組織が変わる――行き詰まりから一歩抜け出す対話の方法2 on 2
- ダイヤモンド社 (2021年4月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478107027
作品紹介・あらすじ
★HRアワード2020 書籍部門 最優秀賞受賞! 『他社と働く』 著者の最新刊!
★職場の「分かり合えない溝」を乗り越えるための新しい対話の方法 2 on 2を初公開!
★今、注目の経営学者が悩めるリーダーに投げかける異色の組織変革論!
「職場の雰囲気がギスギスしている」「会議で誰も発言しない」「納期の遅れや失注が頻発している」「みんな忙しいのに業績が上向かない」「病欠者や離職者が多い」…。
もしあなたの職場で、こんなモヤモヤが放置されていたら要注意。
職場の小さなモヤモヤを、本書では「組織の慢性疾患」と呼ぶ。
このような職場の慢性疾患を放置したままだと、それは、いつか積もり積もって大きなトラブルや経営リスクとなって姿を現すかもしれない。
そうなる前に、気が付いたら早めに早めに自分たちでセルフケアすることが何より肝心だ。
困っている悩み事を真ん中に置いた4人一組で行う対話の方法、それが2 on 2。
2 on 2は、組織の慢性疾患を見つけ、そこに具体的なアクションを講じるセルフケアを実施するための変革的な取り組みのことである。
職場には大なり小なり問題が存在するが、問題は厄介事ではなく、チームや組織をより良くするために発生する契機ともいえる。
しかし、問題を通じて組織をより良く出来るかどうかは、リーダーが対話的にアプローチできるかどうかに掛かっているのだ。
職場のモヤモヤを解消するための新しい対話の方法、2 on 2の実践で組織がみるみる変わる。
職場のモヤモヤに困っているリーダー必読!
感想・レビュー・書評
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「他者と働く」の宇田川さんの続編的な本。
※他者と働く
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4910063013#comment
「他社と働く」は名著だと思いますが、
この本では伝えきれなかったこと(誤解を与えかねないこと)を
補足するために書いた本のようです。
「対話を通じて、お互いの理解を深め、
ごちゃごちゃにからまった糸をほぐす」というのは、
前著の「他社と働く」と同じスタンスで、
前著をより深く理解するための補助教材としても使えそうです。
ただ、この本の中に紹介されている2on2という考え方は、
逆にちょっと使いにくい印象も受けました。
ですが、2on2を通じて紹介されている会話のTipsは、
とても参考になるものばかりで、例えば「反転の質問」などは、
ちょっと使ってみたら面白そうな印象です。
何れにせよ「自分も問題の一部であることを認識する」ことが大切なステップですので、
根本思想としては、「自分の小さな「箱」から脱出する方法」と同じような気がします。
※自分の小さな「箱」から脱出する方法
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4479791779#comment
この本を読んで、読んでみたいと感じた(けど、読むのを躊躇しそうな)巻末の参考文献(2冊)。
※想定外のマネジメント
https://booklog.jp/item/1/483094949X
※組織の<重さ>
https://booklog.jp/item/1/4532133378?carousel=B07DJ6VJ45詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
組織が変わる――行き詰まりから一歩抜け出す対話の方法2 on 2
著:宇田川 元一
この本では、組織における行き詰った状態を「組織の慢性疾患」、その状況と自身の関わりに気付き、慢性疾患に一歩ずつ取り組み続けるプロセスを「セルフケア(自分自紙をケアすること)」と捉え、膠着した状況を動かすヒントをつかむ「2on2」という対話の方法を紹介している。
この対話の実践を通じて、組織が変わることを目的としている。組織が変わるとは、自身のみならず、周りのメンバーが見えている組織の風景が変わること、組織の中の様々な出来事の意味が変わることである。
構成は以下の8章から成る。
①組織で対話が必要な理由
②組織が抱える慢性疾患へのアプローチ
③対話とは何か
④新しい対話の方法「2on2」とは何か
⑤2on2の何が効果的か
⑥2on2を実施する前にやってはいけない6つのこと
⑦なぜ、2on2を開発したのか
⑧組織が変わるとはどういうことか
組織が変わるとは、やはり「人」が変わること。
そして、他人ではなく、自分が変わる。自分が気づくことが大切である。「対話」をキーワードとして組織の慢性疾患へメスを入れていく。
他人に委ねるのではなく、「自分」が覚悟を持って本書で紹介されている2on2という手法を使い、自分から気づき、自分から変わる。
組織が変わるには大きなエネルギーやうねりが必要である。そしれその初めの一歩が何よりも色んな意味で労力を費やす必要がある。そしてそれは待っていても勝手に起きるものではない。 -
思ってたよりは堅苦しくなく、読みやすかった1冊かな?
組織の「慢性疾患」(すぐ解決しないけど大きな問題)を解決するには、問題解決しようとせず、
対話にてその質や問題の本質を見ようとすべし、という一冊。
2 on 2は面白そうなのでやってみたい。しかしこれでいい方向に行くかどうかのイメージが出来ないのが少し不安。あと本書にも書かれていたが、これがどれくらいの企業に受け入れられるかどうか。
【2 on 2の内容】
当事者、当事者と関係のある人、部外者1名でαチームとβチームにわける。αが関係者、βが部外者側。各チームで話している時は口を挟まず、問題解決しようとしない。最後に見えてきた問題の本質に名前を付ける。その問題をより深刻にさせるにはどうしたらいいか?といった「反転」の質問をすることで、自分がその問題に関わる一人であったことを認識しやすくなる。
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ナラティヴ・アプローチ、より具体的には、リフレクティングや当事者研究、ナラティヴセラピーの外在化などを組み合わせて、組織のなかで使いやすい形に整理した2on2という手法を紹介している。
一言でいうと、そんな感じ。
書いてあることには共感するところも多いのだが、なんだか違和感を感じるところもある。
多分、組織の問題を慢性疾患としてあつかう比喩に違和感があるのかな?「組織が問題ではなく、問題が問題である」という立場とはやや違う感じかな?
また、「問題」の外在化として、「妖怪」のネーミングをするというのも、今ひとつ、ピンとこない。多分、深刻になりがちなテーマをユーモラスに話すための工夫だと思うのだけど、問題の外在化の表現であるはずの「妖怪」が、だれかの人格を語る表現にすり替わってしまうリスクを感じるのかな?ワークの主旨をしっかり理解する人だけでもないだろうし。
わたしは、組織を基本的には、成長する力をもった存在であるととらえたいと考えているんだと思う。そうしたうえで、それを妨げる問題(外在化された問題)があるという比喩が好きなんだと改めて思った。
あと、ナラティヴという言葉の使い方が、多分、わたしの理解と違うのも、なんだかな気持ちになる原因なのかな?まあ、ナラティヴもいろいろな使い方がされているので、その人がどういう意味で使っているのかが分かれば、それはそれでいいのだけど。。。。
全体的に「学習する組織」の「メンタルモデル」に近いものとしてナラティブという言葉で使われている?
でも、それだと、「ナラティヴ」という言葉に内包されている「話すこと」「声をだして語る」という発話行為みたいなニュアンスが薄まる印象があって、このアプローチをもって、ナラティヴ的なものと整理していいのか、わからなくなる。
もちろん、手法の名前がどうであっても、効果があれば、それでよいという視点もあると思うが、「言葉」にフォーカスするという特徴をもつナラティヴ・アプローチとしては、その辺の言葉づかいが気になってしまう。
「他者」を強調するのは面白いと思う。安易に「わかりあおう」ということではなく、「わかりあえない」を起点にするのも、「面白い」。
でも、実際のところ、わたしたちは、いいか、悪いかは別にして、「わかってしまう」んだと思っている。この「わかってしまう」のがなぜかというと、それがディスコースの働きであり、言語の機能なのだ。
「わかってしまう」ことからどう距離をもって、よりユニークな新しいストーリーを生み出すかというのが大事で、最初から「わからない」ところから始まるわけではないのだと思う。
意図的に、「わからない」「しらない」という立ち位置で、相手の話を聞くことから始まるのだと思う。
この差は、微妙だが、全く違うものに思える。 -
多面的に話し合うって事だね
昨日みたYouTube大学の内容ともリンクするから
個人的にすっと腑に落ちた
こういう点と点とが繋がってより強固になるみたいな感覚は気持ち良い -
「反転の問いかけ」は強力なツール。
「今の状況をもっと悪化させるとしたら、どうするか?」と問うとは目から鱗。 -
組織の慢性疾患は、長期にわたって進行するので、日頃からメンテナンスし続けるセルフケアが大切。その手段としての2on2という対話がある、とのこと。手法としてつねに2on2であるべき、ということではないと捉えた。手法以前に、慢性疾患には、表面化した問題を単純化して、すぐに解決しようとすることで、問題が発生するメカニズムそのものが理解されず、結果、慢性疾患がさらに進む、ということが目からウロコだった。確かに…。また、ナラティブは人によって異なるのに、自身のナラティブで問題解決しようとすることのリスクについても言及があった。心当たりがある…。今日から活用できるエッセンスが複数あり、ぜひ取り入れてみたい。
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前著の「他者と働く」が良かったので、
さらに「2ON2」??と期待してしまった。
結果、よく分からなかった。
確かに1on1だけではなあ…
と思い始めていますが、
ちょっとこれは私にとってハードルが高い。
ハードルというか、なんか違和感ありました。 -
経営学者である著者が企業の問題解決のために対話を行う2on2についてその実践法と効果や体験談などを書いた一冊。
閉塞感のある企業の雰囲気を打破するために小さな違和感に気付くことと問題と向き合うことや自分と問題との関わりを見つけることやそのために2on2を行うことが効果的なことを丁寧に説明されていて勉強になりました。
気軽にできて続けやすいようにリフレクティングプロセスと当事者研究という二つの手法をもとに2on2は考えられていて、対話がディスカッションや雑談と違うことを知り、2on2からお互いのナラティブを理解することや他者の視点から問題を捉えることなど
全員で問題に継続して取り組むことで改善を図っていく手法であると感じました。
また、問題にユニークな名前をつけることや反転問いかけワークなど楽しんで取り組める仕掛けもあって問題の重さに負けないように考えられていることも印象に残りました。
本書を読んで2on2は問題を解決するのではなく問題の背景にあるものを考えることが大切であることが理解できました。
そして、閉塞感のある組織を変えていくために本書で学んだことを活かしていきたいと感じた一冊でした。 -
仕事をは、他者と関わり、自分も学んで変わっていく面白さや感動を味わえるものだと改めて感じた。やり方として純粋に面白い。