- Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478350447
感想・レビュー・書評
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1分間マネジャーシリーズ(シリーズなのか?)の一冊。
俺にとってはイマイチだった。
利益最優先で行き過ぎる経営方針を変えよう、という話。
なぜかと言えば、昨今のコンプライアンスもそうだが、単に良い製品を売るだけでは競争に勝てなくなってきたから。
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「いま、事業の成功はすべてサービスにかかっています。品質に優れた製品が無ければ生き残れないのは紛れもない事実です。(略)にもかかわらず、現代のビジネス社会では、品質や価格などはもはや競争の武器ではありません。単にマーケットという競技場へ出場する資格を得るためのものにしか過ぎないのです。」
「サービスこそが武器なのです。サービスとは人に関する事柄、つまり人との関係の事です。なかでも顧客と従業員という二つのグループとの関係がもっとも大切です。今日では、顧客と従業員に対する約束を実行しなければ、破局への道をたどることになりかねません。」p46
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そのために以下の三つをベースに、会社の使命、目的、もっとも価値を置くものを設定する。
いわゆるミッションステートメントだが、ちょっと変わっているのが、つまり面白いなと思ったのが、そのミッションステートメントに対して以下の質問を、社員に対して投げかけてチェックをするというもの。
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・この使命と価値は、会社へのプライドを高めることにつながると思いますか?
・この使命と価値は、組織全体にわたって日々のコミュニケーションと意思決定を行う際の基準になりますか?
・この使命と価値は、ヒト・モノ・カネなどの経営資源の再配分、仕事や人間関係の問題を解決するための新しいルール作りの指標になりますか?(p59)
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そうして決めたミッションステートメントをもとに、
「価値による経営を行っている会社には、ただ一人のボスしかいない。
価値のみが、全社員のボスである。」p56
と設定する。
意思決定の際に、ミッションステートメントが基準となるわけ。
俺の会社でも、とりあえず会社のモットーみたいなのは決めているが、このように積極的に意思決定のツールとして使用しているのは珍しいし、難しいと思う。
それだけにきちんとやっていることに驚いた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「幸福な企業」がよりどころとするのは、価値による経営。彼らは組織運営の基盤となる使命と価値を明確にし、それを組織の隅々にまで浸透させているとのこと。なぜならば、価値こそが集団を一つにまとめ、目標に向けての達成意欲を高めるものだから。価値による経営を実践することで、顧客をひきつけ、従業員に働く息吹を与え、株主には誇りを抱かせ、取引先との間に強固な絆を築くことになると本書は説きます。
10年前の古い本ですが、未だに多くの企業に欠けている要素を鋭くついていると思います。訳の問題か、原書そのものの例示の仕方が悪いのか、多少理解をしづらい部分もありますが、十分読む価値のある本です。同類の本だと、”ザ・ビジョン”がこの考え方を更にブラッシュアップしたものだと思うので、そちらもオススメです。