脳の外で考える 最新科学でわかった思考力を研ぎ澄ます技法

  • ダイヤモンド社
3.84
  • (15)
  • (16)
  • (16)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 462
感想 : 18
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478114971

作品紹介・あらすじ

生産性を高めたいなら、今すぐ机から立ち上がろう!「脳の外」で考えるほど人間は賢くなる!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 刺激的な一冊。他人や環境をうまく利用して問題を解決していこう!

  • アーティファクト全振り

  • 内受容感覚は鍛えることができる。座るか横になり、呼吸を整えて意識を落ち着かせた後、足の爪先から順に体の各箇所に意識を移動させて、体の中から湧き上がる感情にできるだけ細かくラベル付けする。これによって、感覚が身体的方向舵として効果的に機能するようになり、日々の生活で下す多くの決断を機敏に舵取りできるようになる。

    動きながら思考すると、人間が持つすべての能力を発揮することができるため、知的能力が必要な作業をする前に、活発に体を動かすとよい。情報を動きに関連付けると、同じ動きを再現することによって思い出しやすくなる。

    人間の脳や体は屋外で生き生きと活動するように進化してきたため、自然の景観は心を活気付ける。観葉植物も注意力や記憶力を向上させ、生産性を上げる。自然の光の微妙な変化は注意力の維持に役立つ。

    人間は社会的に思考している時が一番深く考えることができる。第一子は、弟や妹と比べてIQが平均で2.3ポイント高い。家庭生活において下の子供に教える経験が反映されていると考えられる。

    人間は、他人から騙されたりしないように進化してきたため、自分の主張よりも他人の主張に対して批判的な分析を行うことができる。人が互いに尊重し合いながら口論する時、深い学びと堅実な判断、革新的な解決法が生まれることが多くの研究によって示されている。議論に参加すると、自分の主張を組み立てるだけでなく、相手の主張を評価する立場の立場にもなるため、利己的な確証バイアスに曇らされることのない客観的に分析ができる。

    人間は説明的な文章よりも物語の形で示された時の方が、そのストーリーを自分の身に起きていることのように経験できるため、注意深く耳を傾け、理解し、より正確に覚えることができる。

  • エビデンスベースキュレーション集。
    目次を見てためそうと思えるものに出会えたらOK。
    ChatGPTを使いながらエビデンスベースを集めたり思考するのに向いている。
    知っているものも知らないものも、そういう可能性もあるんだなで捉えるとよさそう。
    脳の外とあるように人間の固体の外にある体から関係性までを探る内容。

  • 身体が出すシグナルに敏感なトレーダーの成績が良かったり、言葉が出てこない時にジェスチャーが先回りしたり、今まで「無意識」と捉えてきた身体が思考に影響を与える現象を科学は明らかにしつつあるらしい。

    そうならば逆に思考を高める身体の扱い方を明らかにしようというのが本書のテーマのひとつで、瞑想で身体からのフィードバックへの感度を高めるのは効果がありそうだと思った。

    また、「一人で考える」と「グループで思考する」に相入れない点が多くて、両方を満たす職場環境の実現は難しそうだ。
    人目が気になると知的リソースが消費され一人で考えるパワーが減るけれど、グループで議論すれば全ての流れを一人で把握する必要がなく議論の内容に集中できる。
    テレワークでは一人で考え、出社時にグループで議論し考えを深める、というハイブリッドが良さそうだ。

  • 内受容感覚
     無意識からの信号
      心拍、呼吸、震えなど現れる
      マインドフルネスで鍛える
       ボディスキャン
        手足の指先から意識を移していく
         注意がそれたらそれまで意識していたところから再開
        呼吸、心拍にも集中
       感情ラベリング
        自分の感じていることに名前をつける
         回数を重ねる
         細かく描写
        認知的再評価
         緊張をワクワクと捉え直す
       シャトリング
        意識を体内、体外の出来事の間を行き来させる
     内受容ジャーナル
      決断事項の簡単な説明
      様々な選択肢を考えた時の体内の感覚を詳細に
      どの選択をしたか、その際の感覚はどうだったか
    動き
     動きが集中力などを向上させる
      低強度の身体活動
       集中力や実行機能向上
        ウォーキングしながら
        スタンディングで
        体を揺らす
        ものをイジる
      中強度の運動を中程度の時間
       運動中及び運動後の考える力が向上
      激しい運動
       クリエイティブな思考の助けとなる可能性
        過度な認知負荷がアイデアを呼び起こす
     動きが記憶を想起する
    ジェスチャー
     象徴的ジェスチャーは言語化されていない概念の助けとなる
     空間的認知の助けともなる
    自然環境
     心を活気付けてリフレッシュさせる
     自然に触れることで反芻思考からも抜け出せる
      ネガティブな考えを繰り返してしまうこと
       うつ病はネガティブ思考にリソースを割かれて記憶にも影響が出てくる
      緑豊かな自然でのウォーキングなど
     集中力も高まる
     注意欠陥や多動性障害の症状改善も
     オープンモニタリング
      好奇心を持ち心を開き判断は下さない
     ReTUNE
      最短経路ではなく自然の多いルートを提示するアプリ
      聴覚的、視覚的な自然らしさに基づく回復スコア
       色相のバリエーションが少ない
        彩度が高く混じり気がない
       曲線的な形状が多い
       へりが集まりがち
        重なり合った木の葉
       光は動きがあって拡散
       動きは優しくリズミカル
       音は穏やかな音量で変化
       知覚的予測可能性と余剰性
        余分な繰り返し
         フラクタル模様
          1 3-1.5の中間域のフラクタル
        考える力も向上
     屋内の植物も効果あり
      自然的な要素も
       鉢植え、竹でできた床、緑と川が見える間取りなど
      自然光も
    空間
     オープンな場
      コミュニケーションを促進
       オンラインでは代替できず
      音が邪魔に
       話し声などに気を散らされる
        会話の片方しか聞こえない時は特に
       音楽も認知負荷となる
      視線が邪魔に
       他者からの視線を感じることが認知負荷に
        目を閉じると認知的パフォーマンスが向上
      知的負荷が高いと
       ステレオタイプや認知ショートカットに頼る
        バイアスの影響を受けやすい
      他者を意識すると
       独創的なアプローチを取りづらくなる
        失敗などを気にする
      自分の場所だと思うとパフォーマンスアップ
       ホームアドバンテージ
       自分らしいものを飾る
      コミュニケーション
       問題発見のための事実集めでは有効
       解決法の模索では過度な協力は弊害に
     オープンな場とともに集中ルームも用意する
      オープンな場とプライベートな場を使い分けられる環境
     環境についてはステレオタイプをなくすのではなく多様化することが重要
     心理的なインクルーシブなデザイン
      参加のハードルを下げる
     非場所
      無個性で刺激を与えない場所
       インスピレーションは得られない
    アイデアの空間
     空間学習
      場所に紐つけて覚える
     場所と感情を紐つけて覚える
     情報やアイデアを物理的に記録する
      コンセプトマップ
       事実とアイデア、関係性を図示
     大きなディスプレイ
      周辺視野も有効に活躍できる
      開いておける情報が多いので空間的に把握しやすい
     日誌
      頭の中の作業をメモに
       気になったこと
       考察
       疑問点
       イラスト
     アイデアを出す場合
      批判はなるべく後にする
      手を動かしながら考える
       コンセプトマップ、概念モデルを更新しながら
    模倣
     自分の課題を特定
     似たような課題に対応した事例を探す
     そのエッセンスを抽出する
     応用して自分の課題に適用する
     
     写経が重要
     
     教える際には
      手順を分解
      要点、特徴を大げさに
      整理術も伝える

    アクティブラーニング
     社会性に関する人の特性を使った学び
      仲間と議論して学ぶ
       人を相手にする時の方が脳が活性化する
       教えることは
        学習効率を上げる
         幼児は反応してくれる人から多く学ぶ
        自己肯定感、モチベーションアップ
        コミュニティ醸造
       家族に学習内容を教える
        子供とのコミュニケーション
       自分より他人の回答に批判的に
        自分の回答もそうと認識していない場合は批判的になる
       対立、物語は興味を惹く
        教える際に対立項目や物語を提示
     議論
      目標をすり合わせた上で議論する
       目指すべき方向性
      互いを尊重しあいながら議論する
      論破を目的としない
       自分の意見を主張しつつ、相手の意見の良いところも探る

    社会的分散認知、集団思考
     行動の同時性が認知の同時性を高める
      同調した動きをすると協力的に
       ミラーリング
        ラジオ体操なども
      神経の同時性
       一緒に深く思考すると脳の活動パターンが似てくる
     集団でいるほうが注意やモチベーションが高まる
      より深く学びしっかりと覚える
       共同注意と認知的リソースの集中
     メンタルモデルの重複を増やす
      効率的な課題解決に
       私達という意識
     帰属意識がモチベーションアップに
      ラポール
       心が通い合った状態
      対面で同じタイミングで
        学ぶ
        トレーニングを受ける
        感じる
         感情の共有
        儀式に取り組む
         食事する
       サイロエフェクトが低下
        脱出ゲーム
         ケーススタディに共同で取り組む
        コミュニティミーティング
         今の気分は?
         先週学んだ一番重要なことは?
         今週の目標は?
         今一番感謝していることは?
     集合知
      会議の参加者は貢献できることを発言
       文字で書いてもらう方がハードルは低い
        付箋などを使ったブレスト
      リーダーは自分から意見を言わない
      相手の言葉を復唱し言い換えて詳細を述べる
      共有アーティファクト
       タスクやゴールなどの見える化
        共有することが重要
      トランザクティブメモリ
       メンバー毎に担当する知識領域を決める
        何を得意とし、どの領域を担当するかなど
        調査資料などを役割分担毎に割り当てる
     
      

  • 内受容感覚
    意識だけに頼らない。マインドフルネスで鍛えられる。緊張は、ワクワク、と捉えなおす。

    身体を動かす
    ゆっくりウォーキングしながらのほうが脳が冴える=画像からがんを発見する率が上がった。
    動くことを許された子供の方が成績が良い。
    そぞろ歩きをしながらのほうが思考が進む。スピードを上げない。
    隙間時間は歩いて考察する。ランチ休憩、コーヒーブレイクなど。体を動かすブレイクタイム
    ランニング中は、一過性前頭葉機能低下=脳の空白
    ソローは一日4時間のんびり歩く。足が動くと思考も流れ始める。

    手のジェスチャー
    口ではなく手で会話している。高収入の家庭の子供のほうがじジェスチャーを使う。

    自然空間
    食べ物が多そうで安全な空間を好む。草原で木々があり水場が近いところ。美しいと思うのは食べ物がありそうで休憩ができそうなところ。
    最短距離を探すのではなく自然が多い道を通る。
    自然のフラクタル構造が落ち着かせる。絵画「ナンバー14」
    植物があると集中力が高まる
    何時間でも自然を見ると集中力や注意力が高まる=長短時間の回復機会=窓の外を見る

    建物の空間
    壁に囲まれた空間は心を拡張する画期的なツール=周囲を気にする必要がなくなった。
    コーヒーハウスは逆の空間
    修道院はアクティビティスペースと扉のついた防音の読書室、の両方がある。
    自分のアイデンティティや所属団体を表す何かがあるとパフォーマンスが上がる。自分の役割を強化する。

    アイデアの空間
    人間は場所と感情を紐づけて記憶する。
    空間と関連付ければ記憶力は倍になる。
    ディスプレイは、大きいほどいい。小さいと知的能力が枯渇する。ディスプレイへは、PCよりも投資は効率的。
    メモを取ると深く処理できる。DNAのらせん構造も手を動かさなければ生まれなかった。

    専門家の心
    徒弟制度は、学校制度よりも技術の継承に優れている。専門家の思考を見て学ぶ。模倣の効用。ビジネスも真似から始まる。素早い二番手が成功する。とはいえ、うまく模倣するには圧倒的な想像力が必要。
    ジョブスもゼロックスの真似をした。
    法律文書をかけるようになるには、サンプルを写すところから始める。

    仲間と思考
    人は人間関係について考えると賢くなる。人間関係を考えることは得意。
    教えると深く学べる=教える行為は社会的行為だから。
    物語があると正確に理解できる。

    集団で思考
    軍隊の行進は一体感と興奮を呼ぶ=筋肉の絆=ミツバチスイッチをオンにする。人としての結びつきが密接な集団では、個人との考えとは違う考え方になる。よりしっかり考えられる。チームで書いた論文が増えている。

  • 科学ジャーナリストによる、脳や心理の最新研究例を多く集約してまとめている。

    脳を効率的に活かすライフハックとしても読める。
    もちろん主旨自体も非常に示唆に飛んでいて読んで良かったと感じた。
    文字量が少なくないが、他の一般的な外国人の助長的な本と違って、内容も興味深い例も多い。

  • とても面白くて、喉が渇いた時にごくごく水を飲むように読み進めた。

    脳より身体が先にわかっているなんて!今ピラティスに通っているが、ピラティスや瞑想は身体のアンテナを研ぎ澄ませてくれると思う。

    人間の昔からのあり方に従って、従来無駄と思われてきたようなルートで脳と身体全部、むしろ自分と外側全部を使うという感覚に少しずつチャレンジしたい。

    お散歩も積極的に、携帯から目を離して、緑を目に映して自分の力を回復させるぞ!

  • 結局のことろ脳も身体の一部。そして身体があってこその脳なんだよね。
    脳の外て考えるというのはとても大事でこの本ではその重要性がわかりやすく説明してあります。
    とても良質な本。おすすめです。

全18件中 1 - 10件を表示

アニー・マーフィー・ポールの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×