僕らの時代のライフデザイン 自分でつくる自由でしなやかな働き方・暮らし方

著者 :
  • ダイヤモンド社
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感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478022689

作品紹介・あらすじ

旅するように暮らす生活実験「ノマド・トーキョー」で出会った28人の新しい人生のつくり方。

感想・レビュー・書評

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  •  「ノマドの人達の将来設計ってどうなってるんだろう?」この本を読むまで、僕はいつもそんなことを疑問に感じていた。終身雇用、年功序列の古き良き働き方に比べて、悪い意味で行き当たりばったりのこの新しい働き方がアリとキリギリスのキリギリスのように思えたからだ。

     この点に関して、著者はノマド的働き方を「人生の時間軸を横に倒す生き方」と説明している。昇進したら、定年したらという縦軸上に自分の第二の人生の楽しみを置くのではなく、週3日働き3日半はリタイア生活を送るという具合に、横軸上に理想の生き方を配置するのだ。そういった観点からすると、なるほど確かに、一般人が考える老後の心配などは、そもそも想定の範囲外なのだろう。

     本作は、いわゆる「ノマド的ライフスタイル」についての紹介本であり、押し付けがましいエゴイズムはほとんどない。新しい生き方の標としたい方には物足りないかもしれないが、怪訝で胡散臭い印象を持っている方が実態を知る術にはなり得る著作であると思う。

  • 2013年に発行された本だけど、そこまで古さを感じない。まだこんなに自由に働ける人が少ないからだろうな。背中を押してはくれるものの、紹介されているケースはかなり頭がいい人か、大企業or自営業で稼いでいる人という印象。東京で賃貸マンションと千葉に一軒家を購入して住んだり、軽井沢から東京まで新幹線通勤してる人、子供と一緒にマレーシア移住した女性など・・・。

    海外で活躍する日本人女性へのインタビュー、なでしこVoice,よく聞くな。セレンディピティ、「探していたもの」ではなく「探してもいなかったもの」が見つかった話。計画の完全性を追求するのではなく、途中で起こる偶発性を前提として動き出すこと。クランボルツの「プランド・ハプンスタンス・セオリー」。

    60歳まで40年間働き、その後の20年を趣味に生きる老後とする縦の計画を横に倒す。つまり、1週間のうち3日半働き、3日半は引退生活をする。→たしかに、定年まで働き続けられる保証はないし、老後は体力も落ちて頭もにぶくなって、若い時ほどフットワークよく動けなかったりする。だから、いま海外にいったり、自分がやりたいことを学んだりしたい。それはすごくわかる。
    ビジネスをしながら海外にも住む。子育てしながら旅行もする。ええなあ。具体的にどうやれるのかはわからないけど。

    翻訳家で1年のうち数か月をニューヨークで過ごし、福岡で東京の仕事をするという例もいいな。長期旅行のために会社を辞めざるを得ないのは日本だけ。やはりインターネットのみで完結する仕事は重要。世界中どこにでも好きなところに行き、好きなことに打ち込める自由を手に入れるために。ただ、それを「稼げるレベル」までもっていくまでが大変そう。

    ゲストハウスを成功させた若手起業家の話にも納得。人は「どうやって成功できたか」ノウハウばかりを聞きたがるが、最初からゴールがわかっていたわけではなく、流れに身を任せて今に集中して積み上げていった結果。だがそれを人に説明すると不安そうにされる。なぜなら人は明確な目標設定と完成図を求めるから。通常は誰もが理解できるコンセプトを言葉で用意し、誰もがまねできるマニュアルを作って量産や拡大に対応していく。しかし、それでは真にオリジナルなものは作れない。

    ★参考文献
    「なりわいを作る」→既読。床のはりかえやってみたい。DIY系何もできない。
    新卒後過酷な労働環境で1年余りで退職した著者。ライターで少ない原稿料をあてに細々と暮らすより、自分で作ったツアーを紹介する文章に自分の執筆能力を使うことにした。スキル自体を切り売りするのではなく、ナリワイのために使うという発想。でも、そのナリワイを作るのが、一般人には難しいんだな。
    「ニートの歩き方」→これも既読。
    ちなみにどちらの著者も京大卒。
    「つながらない生活「ネット空間」との距離の取り方」

    一人だったら、シェアハウスや家電のサブスクもありだなと改めて実感。実際一人暮らしの時そうしてたし。モノを所有しすぎるとしんどい。

  • あいだで暮らす。
    都会と田舎の良いとこどり。
    今後独立するのに参考にしたい点も多い。

    田舎には田舎で都会にない人間関係やルールがありますし、草刈りや地域の祭参加などもある、そういう事が出来るなら田舎暮らしどうぞ。

  • 著者のノマド・ワーカーとしての経験から、社会の枠にとらわれない生き方について書かれた本。

    ノマドとは「時間と場所にとらわれずに働く人、もしくはそういった働き方」という意味を持つらしい。
    今のコロナ禍においては社会はテレワークという働き方を推し進めている。このような状況が終わる頃には、ノマドという働き方も主流になっているだろう。
    都市部の人口集中のピークは今なのではないかと思う。ノマドという働き方が広まることと同時に、地方の人口過疎化の問題も解決に向かうと考えている。

  • プランニングではなくデザインという考え方が自由で楽しそうでいいと思った。

  • 「ライフプランが役に立たない不確実な時代の人生設計」を提案する本。
    様々なキャリアを積んできた著者が2011年に行なったノマド・トーキョー(家もオフィスも持たず、東京を旅するように暮らす生活実験)での経験を元に、これからの時代の生き方のヒントを考察している。
    別にノマドになることを勧めているわけではなく、あくまで「こういう生活をしている人もいるよ」という紹介がメイン。ノマド・トーキョーで著者が出会った人々が何人も紹介されているが、日本に居ながらにしてもこれほど自由な生き方をしている人がいるのかと驚かされた。
    今まではSNSというと負の面にばかり注目していたために利用する必要性を感じなかったが、この本を読んでSNSの力を垣間見た気がする。SNSによって人とのつながりが広がり、それが仕事につながったりする実例を知ることができた。
    この本では「あいだ」がキーワードの一つになっていて、遊びと労働のあいだ、都会と田舎のあいだ、移住と定住のあいだなど、従来はどちらか一つを選ぶしかないと考えられていたものに実は第三の選択肢があったことが示される。先日、本田直之氏の著書を読んでデュアルライフもいいなと思ったが、この本を読んで更にハードルが下がったような気がした。

  • ノマドトーキョーの体験はいろんな気づきがある。著者が言う、東京は巨大なコンビニみたいというのは、確かにわかる気がする。
    自分のライフデザインを再考する足がかりになる一冊

  • ノマドをノマドワーカーという狭い枠ではなく、もっと多角的に捉えようと
    した本。ノマドトウキョーという取り組みをしていたなんて全く気づいて、いなかった。とても興味深い取り組みと思う。ぜひ、その時のことを本にまとめて欲しい。

  • 献本頂く

  • 読了

  • 広く浅く事例を紹介するに留まっている印象を受けた。これならインタビュー集みたいになってる方がよかった

  • しなやかな生き方、ありかもね。

  • 「ライフプランが役に立たない不確実な時代の人生設計」という言葉に共感する部分があり、約4年前に出た本、と認識しつつ(この人は今、を調べたりしながら)、今の自分の立ち位置や興味の方向性を明確にするために読んだ。

    P24に「けれど、『今のまま頑張る』だけでは幸せになれそうにないという直感がありました」と書かれているが、まさに今、自分が立ち止まった理由に、「今のままでは幸せになれないぞ」という直感があった。考えて考えて、努力して、職を選んで、目指して通って、打ち込んで、結果を出して...でもその先に望む幸せはなかった。そもそも、望んでいた幸せが何か。仕事をギリギリまでやりきり、遅くなったけれど、ようやく仕事の先にあるものを考える頭になった。

    ならば、逆を生きてみられないか。自分で決めてきた人生から、出逢うものに身を任せ、しなやかに、流れに委ねる人生へ。このシフトへの挑戦中。何かを起こすことに疲れたが、まだ頑張らねばいけないか。何が幸せか、その問いに向き合いながら、本書を読んでまた考えている。

    気になったポイントメモ。
    ・しなやかに生きるための複数の立脚点。→共感。
    ・筆者の、バイオ分野の研究所の非常勤職員の職場で編集やクリエイティブに入っていった件に、そういうこともあるのかと。
    ・「なでしこvoice」読んでみよう。
    ・パラレルに同時並行させることが、将来へのリスクヘッジになるだけでなく、新しい未来への投資になる。→そう認める。しかし、企業の中では専門性重視で、何でもできる人や は評価されなかったりする。個人的には後者の方が生きる力があると思うけれど、居場所次第であることを体験済み。
    ・人生の時間軸を横に倒す→この考え方面白いなぁ。今から歳をとっても年金なんて当てにできない時代だし。横に倒すとは...第二の人生を前倒し。週三日半働き、三日半は引退生活。人生の順場ををなくす。今しかできないことにお金も時間も使う。そして、やりたいことと生活を同時に成り立たせる。
    ・「長期旅行のために会社を辞めざるを得ないなんて、日本だけかもしれないと思いますね。長期といっても2週間〜一ヶ月なら、欧米ならバケーション。...」これ、最近考える。仕事により週5、平日を縛られる、休み伸ばせても週末+αってどうなんだろうって。
    ・「計画された偶然性」これが欲しい。
    ・暮らしかた冒険家の伊藤菜衣子さんの話も出てきた。改めて、映画「別れかた暮らしかた」、良い作品だったなぁと思い出す。

  • p78 行動を変えるには「場所」を変える

  • いろんな生き方を紹介している本。著者の実験的ライフスタイル、ノマド・トーキョーのほうが興味が湧いたのでそちらをもう少し詳しく記してもらいたかったかも。感想としてはいろんな生き方があるんだなぁ。しかし、それらを実現させるためにはやはり人並み以上に稼ぐ必要はやはりあるな、という感じ。著者も書いていたように、こういう事例を知っている人には真新しさを感じないということで、自分はそうだった。確かにこういうのを知らずにもがいている人は読んだ方がいい本。

  • 経済力がついたら結婚し、子育てが終わったら趣味にあて、退職したら旅行するのような、縦型の人生プランではなくて、ビジネスしながら海外に住み、登山をしながら本を書く、子育てしながら海外旅行など、時間軸を横に倒し、人生という地図のなかで今すぐ旅をすることができる生き方をデザインする「ライフデザイン」という生き方、考え方の進め。

    結婚しているからだとかサラリーマンだからだとか、言い訳を並べずに、良い生き方だしこれから必要になることなので、どうすれば近づけるかを考えたい。
    先ずは、仕事だけではない繋がり、プロジェクトを組むことを目標。

    【学び】
    必要なのは、場所の設計だけではなく、「どんな人がそここいるのか」という人的資源の方が重要だと考えています

    成功したものができると、人はすぐに「どうやってそれを作ることが出来たのか」とノウハウばかりを聞きたがるものです。そして、質問を受けた人が経緯を話すと、それがあたかも最初からゴールが確約されていて始まったプロジェクトかのように錯覚され、みなかそれを踏襲しようとします。でも、実際のプロセスは全く違い、完成形がわかっていたのではなく、流れのなかで自分の感覚を信じ今に集中して少しずつ積み上げた結果なのです。

  • 自由に生きているように見える人がたくさん紹介されている本。著者も含め。
    仕事や働き方の自由、住む場所の自由、自分自身のパーソナリティの定義の自由。

    「会社員として働くか、起業するか。」の2択ではなく、仕事しながら何か自分の興味ある分野で活動もできたらいいなぁというのが理想だけれど、今は仕事に生活のほとんどの時間を使ってしまっている状況。まず、どうやったら時間をつくることができるのか考えることから始めようか・・・。

    あと、田舎と都会に2カ所家を持って、その往復をして生活するというライフスタイルは若干ムリがありそうで、違和感を感じた。自分には向いてなさそう。

  • 『ノマドトーキョー』という生活実験の記録。『ノマド』はもはや蔑称のような扱いを受けているけど、この本に登場する人たちの中には、そんなふわふわチャラチャラした感じ人は一人もいない。誰よりも真面目に自分の働き方・生き方と向き合っている人たちばかりだ。『ノマド』批判の根底には、自由に楽しげに人生を謳歌している人たちへの嫉妬の感情があるのだと思う。自分とは違う人種としてシャットアウトするよりも、素直に取り入れたいと思える考え方がたくさんあった。

  • ■二番煎じ,三番煎じの感があり,特に新しい知見はなかった。
    ■複数の自分を持つ「多アカウント」時代になるのではなく,
     むしろ,逆にアカウントは一つに統合されていくと思う。
     別個独立にアカウントを持ったとしても,すべて繋がってしまう。
    ■情勢が安定的でないから,流動的に生きようとするのは,
     自然な流れなのかもしれない。
     しかし,全員が流動的になってしまうと,結果,
     ますます社会は不安定になってしまう。
    ■すべては結果論。スキゾであろうとノマドであろうと,
     うまくいけば,その選択は正しかったと判断されるのだろうし,
     うまくいかなければ,その選択は間違いだったと判断される。
     そのとき,自分が正しいと思う選択を選び続けるほかない。
    ■いろいろな生き方があるのだと,自分の選択肢の幅を
     広げることができる。
     (選択肢の幅の広狭も結果論なのだろうけど。)

  • こんな生き方もあるんだと分かる。将来への不安や、選択で迷っている人にはオススメ。でも、実践できる人はいないよなぁ。

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著者プロフィール

フリーランスの編集者

「2014年 『デジタルデトックスのすすめ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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