流のアスリートはみんな先送りのプロフェッショナル
      − 極限の状況で使える時間を拡張する3つのステップ
    第3章 「先送り」は利益を生む − 高頻度取引の世界で起こった「変な事態」
    第4章 この世は急かすものばかり − 佐分利に美成・メッセージが怖い本当の理由
    第5章 直感が導く最悪の決断 − 意思決定はこうしてゆがむ
    第6章 専門家であればあるほどかかる「シン・スライシング」
      − 無意識に流されないための切り札とは
    第7章 パニックを制するものは、会話と決断を制す
      − タイミングをつかむための「間」と沈黙の使い方
    第8章 恋も戦闘も「見た目」でダマされるな!
      − タイミングを武器にするための「待つ技術」
    第9章 いつカラスを食らうべきか? ー ちょうどよいタイミングの謝罪とは?
      ※「カラスを食べる」というのは謝罪の意味
    第10章 ジョージ・アカロフが抱えた「スティグリッツの箱」
      − よい先送りと悪い先送りを見分ける方法とは?
    第11章 最高の投資戦略は、何もしないこと?
      − ギリギリまで待つこと、すべてはそれから
    第12章 時計をはずして、減速を − 時間に縛られずに意思決定するために
    第13章 イノベーションは一瞬のひらめきだけでは生まれない 
      − アイデアは待つほどに磨かれる
    第14章 急がば回れ
      − 人生と社会をよりゆたかにするために

    2013.04.15 あゆみ書店で見つける。
    2013.07.25 読書開始
    2013.08.11 読了

  • 残念ながら(?)やらなければいけないことを先延ばしにすることを正当化してくれるような本ではなかった。

    原題は”The art and science of delay" とあるように、直感的な判断に従うことの危険性を論じたもの。プロの手にスプレイヤーでは数ミリ秒の余裕を持てるだけでパフォーマンスが劇的に改善するし、マシュマロ・テストのように先延ばしの能力の重要性を物語っているものもある。

    私達の判断の多くはプライミングのように瞬間的な思考(カーネマンのファスト&スロウでいうType1)によって決められており、それはだいたい正しいのだが、少し取り掛かるのを待って熟考したほうがよいこともある。ToDoリストは戦略的に先延ばしするものと、すぐ処理するものの2つに分けたほうがよいのだ。

    ポピュラー・サイエンス本のお手本のような書きぶりで、アカロフとスティグリッツの箱の話やシン・スライシングなど、興味深いエピソードをたくさん挙げつつ脳科学の結果も引用するなどスタンダードな構成で読みやすい。

  • 残念ながら、あるいは当然ながら、「やるべきことを先送りしてしまう」悪癖のために人生お先真っ暗なこの私に、何らかの斬新な救済策を示してくれるような本ではなかった。
    結局、本当にやらねばならないことを先送り(作中では「先延ばし」と称される)することがよいわけがないのだ。まあそりゃそうだわな。ぐすん。
    この本の趣意は、「すぐやることのデメリット」。近視眼的な判断が可能性を摘んでしまう、という、近年のスピード社会の中で忘れがちな真理を踏まえた警鐘である。
    ただ、それがおもしろい。
    その指摘は、単に時間をかけた場合の創造性の上昇やらにとどまらず、人の命の価値、この世の幸福の見つけ方にまで問いを投げていく。
    そして私が期待したような、どーしよーもない先延ばし癖にも多少のアドバイスはしてくれる。
    読んだ価値は間違いなくあった。

    とはいえ私がこの本を読めたのは、昨日タイトルをみつけてすぐに図書館に借りに行ったおかげなのだが、それはそれ。
    自分の性質と相談して、時にはすぐに、時にはじっくり検討するべし、ということなのだろう。

  • 世の中即断即決が尊ばれているが、そんな傾向に一石を投じる本。邦題の先送りというよりも、原題のWait(待て)のほうがしっくりくる。ちょっと立ち止まって考えてみれば、良いこともあるよということだ。ただ、考え過ぎもだめだと言おうとしているところもあり、論旨の統一という点でどうかと思う。いろいろなデータを提示して、あんなこともある、こんなこともあると、提示しており、辞書的な読み方をすると良いかと思った。

  • ななめ読みなら、各章の教訓だけ読めば、概略は把握できる。

  • ビジネス書や新書のようなタイトル。このところタイトルに騙され続けているので警戒しつつも、先送りが大好きな僕としてはどうしても気になる。
    何かを行うときにコスト(カネじゃないよ)を先送りして、持てる能力をつかって対応する。恋愛もF16でのドッグファイトも同じで、あるタイミングを待ってそこに判断技術を集約する。
    僕は先送りどころか、何もしないことも大好きなのですが、ずいぶんと自信がついてしまった。とはいえグウタラな人を肯定するための本ではない。
    先送った時間をどこにツケるか。その順番や長さで、人生はあまりにもガラっと変わるんだ。怖いね。

  • ちょっとの先送りでうまく回ることは割と実感としてある。
    急ぎでって頼まれたことをすぐやると、変更が入ってまたやり直しになることとか、割とあるあるだったので、科学的にも根拠あるってことで、これからも少しだけ寝かせてやることにしよう。

  • 「先送り」して「待て」ば、かなりのことはうまくいくとの主張であるが、問題はどこまで待てるかだ。計画のグレシャムの法則からもわかるように、目先のことが気になると長期的な視野に立てない。やはり短期と長期のバランス、すなわち「両ぎき」が必要になる。ぎりぎりまで待ったほうがいいのはわかるが、タイミングを逃すと取り返しがつかない。プロのテニスプレーヤーもタイミングを逃して、ミスしてしまう。それならば、少し早め早めに手を打ったほうがよい。目下の禍に対して、待ちすぎたことによる失敗から失うものは多すぎる。

  • 期待していた内容と少し違う。科学的分析の要素が強い。

    すぐに反応して打ち返すのが良いとは限らない。
    ギリギリまで決断を遅らせることで、より最適な解が得られる、
    というのが主旨か。
    どこまでギリギリ粘れるかが分からないから難しいのであるが。

    http://shachiku-life.com/sakiokuri-umakuiku/

  • 著者フランク・パートノイが意思決定とタイミングを科学する。
    先送りというより、タイミングをどう図るか、いつ意思決定するのか、そういうことが大切なんだなと感じた。

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