1枚のシートで経営を動かす---財務分析で成長エンジンを見つける経営指導の新手法

著者 :
  • ダイヤモンド社
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本棚登録 : 47
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478026489

作品紹介・あらすじ

本書は-「財務と経営」を「結果と原因」の関係と捉え、両者を「人間学」によって統合するプロフェッショナルのための実践的マネジメント入門です。

感想・レビュー・書評

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  • 日経新聞の広告欄にキャッチーな表題がデカデカと記載されていたため即購入。自称金融のプロを目指していますから、「こら便利な手法を手に入れられるに違いない。あの経営者の前で、新しく仕入れた知識をドヤ顔で披露してやろうウヒヒ。」とスケベ心で手に取った。そして後悔。

    結論、本書は表題と中身があまりにミスマッチすぎる。本書を分解すると下記の通り
    1企業経営理論、財務分析の基本講座
    2人間力って大切だよね
    3産学連携でこんな研究結果が出ました&学術論文
    4マジで使えるシステムを造ったんで是非活用してよ

    1は中小企業診断士のテキストでも眺めていた方がよほど身につく。そもそも金融ルーキーの僕にすら当たり前すぎる。マズローの欲求5段階説だけでかなりのボリュームが割かれており、それは2においても基本的な概念として登場する。
    2においは定性評価を如何に財務分析と結び付けるかに焦点を当て“定性評価の定量化”を試行しているのだが、売上と企業理念、会社の潔癖性、完全性が比例していると言われても正直ピント来ない。
    3、4についてはここでのコメントは控えさせていただくが、まぁ自己愛の強い大学教授の講演会を聞かされた感は否めない。正直、大学教授の講演会を所望されている方には、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授の楠木健氏「戦略的読書日記」や芝浦工業大学MOT客員教授山田眞次郎氏と慶應義塾大学名誉教授の井関利明氏による対談書籍「思考 ‾日本企業再生のためのビジネス認識論‾」を激しくオススメする。基本的に僕は大学教授の書籍は好きな人間だ。

    本書を読もうとしている“営業畑の金融のプロ”に警告する。本書は貴方がたではなく銀行の財務分析システムの開発担当者、金融庁のお役人をターゲットとしており、著者の「現行のスコアリングには限界があるでしょ?このシステム是非導入して下さいよ!なんなら金融庁の指標作りに僕を有識者として呼んで下さい!」アピールに付き合わされる必要はない。

    最後に本書から伝わる著者の人柄をプロファイリング。きっと著者の宮田氏はとてもピュアで真面目で仕事熱心な方だろう。長年経営学と向き合い、多くの知識知見を保有し、更なる発展を志向されているのだろう。だからこそのドヤ顔であり、だからこそのそこはかとなく溢れ出る有識者臭なのだろう。正直、僕が経営者ならば著者に自社のコンサルティングは依頼しない。だって、書籍から伝わる宮田さん、根っからのキズ塩体質なんだもん。と言論の自由に則り、引くほど否定的なレビューを書かせて頂いたが、酷評の主たる原因は表題と内容の劇的ミスマッチ。それだけでここまでの拒否反応が生まれるとは思ってもみなかった。
    もしかしてもしかして、この罪はダイヤモンド社の編集担当者にあるのでは無いだろうか?

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