- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478025062
作品紹介・あらすじ
世界はデフレ化し、中国・ブラジルは没落!新エネルギーの登場で激変する世界を人気エコノミストが大胆予測。
感想・レビュー・書評
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シェール革命によって国際経済がどのような影響を受けるかを予測解説します。筆者は資産運用方面のエコノミストとして著名ですが、改めて投資をするには受け売りでない大局観が必要だと思いました。また、シェール革命が、アラブの不安定化、中国の内乱リスクやロシアの政治リスクなど、国際政治に与える大きな衝撃という一面も知ることができました。
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ウクライナ問題や世界的なインフレを知るにつれ、「少し前の有識者の方がどんな大局観を持っているか」が気になって購入しました。
2013年発行の本ではあるものの(戦争等のイレギュラー要因を差し引けば)概ね言い得ておられます。
今後の日本や、世界を見る上で、当時がどうだったかを知っておくツールとして手に取るのはアリだと思いました。 -
ちょうど石化関係のイベントに来たので予習のために読んだ本。読みやすい。5年前の本だが当時のシェール革命に関する予測は概ね当たっていた。違いは、実際にはOPECとの我慢比べによる原油価格のさらなる下落があったこと、中国の政情不安が予測されていたが起きていないことくらいか。
中国にもシェールガスがあるらしく、埋蔵量はUSを超えるが地層が深くかつ平らでないことで現在の技術での採掘は難しいそう。だがいつか採掘が始まれば、US、中国、ロシアから日本はガスを売り込まれ、中東からは石油を売り込まれ、で日本も大きな決断を迫られそうだ。 -
2016/09/02:読了
いい本だった。
内容も非常にある。 -
株価・為替相場の変動で利益を売るのは投資ファンド、超リッチ層だけだ。年寄りの小金を守るのではなく、若者が夢を持って働ける日本にする投資こそ本分だろう!
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アメリカ発のシェール革命が、日本をはじめとする世界各地の経済にどのような影響を与えるか考察した本。筆者はシェール革命によって、アメリカ経済が一早く立ち直り復活し、世界経済を牽引するであろうと主張しており、現在のところ、筆者の主張通りにメリカの一強状態で推移している。シェール革命によって、アメリカが超資源大国となり、安価なエネルギーコストを求めて世界の企業がアメリカに生産拠点を移している。(日本では、クラレが合成繊維のプラント、信越化学がエチレンプラントを建設するなど複数ケースあり)アメリカの安価なエネルギーコストが世界各国のエネルギーコスト(石油・LNG価格)を押し下げている。各国への影響は以下の通り。
・日本はエネルギーコストダウンやアメリカ経済の好調が良い方向に働くであろう。ただし、石油化学など一部産業ではマイナスに働く可能性あり(輸送費を加味してもアメリカの石化製品の方がコスト競争力が高い可能性あり)
・中東やロシア・ブラジルなどの資源国は、シェール革命に伴うエネルギー価格の下落が財政悪化を招き、国民が中央政府に不満を抱く可能性あり
・インドはインフラ面が脆弱のためシェール革命がプラスに働く可能性が高い。資源安により、貿易赤字が緩和される見込み。あとは、カースト制による労務管理の難しさ・脆弱なインフラ等のハードルを乗り越え、外資を誘致できるかにかかっている。
・中国には、アメリカを凌ぐ量のシェールガス・オイルが埋蔵されているが、地層の深さが3000~4000mとアメリカの倍近く深くに埋まっている。また、地層が複雑のため水平掘りが難しい。
本文全体を通して、筆者のアンチインフレ思想が根強く入っており、それが色濃く出ている点は少し気になった。 -
前半でのエネルギーコスト低下によるアメリカ経済の優位性から、中盤ではデフレでも成長できるという主張にはいるが、世に蔓延るデフレ=悪という風潮への攻撃に妙に熱が入っているように思える。
それはそれとして、内容は非常に論理的であり、まさしく筆者の見通すとおりに世の中が動いて行きそうな気もするが、この本で触れられていないファクターもある。例えば、エネルギーコスト低下で損をするプレイヤーがいて彼らが政策に大きな影響を持つことと、エネルギーコスト低下によって環境破壊に拍車がかかる可能性など。これらがどのように今後の展開に影響してくるのか、見極めたいと思った。 -
世界経済の今後の行方をシェール革命という事象から予測する一冊。