明日を生きるための教養が身につく ハーバードのファイナンスの授業 ハーバード・ビジネス・スクール伝説の最終講義
- ダイヤモンド社 (2018年11月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478104026
感想・レビュー・書評
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『明日の生きる教養が身につくハーバードのファイナンス授業』
【なぜファイナンスを学ぶのか?】
ファイナンスとは、企業や投資家が未来の価値を増やすために行う活動です。リスクをヘッジし、ポートフォリオを設計し、レバレッジを使うなど、様々な手法があります。しかし、ファイナンスは人生とも密接に関わっています。人生も未来の価値を増やすために、リスクを減らし、能力を分散し、役割を果たすなど、ファイナンス的な考え方が役立つ場合があります。
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【ハーバードのファイナンス授業とは?】
本書は、ハーバード大学でファイナンスを講義している先生の書き下ろしです。卒業生の最後の授業で語った内容をベースに展開しています。ファイナンスの基本的な概念や知識だけでなく、人生とファイナンスを関連付けて考える機会を与えてくれます。
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【人生をファイナンス的にとらえるとどうなるか?】
本書では、人生をファイナンス的にとらえると、以下のような視点が得られると紹介しています。
①時間分散の視点:
短期集中ではなく長期的に取り組むことで、リスクを減らし、軌道修正の機会を得ることができます。
②取り組むテーマの視点:
単一ではなく複数に分散化させることで、できない範囲のリスクを軽減することができます。
③取り組むテーマのトレンドの視点:
経済と連動するテーマと経済と連動しづらいテーマに分散化させることで、市場の変動に対応することができます。
④レバレッジの視点:
レバレッジは借金です。人生では役割や義務と考えます。周囲の期待値を超える役割や義務を自らに課すことです。その結果、行動や考え方に緊張感が生まれ、効果や効用が高まる場合もあります。
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【まとめ】
ファイナンスと人生は、未来の価値を増やすという共通の目的を持っています。
本書は、ファイナンスを学ぶことが、人生においてどのように役立つかを示してくれます。ファイナンスと人生を別物と考えている人も、本書を読むことで、新しい視点や考え方を得ることができるのではないでしょうか?
明日を生きる教養とは何か?の視点が学べる本書、気になる方はぜひ手にとってみてください。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ファイナンスの考え方を、人生の教訓にできるか?
とても無味乾燥な結論が出てきそうな気がしていたが、本書を読むと意外とそうでもないということが分かった。
人生もファイナンスの世界と同じように様々な困難に直面しており、その中で選択を迫られる。そのような時に、ファイナンスだとどんな状況に当たるのかを考えてみることは、決して損なことではない。
この本では、様々な小説、戯曲、そして歴史上の出来事を例に取りながら、登場人物の心情に対する豊かな共感とともに、そのことを解き明かしてくれる。
例えば保険の発想は、人生の不確実性を神の意思に委ねるのではなく、無秩序と混沌に向き合い、それを理解するという、近代的な前向きさから生まれてきたものである。
ファイナンスにおけるアセットのバリュエーションの考え方は、人生の価値も過去と現在ではなく、将来の価値によって決められるということを思い起こさせてくれる。
経験も人間関係も絶対に分散化した方がよい。自分と同じ経験や考え方をした人だけと付き合っているより、いろいろな考えの友人を持った方が、人生が豊かになる。ファイナンスでいえば、ベータの高い資産をポートフォリオに組み入れた方がよいということだ。
他人の力を借りることで、一人の力で全てを切り抜けようとするよりも人生を豊かにすることができる。他者の力を取り込み、大きな責任を負い、周囲に大きな影響を与える仕事を担ったり、家庭を築いたりする。しかし、多くの荷を背負いすぎることが、時に人生の自由を奪ってしまうこともある。企業にとって借り入れによるレバレッジが同じような役割と効果を果たしている。人生におけるレバレッジは他者との関わりであり、レバレッジも様々な種類がある。筆者の述べるように、最も価値のあるレバレッジは、同僚や友達やコミュニティからの尊敬であろう。そのような信頼を梃子にすることで、人生においてより大きな力が発揮できる。
そして最後に、人生におけるリスクテイクは、必ずしも成功をもたらすとは限らない。企業経営も同様であり、そのため企業の破たんに対応する倒産の制度が構築されてきた。リスクテイクにおける失敗は、道徳の欠如と必ずしも同一ではなく、失敗者を吊し上げるだけの社会は、人生のチャンスを追い求めること自体に委縮する社会になってしまう。事業の失敗においても人生の失敗においても、誰かの助けを借りて再生のための将来に向けた計画をいち早く立てることが大切だ。ただし、破たんを認めるべきかという判断は、企業経営においても非常に難しい問いだ。約束を守ることと再生のための道を探ることの二律背反は、人生においても経営においても難しい。
「倫理的な人生とは、不確かさへの信頼と、自分をリスクにさらす意思に基づいている」のだという筆者の言葉は、ファイナンスの世界から人生に対する教訓を学ぼうという本書のコンセプトを、最も的確に言い得ているように思う。
現実世界を生きることの難しさに直面しているのは企業も一人ひとりの人間も同じであり、そうであるからこそ、ファイナンスの世界を生き方を考える際に参考にしてみることも、非常に有益なのではないかと感じた。 -
ハーバードMBAの卒業生に行われたファイナンスの「最終講義」をまとめた本。分散化や価値評価・レバレッジといったファイナンスのエッセンスをビジネスだけでなく、人生にどう当てはめていくのかがコンセプトなのです。なので、小難しいファイナンスの本ではなく、リベラルアーツ色の濃い本です。※読むには最低限のファイナンスの知識は必要です。
続きはこちら↓
https://flying-bookjunkie.blogspot.com/2019/11/blog-post.html
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簡単な語り口だが、非常に難解。
もう一度読むべきと思料する。
ただ、これまで漠然と感じているファイナンスに対する虚業としての感想に対して、賛否両面から答えてくれている事は確かであり、その狭間で仕事を進める身には勉強になる。 -
保険とは人間の経験のパターンをとらえ、リスクを分散化することで世界の混沌を理解し管理しようとする仕組み
秩序を求めるのは人間の基本的な欲求
詩と保険請求の処理は混沌のなかに秩序を見いだす行為という店で同じ
不確実な未来の選択に自分の時間と力とリソースをどう配分するかーファイナンスの核
感想ーオプションだらけで決めないことの損失を解く一方、経験の分散化の価値も説明している。
ファイナンス的に言えば人間関係も分散化すべき。不完全相関資産
タラントの例えー預託者の期待リターンを超えなければならない。しかも、継続して。
レバレッジ
義務や責任を負うと影響力を増す
後悔ー深い関わりを避けること。教育を受ける機会、子どもとのかかわり、愛する人とのつながりを逃したとき。
相反する義務の間で悩むのは人生が充実している証拠。人生観が深まるほど義務が複雑化する。
大人になるということは、無意識のエージェントにならないということ。自分の人生を自分で決めるプリンシパルになるということ。
途中まで面白かったけど、途中で、息切れしちゃった。ファイナンスと人生を結びつけた講義。 -
理解が難しい。金融とリスク。その時代に寄って扱いが違う。改善されてきた。
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ファイナンスへ興味を持つ入口として最適。実際の生活を例に知的好奇心を膨らませる書き口が秀逸
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ファイナンスの理論と人生論を結びつけるという独特の切り口で、自分のなけなしの金融の知識と人生の経験を照らし合わせながら興味深く読めた。金融の知識がもっと深まった時に改めて読みたい。
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超飛ばし読みしました。
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C0034