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- Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478200285
感想・レビュー・書評
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世界で牛肉食がどれだけの問題を生じさせているかをまとめあげた大著。
現在、世界でとれる穀物の三分の一が牛の餌として使われている。人類の五分の一が飢えている状態にも関わらずだ。一方で飽食により先進国では健康問題が深刻になっている。
なぜこの様ないびつな牛肉文明ができあがってしまったのか。この本のすごいところはそれを説明する為に古代までさかのぼり、人類と牛の関係史を紐解いていくところだ。自然の恵み、宗教的な対象として”屠られていた”牛は、いつしか神聖さを失い財産となり文明の象徴として森林や第三世界を侵食する役割をになってしまう。確かに、なぜ西部劇はカウボーイが主役なのか、なぜブラジルなどであれほどジャングルを大規模に焼き払うのか、よく分かっていなかった。これらの問いの答えは牛肉食にあったのだ。
この本ではなぜ牛肉食に人類は傾いてしまったのかの心理学的、文化的考察についてもふれられている。
この本を読み終えて、私は牛肉を食べることを止めると誓った。
環境問題、食糧問題、そして貧困問題を考える上で、牛肉文明とこの本を避けることはできない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
分類=食生活・肉食。93年10月。
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