ザ・ファシリテーター2―理屈じゃ、誰も動かない!

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478360958

感想・レビュー・書評

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  • 20200821
    前回の『ザ・ファシリテーター』の続編となり、引き続き黒澤リョウと、新たにMBA時代同期の深山の2人の視点から、会社組織を戦略的に変えていくアクションラーニングおよび、その伴奏的スキルであるファシリテーションを解説している著作である。
    ファシリテーションの実践的な学びという内容もさることながら、物語が非常に面白い。人間味あふれる社内政治や、若手の生き抜くための焦燥感などを、ストーリー形式で学べるのが非常に良い。リョウも最後はハッピーエンドで終わるのも良い結びである。
    ファシリテーションの内容については、前作の解説で詳細に感想を述べているが、今作でも感じたことは、チームメンバーを導きつつ、自身も離れない目線でチームを牽引する能力が求められるという事である。多種多様なソリューションが求められるグローバル社会においては、独善的な判断だけでは立ち行かないし、一方でスピードと結果も相当に求められる競争時代であり、発散した意見をグッと引き締め手綱を締めるというコントロール力が、ファシリテーターには必要になるのである。
    ファシリテーション能力=価値のある伴奏者となり得るかについては、コンサルタント必須のスキルであるため、日々スキルの向上、自身のプロセスの見直しを図り、成長に繋げたい。

    //MEMO//
    ザ・ファシリテーターの続編で、応用編で楽しみである。
    ただ単に会議進行の技術=理屈に留まらず、共感をいかに引き出すか、ストーリー形式で頭に叩き込みたい。そのスキルを実践していく

    ・研究(=技術の耕作)と開発(=ビジネス)
    ・アクション型ラーニング=コンサルタント外部に頼ることなく、自身で考えフィールドワークで経験し、案を練る
    ・共感を引き出し、アクションを引き出す

    変革ファシリテーターの要件
    ・高い目的意識
    ・楽観力
    ・システム思考力
    ・変革のプロセスに関する知識と経験
    ・前向き
    ・未来志向
    ・外向き
    ・行動力
    ・自分たちを客観視する力

    情報とコンテクスト

    ファシリテーション
    ①プロセスをデザインする
    ②触発する、かみ合わせる
    ③場をコントロールする

    ・グッドコップ、パッドコップ

    ・製品のニーズ→FRCPの順番(fanctionality,Reliablity,Convenience,Price)

  • ストーリー仕立てなので読み解きやすい。

  • 【概略】
     それは「研究」なのか「開発」なのか?メーカーが世界を相手に生き残るにあたり、マネジメントと商品開発、投資・コストカットといった数々の問題を、関わる全ての人間に対し、理屈だけではなく響くような「整え方」が必要となる。本書ではメーカーの合併・商品開発・事業展開といった各種シーンにおいて、ファシリテーションの技術が、いかに周囲を巻き込んでいくことができるか?をストーリーに落とし込んだ形で示している。

    2021年03月06日 読了
    【書評】
     「ファシリテーション」というものに関連したお話をしないといけなくて、そして以前からファシリテーションに興味があったということもあり、手に取ってみた。ちなみに「1」は未読。「1」から読めばよかったかも。
     Kindle 版で読んでみたけれど、これは書籍として手に入れたい。様々なファシリテーションに関するアプローチを、ストーリーを通じて紹介してくれてるから血が通っていて凄く近い距離感で理解ができたなぁ。
     「解けない問題を解ける形に変換する」という発想であったり、十分に発散してから、収束しはじめる、といったブレストの下敷きのような感覚、凄く有益に感じた。そして、なぜファシリテーションとワールドカフェとの相性が良いのかも、本書を読んで理解できた気がする。対話をすることで(良い意味で)色々と「からまっていく」のだよね。自分事と自分事が、うま~く・・・まるで青の静脈と赤の動脈が交わるみたいに。勝ち負けじゃなく、どう発展させるか・・・だから「対話」なんだよね。
     自分の中で勝手にファシリテーターのイメージを持っていて。なんというか、田原総一郎さんやラリーキングみたいな・・・。でもどちらかというと、無色透明な感じで、闊達な対話を促す触媒のような・・・そんな立場なんだねぇ。ますます興味深い。
     近い将来、ファシリテーションに関連する団体に、入ることになるだろうなぁ(笑)
     参考図書のところにトーストマスター仲間で敬愛する大嶋さんの著書があった。こちらも読んでみよう。

  •  単なる知識提供ではなく物語の中で紹介されていくので腹落ちしやすい。よくある勘違いや思い違いも登場人物が読者に成り代わって言ってくれるので正しい知識となりやすい。
     この物語どおりにはならないしここまで覚えて置く必要はない、関係ないとする言い訳はいらない。なぜならば筆者はGE出身でありGEではこれを使いこなすことが当たり前の文化があるからだ。時価総額が大きいままなのも組織活性の一要素としてのファシリテーションが効いているからだと思う。

    ●アクションラーニング(P.49)

    ●クロトンビル(GEの研修センター)(P.54)

    ●コミュニケーションのモード(P.79)
    ・口論
    ・ネゴシエーション(交渉モード)
    ・ディベート
    ・ディスカッション
    ・ティーチング
    ・プレゼンテーション
    ・カウンセリング
    ・インタビュー
    ・ダイアログ
    ・振り返り

    ●変革ファシリテーターの要件(P.84)
    ・高い目標意識
    ・楽観力
    ・システム思考力
    ・変革のプロセスに関する知識と経験
    ・前向き:対立のエネルギーを全身の糧に変換する気力
    ・未来志向:過去にこだわらない
    ・外向き:顧客志向
    ・行動的
    ・自分たちを客観視する力

    ●ファシリテーションとは(P.96、図表9)
    ・プロセスをデザインする
     ↓
     +触発する/噛み合わせる+
     +場をコントロールする-+
                 ↓
             行動の変化
     ※実際には三角形

    ●ファシリテーション演習の段取り(P.104、図表13)
    1. ファシリテーターを決める
    2. ファシリテーターはペンを持ち、●●(例: 要素技術マッピング)をリードする
    3. つまり、メンバーの思考が●●にもれなく、重複なく反映されるようにする
    4. ファシリテーターは自分の意見や特定の人の意見に偏らず、グループの思考を反映するように工夫してマッピングする
    5. メンバーは、●●を自分の思考スペースとし、それ以外の思考を排除する。思いついたことは遠慮なく、率直に述べ、極力●●に反映する。ただし、仮設と事実は峻別する
    6. ファシリテーター以外に、もう一人プロセスの観察者を選ぶ。プロセス観察者は、議論のプロセスを観察し書き留める
    7. 関係のないアイデアが出てきたら、別の紙に「パーキングエリア(PA)」を用意して、そこに書き留めておく

    ●プロセス観察のポイント(P.105、図表14)
    1. グループの思考パターンを観察する
     ・視野が狭く偏っていないか
     ・答えの出ない議論に陥っていないか
     ・抽象論に終始していないか、など
    2. どんな『困ったチャン』が出てきたか
     ・自分の意見を押し通そうとする人
     ・遠慮して言わない人
    3. それに対してチームはどう対処したか
    4. ファシリテーターはプロセスをリードしていたか
     ・進め方は論理的で納得感があったか
     ・「困ったtチャン」対応は適切だったか

    ●PREP法(P.163)
    ・P(point): 結論
    ・R(reason): 理由
    ・E(example): 事例
    ・P(point): 結論

    ●代表的なファシリテーションのフレームワーク30(P.294、図表30)
    01.モア or レス
    02.プロ vs コン
    03.優位性 vs 劣位性
    04.過去 vs 未来
    05.制御可能 vs 制御不能
    06.マインドマッピング
    07.SWOT分析
    08.期待と課題のマトリクス
    09.フォース・フィールド・ダイアグラム
    10.ペイン・プレジャー・マトリクス
    11.プロダクト・ポートフォリオ・マトリクス
    12.ステークホルダー分析
    13.プロセスマッピング
    14.FRCP
     機能: Functionality
     信頼性: Reliability
     利便性: Convinience
     価格: Price
    15.SCAS
    16.オポチュニティマッピング
    17.要素技術マッピング
    18.ニーズマッピング
    19.フィッシュボーン(石川)ダイアグラム
    20.リスクアセスメントテーブル
    21.ペイオフ・マトリクス
    22.ダブルペイオフ・マトリクス
    23.ゴールツリー
    24.ディシジョンツリー
    25.パーキングロット
    26.パレートダイアグラム
    27.ニュースペーパーテスト
    28.リーダーズ・インテグレーション
    29.4W1H
    30.親和図・KJ法

  • 2年半ぶりで再読。今回はオーディオブックで。「1」に比べて実践的になっている分、個別性が高くなっていて汎用性は減っている。どちらも繰り返し読むとスルメの様に味が出てきそう。

  • 自分の仕事に何か活かせないかと思い1に続き購読。

    ファシリテーターは、リーダーにもなるし、サポーターにもなるし、コーチにもなる。
    いずれにせよ、目的を達成するためにあらゆる手段を使って、皆を議論のゴールに導く役目と理解。

    議論では色んな意見が出てきて発散したり収束したりする中で、揺るぎない目的意識を持つことが重要だと感じました。

  • 今回も、大いに勉強になりました。森さんのサインもゲットしたし:-)

    ラスト、ああいう展開とは!

  • "企業買収された方の会社をいかにまとめあげるかという難しい課題に挑む主人公を通じて、いかにして主体的に多くの意見、アイデアを出し実行施策に落とし込むかを描いている。
    実際のビジネスでも同様のシーンは多々あり、非常に参考になる。関連する書籍が掲載されていたので、興味のあるものを備忘のため転記させていただく。

    ・イノベーション経営 放送大学教育振興会
    ・選択と集中の意思決定 東洋経済新報社
    ・文化を超えて 阪急コミュニケーションズ
    ・部分と全体 みすず書房
    ・モチベーション 生産性出版"

  • 図書館
    挫折

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著者プロフィール

[現 職] 京都大学人文科学研究所教授
1947年奈良市生まれ。1974年京都大学大学院博士課程(東洋史)中退。同年京都大学人文科学研究所助手。愛知大学法経学部助教授、京都大学人文科学研究所助教授を経て、1995年より現職。
[主要編著書] 『中国近代化の動態構造』(編著、京都大学人文科学研究所、2004年)、『中国近代綿業史の研究』(京都大学学術出版会、2001年)、『中国近代の都市と農村』(編著、京都大学人文科学研究所、2001年)、「梁啓超の経済思想」(『共同研究 梁啓超』みすず書房、1999年)。

「2005年 『在華紡と中国社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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