成功企業に潜む ビジネスモデルのルール――見えないところに競争力の秘密がある

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478025741

感想・レビュー・書評

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  • 新しいアイデアに触れることは楽しい。才能や努力がその裏側にあるから、素直に尊敬の念を抱いてしまう。

    本著はビジネスモデルの外部から見えない部分にこそ持続的な競争優位性があるとしている。これまでのビジネスモデル書は収益の上げ方について書かれた本がほとんどだったので新しい視点で得るところは多い。

    具体的に2点ある。コストの仕組みを変えると、組織をつくり市場への向き合い方だ。各々3、4章に書かれている。

    必ずしも本著を読めば新事業を起こせる訳ではないが、チェックするポイントとして大いに活用できる。

  • 東2法経図・6F開架:335.21A/Y19s//K

  • 事例がふんだんにあるのが良い。が、後半は少し繰り返しが多いか?

  • ビジネススクールの教授である著者がセブン銀行やリクルートのスタディアプリなどの成功事例から外からは見えないところにスポットを当てて成功の秘訣に迫った一冊。

    エプソンのタンク型プリンターやセブン銀行などの他社とは差別化して成功を収めているサービスの関係者への取材や著者の知見から成功した要因に迫られており、非常に勉強になりました。
    大企業から中小、ベンチャー企業のものまで世間では評判となっているものや存在を本書で始めて知ったもの様々でしたが、ビジネスにおける発見が読んでいて多くありました。
    また、それぞれのサービスの未来について著者が危惧していることも書かれていて勉強にもなりました。

    セブン銀行の売上金入金サービスやリバイバルドラッグのポイントによるオークション制度など画期的なビジネスモデルが利益に繋がっていることを感じました。
    また、コストを下げたり、無くしてしまうことや大手と競合しないために資産を負債に変換したり、競合したりするなど様々なところで仕組みを作ることで継続できるビジネスになることも学べました。

    本書を読んで、紹介されている企業の商品やサービスが外から見ると今までの盲点を突いた顧客目線に立った画期的なものであると同時に内側では継続的に発展できるビジネスモデルによって支えられていることを学ぶことができました。
    そして、本書はこれからの社会で新しいビジネスを構築するうえで多くのヒントを与えてくれる一冊だと感じました。

  • 2017年の成功している企業の秘訣を抽出したビジネス書。一番大事なのは、創意工夫を繰り返し、成功まで粘ることだな。成功したものが、正解。そうでなければ、正解になるまでやるのみ。そうして残ったものが、この本に乗ったような、成功者なのである。

     「しない勇気」とか「サンクコストの発掘」とか、イイ感じのビジネス要素が学べてよかった。
     とはいえ、成功ってのはみんな同じことをやればうまくいくものじゃない。成功はただの結果である。うまくいったから成功というレッテルが貼られただけであり、猿まねでは失敗だけで終わる。そういうことはいつまでも忘れずに、こういう本を読んでいきたい。

     さて、この本で穴ぶべきことは、サンクコストをみつけて、それの解消を粘り強く取り組んだら、成功に持って行ける可能性が高いという確率論がわかる。日本人お得意のカイゼンでサンクコストの活用を大いに見つけていきたいものだ。

  • ビジネスモデルの例。
    ポイントは見えない戦略。見えてないところにビジネスモデルの核がある。

  • 表に出ない優れたビジネスモデルにフォーカスしていて、一般のメディアに目を通しているだけでは知り得ない優れた部分を知ることができた。

  • いつもの山田先生の本。事例のアップデート版。

  • セブン銀行、エプソン、ソニー損保、三菱電機等の一流企業が採用したビジネスモデルが紹介された書籍です。マーケット内の競合企業が採用しているビジネスモデルや慣習を破壊し、時には自社もダメージを受ける事を厭わない実行力が成功の要因だと感じました。ただ、著者も言及されてます通り、成功したビジネスモデルが永遠に有効かというと、そうではないのでマーケットの変化に合わせて変化させないと駄目ですね。

  • 大小様々なビジネスのモデルを解説した本。一つ一つは比較的ライトだが、数が多いのでいろんなパターンが読める。

    見えるビジネスモデルはすぐに同質化せれ競争力を失う、ということで、あまり見えないコスト構造や競争構造に主眼を置いている。これらを多くの事例で解説している。特に優れている点や他者が真似できなかった理由が解説されており、わかりやすい。

    コスト削減は一部削減よりも、やらない、のがよいらしい。セブン銀行のb2bやカーブスのシャワーなど。
    セブン銀行は、硬貨を扱いをやめてATMのコストを下げたりしている。カーブスは専業主婦をターゲットにして、軽い運動に絞っている。結果シャワーなどの水回りをカットして施設費を減らしてる。
    顧客にやってもらうようにするのも一つ。セブン銀行の入金もその一例。レンタカー屋の乗り捨て車を営業所へ返す時に格安で貸し出ししてるのも、その一例。海外は無料でやってるところもあるらしい。コスト優位になるためには、2割程度では弱く10分の1とかでないと、無理。
    コストを資源に変える例は成田空港。サンクスとの回収と書かれている。出国手続き後のスペースを商業施設に変えたこと。PAや駅ナカなども同じ発想。
    固定費を変動させてしまうのも手。スタディサプリは講師への給料を視聴数に連動させた。講師に対してはよい授業をやるモチベーションとなり、リクルートは収入に依存させられるので、収入以上にコストがかかることがなくなる。

    競争構造に目を向けると、これも様々なパターンがある。
    レガシー企業の資産を負債にすることで参入を防ぐケース。スタディサプリの例だと、既存の予備校はすでに校舎などを持っており、簡単には追随できない。スカイマークの法人向けに特別価格で直販した。大手はマイルを運営しており、そのコストを考えると、それほどの低価格はできない。
    バリューチェーンの中に入っていくのも一手。セブン銀行はATMのコストを下げたい銀行とwin-winの関係を築いた。

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著者プロフィール

早稲田大学教授

「2016年 『経営戦略[第3版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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