ライブドア監査人の告白

著者 :
  • ダイヤモンド社
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478312216

作品紹介・あらすじ

真実を知ったときは、手遅れだった。当事者である会計士が、粉飾の経緯とカラクリ、そして監査制度の限界を告白。

感想・レビュー・書評

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  • 基本的なルールに対して、厳格な人らしい著者は、
    すくなくとも 信念を持って 対処しようとしている。
    ライブドアと言う 一見奇妙な会社に 
    監査人として、サインをすると言う業務を実行する。
    2004年7月、港陽監査法人に入社。
    2005年9月期からライブドアの監査責任者となる。

    不確かなものに対しては、サインをしないと言う選択と
    監査人をやめると言う方法があるが、
    やめるが 一番のベターな選択肢だと思っている。

    ライブドアが問題とされたのは2点。
    「風説の流布および偽計取引」
    →架空取引による利益を積み上げる。
     30億円で、子会社からのシゴトを受けたようにした。
    「有価証券の虚偽記載、いわゆる粉飾決算」
    →ファンドを使って、自社株を販売して利益を上げる。
    総額は 上記の架空取引と合わせて 53億円。
    筆者は、このからくりを 盗み見して 見つけたと言う。
    それで、堀江貴文、宮内亮治に ファンドの解散を要請するが
    時は、遅すぎたのである。

    粉飾決算は、倒産しかねないと言う窮地に追い込まれた会社がおかすものだが、ライブドアは 実質的に有利子負債 ゼロの会社が 粉飾決算をした事例は始めて。
    利益を50億円あげると言う 堀江貴文の目標と
    株価の上昇を維持しなければならないことと
    「株価総額」にとらわれていたことが 要因。

    結構 スリリングな 切り口でのアプローチと
    会計の手法について、やさしく説明してある。
    買収した会社の税的手法 プーリング法とパーチェス法。
    株式交換による買収をどう評価するのか?

    ライブドア事件の何が問題なのかが、よくわからなかったが
    時代の変化に対応した、先進的な粉飾決算だったということですね。

  • ライブドアの監査人を務めていた田中氏が事件を振り返って語る独白。一言でいうと、自分は悪くない、すでに手遅れだった、だ。監査人ができること、できないことを知るには良い本。

  • 物語としてのおもしろさには欠けるが、監査視点の粉飾現場が勉強になる

  • ここまで内情を暴露するなんて。非常に興味深く読んだ。それにしても、筆者に対する検察の捜査終了が3月で、この本の出版が5月とは?とか、正しいことをするために、盗み見という正しくないやり方をしちゃうのか、とかもやもやしてたら、この本を出版したことで懲戒処分され、似たような案件で逮捕されたとのこと。この本の信憑性もどうなんだか。

  • ありのまま、臨場感を持って書かれていたのはとても良かったんだけど、
    結局この人は疑惑を持っていながらもそれを納得いくまで突き止められなかったし、それが監査人の限界だと。
    実情知れたのが良かった。

  • ☆$$面白くないし、難しい内容であったが、$$当時の雰囲気は感じた。逆に$$ライブドアの錬金術は素直に凄いと思った。$$違法は問題だが、知識は武器になると感じた。$$スキームの詳細は正直イマイチ分からなかった。

  • 責任に時効なし

    1999年から2006年1月にライブドア事件が起きるまで、同社の監査を任されていた港陽監査法人の公認会計士

  • ライブドア事件を単純に批判するだけではなく細部まで知っているからこそ書けたものと思う。

    個人的には興味深く面白かったが、クライアントとの守秘義務とかって大丈夫なのか??といらん心配をしてしまった。

  • こちらはライブドアの会計監査人だった監査法人の担当者だった田中氏によって書かれた手記です。監査人の正義を説く内容で、ライブドア事件を時代の徒花的に捉えているように感じます。監査人として例の時間外取引による電撃的買収、投資事業組合を使った株式交換による自社株買いスキームなど、非紳士的行為として書かれているようにおもいます。会計監査人として正しい姿勢だと思います。
    その手法についてさすが監査人で詳しくかつわかりやすく書かれている良書だと思います。

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著者プロフィール

田中 慎一(西南学院大学法学部准教授)

「2022年 『スタンダード商法Ⅱ 会社法 〔第2版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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