- Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478360712
作品紹介・あらすじ
「えっ、私がですか」「君ならやれるよ。いや、開発センターを大きく変えるには君しかいないと思っている。マーケティングを変えたようにね。二年で変えてくれ。その後は、またマーケティングに戻ってもらうから…」マーケティング部門のリーダーだった黒沢涼子が、畑違いの製品開発センター長に抜擢される。はたして専門知識面でも、年齢でも自分を上回る男性の部下を率い、組織を変えることができるのか…。ストーリーを楽しみながら、人と組織を動かし、自分が変わるファシリテーションのスキルとマインドが確実に身につく。
感想・レビュー・書評
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2004年発行とかなり古い本だが、最近読んだ本で参照してあったので図書館で借りたような。
経緯はともあれ、時代設定は古かれ、人間の本質はあまり変わらないので、組織慣性あるあるの課題に対して、若きビジネスリーダーが如何に立ち向かうか、というこの種の本の定番設定だったので、安心して読めた。
フレームワーク自体は、どこかで聞いたことがあるような、というものが多くて、目から鱗系のネタはないものの、如何に実践するか、という点で参考になる点多々。
主人公のような30代のバイタリティ溢れる女性上司に50代男子が仕えるのも今風でよいかも。
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20200601
ファシリテーション協会の第一人者が書いた、ファシリテートについてストーリー形式で語られている本。
日本では馴染みのないファシリテーションだが、組織を活発にし、個々人が創造的に動き出すことを促す点で非常に重要なスキルである。自身は率いるリーダーというよりかは、周りを活かしながら進めるリーダーに近いと感じるため、このようなファシリテーションスキルは磨いていきたい。
最後にあとがきで書かれたクエスチョンへの回答を持って、更なる研鑽を積むこととしたい。
1 成功する。閉じている組織だからこそ、活発化のホワイトスペースはある
2 偏見を無くすために役立った。私の場合、バックグラウンドや内面を素早く知ってもらい、快活だが深く思考する点もあることを示すのに使いたい
3 周りと共創するのがファシリタティブリーダー
4 動機は自身で持ち、感性は否定されず保てる、論理はしっかりと確認・修正される
5 会議の場合はその会議での目的を達成すること、組織変革は組織を変える大目的を持ち、戦略的にアクションを検討していくこと
6 目的に繋がる論点=ファンクションを束ねる役
7 アクションの勢いを付ける。オーナーは勢いやアクションの火種に敏感になり、嵐を起こすのに助けを行う
8 触媒となり組織に意識を伝播させる。ボトムアップのテロリスト的活動を活性化
9 ソフトな組織の情報を還元して、行動を促す
10 前に進んでいる達成感。実行する際に基準を設けることで達成の進捗度とインセンティブを設計
11 客観的ファクトの整理、考えや示唆の整理、アクションの整理
12 目的→論点→行動に繋がる示唆という構造を意識
13 会議それ自体の設計を行う。目的と論点は何か、着地点は何か、話し合ってほしいアクションは何か
14 ビジネスマン全員に必要
15 ゴールを打ち立てて、ギャップの洗い出しでアクションを設定する。誰かと共有すること、達成基準を設けることで達成に対するモチベーションを高める
//MEMO//
ファシリテーションスキルを深めるために読む。現在学んでいるスキルとして、会議の着地目的、着地アウトプットを定めてどのように進めていくか、それを自分の中で突き詰めて身につけたい。
ファシリテーション=人と人のインタラクションを活発にし、創造的なアウトプットを引き出すもの
効果
①アクションオリエンテッドな風土、コミュニケーション
②自らも変わる
リーダーズインテグレーション
タックマンモデル
フォーミング→ストーミング→ノーミング→アンド・パフォーミング
ワークアウト
オンブズマン制度
ジョハリの窓
自分、他人から見て分かっていること、分かっていないこと
ストレッチゴール
SWOT分析による目線統一
チャンクアップ、ダウン
パーキングエリア
チームとして活躍
・恥も外聞もなくトークストレイト
・コミュニケーション
・信頼
Wowを作る
ファシリタティブリーダー⇄ディレクティブリーダー
アウトオブボックスシンキング
フォースフィールドアナリシス
グランドルール
ダッシュボードメトリックス
→ギャップアナリシス
ニュースペーパーテスト -
物語 ストーリー仕立てで、自然に頭に入ってくるので、すぐ読め終えられる。自己啓発本読むより内容充実、実践できる。
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仕事上ファシリテーションに接する機会はないが、興味があって購入した。
ファシリテーションとはどのようなものかをストーリー仕立てで説明している。
正直言って、ビジネス用語に疎い私は、カタカナ語のオンパレードに「日本語で話してくれ」とひたすら懊悩していた。
ビジネスって、そういうものなのだろうか。
また、様々なファシリテーションのテクニックが披露されているが、ストーリーのような断片的なものではなく、体系的にまとめられたものの方が分かりやすいと感じた。 -
ファシリテーションを通じて組織改革を行う物語。
とても面白かったです。
ファシリテーターは会議を効率よくまわす人と思っていました。本書ではファシリテーションスキルを活用し、人を動かし、組織改革を行う物語となっています。
前半は製品開発センターの組織改革、そして物語の後半は会社の組織改革といった構成です。
物語的に面白いのは、主人公の女性が会社の組織改革のファシリテーションで十分な結果を出せないこと。順風満帆にいかないところがリアルさをかもし出しています。そんなところから、スキルが云々ということではなく、まさに自分がその組織の中で会議や組織改革に参加してるリアル感を感じられます。
組織改革というと日産の話を思い出します。そのときの話は、クロスファンクションチームCFTを作ってとかいった何をしたというWHATがメインな感じがしますが、本書では、それをどのように導き出したかといったHOWの部分が語られているイメージです。
ファシリタティブなリーダシップを発揮して、どのようにして人を動機付け、問題を見える化し、行動に落としこんでいくか、そしてそれを続けるかということが、物語を通して、わかりやすく具体的に書かれています。
なので、この物語で最終的に導き出されている改革のアイデアは正直いまいちな感じがしますが(笑)、それを導き出す過程がとても参考になります。
本書ではファシリテーション含めて、さまざまなスキルが出てきます。残念ながらすべて覚えきれません..(笑)。216ページにファシリテーションの道具箱としてまとめられています。
しかし、所詮はツール。そのツールを使ってどうするかがポイント。そのツールを使ってアウトプットを出すことが重要です。それをファシリタティブなリーダとして、定義しています。
ぐいぐい引っ張っていくようなリーダをディレクティブリーダ、意見を引き出し、よく聴き、触発してチームを引っ張っていくリーダをファシリタティブリーダとしています。
ファシリタティブリーダ、あこがれます。格好いい!
#いや、主人公が女性だから影響を受けているわけじゃなくて
とてもお勧め。 -
この本を読んでよかった。
正直、ファシリテーションを少しは分かっていて出来ているかなとは言わないけれど、こんなに奥が深く、いろいろできるとはね。
教育現場での活用、新規事業を考える場面、事業再生を検討するシーンでファシリテーションスキルを身に着けているとスピードも深さも増すだろうなと感じた。
他のフレームワーク同様、ツールを知っていても意味がなくて、ゴールが何かを意識し、どう導いていくかが重要だな。 -
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「メタ認知」の視点を肌で感じられたことが一番の収穫。
場のメカニズム、参加者の心の持ちよう、自分自身の心の揺れまで、
表層的な言動+コンテキストのダイナミズム+個人の哲学。
あらゆるレイヤーを認識しながらゴールを目指していく。
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場の空気を読もうとしすぎる、という特徴も、
ファシリテーターとしての持ち味にきっとなりうる。
場に働きかけられる強さと一体であれば。
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図書館で借りてきたけど、買う。手許用に。絶対買う。仕事に行き詰まった時に読み返すと一番効果があると思う。同様の用途・効果を期待できる意味でも、同じ出版社、似た装丁の『ザ・ゴール』との併読を強くお勧めしたい。
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恥ずかしながらファシリテーターという言葉はこの本で知りました。
会議における只の進行役ではない、参加者の意見を吸い上げ、
活気のある実のある会議にする為に必要なファシリテーターと言う存在。
会議に留まらず、日々の業務に於いて会社にとってのファシリテーターも
必要だと強く感じました。
内容は小説形式になっており、とても読みやすく、ファシリテーターの役割
が良く分かるようになっております。内容もドキドキしながら主人公に
感情移入しながら読むことができるので、本自体は分厚い目なのですが
一気に読破することも可能かと思います。
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前半は良かったです。
ただ後半に進むにつれ、言いたい本質は理解するものの、現実的にそのやり方はちょっとな感じがしたのと、全体のストーリー、設定も20年代に読むと時代を感じますね。書かれた当時の時代背景を知らない若い人が読んだらどんな印象なんだろう。