説得技術のプロフェッショナル

著者 :
  • ダイヤモンド社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478490389

感想・レビュー・書評

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  • 1,説得技術のプロフェッショナル

    ■学んだこと
    プロローグ
    ・説得のテクニックだけでは、長期的関係を築けない。
     同時に好印象を勝ち取る事が大切である。
    第一章 自己説得のメカニズムとその効果
    ▼人々は、自分の意図とは逆の方向に相手が動かしてしまうことが多々ある。
    ⇒レクチャーよりも自己の判断に従うから。
    ▼自己説得の定義
    ・自分で自分を説得するように仕向ける事。
    ・他者の言葉ではなく、自分の言葉で自分を説得してもらう事。
    ▼効果的な自己説得とは
    ・質問を投げかけ、相手にする考えの「種」を蒔く。
    ⇒ポジティブイメージを勝手に考えだしてくれる。
    ▼聞く技術がもたらす効果
    1.レベル1⇒好感や信頼感を勝ち取れる。Ex.うなづき、「なるほど!」
    2レベル2⇒相手の本音を引き出せる。Ex.たとえば?、具体的には?
    3.レベル3⇒相手を説得できる。(相手を自分の望む方向に導く。)
    ▼自己説得の効用
    ・リアクタンス(心理的反発)を回避する。
    ⇒強制、命令されると、自分の自由が侵されたような気になり反射的に反発してしまう。
    ・モチベーションを高める。
    ⇒自己説得ならば、納得感、満足度が高くなる。
    ・クレームをなくす
    ⇒無理やり説得すると、必ず後になってゆがみが出てくる。
    ・日本文化にマッチする。
    ⇒欧米系のパワーゲームになってしまうと印象が悪くなる。
    ・相手を育てる。
    ⇒自己説得を繰り返していると、理由を自分で考えてから行動する習慣が身に付く。
    ▼自己説得のテクニックが身につかない理由
    ・存在自体が認識されていない。
    ・他者説得に頼ってしまう。
    ・自分のペースに固執している。
    ・自分が主体になってしまっている。
    第二章 情報収集技術を磨く
    ・説得、交渉のスタートを切るための大前提。
    ▼オープンクエスチョン、クローズドクエスチョンの存在。
    ・オープンQ=相手がどう答えるか決まっていない。(自由な発想を与え、会話が広がりやすいメリット。)
    ・クローズドQ=あらかじめ用意された答えの中から選択する。(相手の頭の中を整理したり、話の流れをつかんでもらう時。決断を迫るときに有効。)
    ※①オープンQは万能ではない。これから説得に入る初期の段階ではあまり、効果を発揮しない。
    ②クローズドQは相手から信頼を得ることができる。答えやすい質問を積み重ねる事によって、相手の求めている事を明確にしていく。
    ▼ビッグクエスチョンとスモールクエスチョンを組み合わせるテクニック
    ・ビックQ⇒質問が大きすぎて、答えることが難しい。
    ・スモールQ⇒受け取りやすく、答えやすい。
    ▼ソリューションを提供するテクニック
    ・相手から出た質問=話題を掘り下げる。⇒細かく具体的なテーマが出てくる。それに対して、具体的なソリューションを提供し、不安や悩みを解消する。
    ・キーワードに耳を傾ける。
    ⇒相手が話した事から、一つのワードをどんどん深めていく。
    ・意識的にリピートする。
    ⇒自分が持っていきたい方向の言葉を、意識的にリピートすることによって、テーマをそちらに引き寄せてく。
    ▼相手の本音を引き出すテクニック
    ・わざと大げさな質問をして、相手の本音を引き出す。
    ▼相手の質問を見抜くテクニック
    ・「何を聞きたいか?」といった質問をする。質問を返すことによって、相手の質問の真意を掘り下げていく。
    第三章 当事者意識を持たせる
    ・自分の問題と相手に認識させることで説得に導く。
    ▼インボルブする。
    ・相手をしてその議題に心理的に関与させるといった意味。
    ・人は「自分の問題だ。」と思わなければ動かない。
    ⇒チームであれば、自分も一員だと思わせれば、勝手に動き出す。
    ▼問題を提起する。
    ・「君はどう思う?」「君ならどうする?」で始まる質問をする。それによって、相手はその事について考えざる負えなくなる。⇒問題意識を喚起され、自ら動いてくれる確率が高まる。
    ▼重要性を認識する。⇒究極的には決定を正当化する。
    ・説得しようとする事柄を無視する、後回しするデメリット、導きたい方向と逆に進むことのデメリットを質問によって気付かせる。
    ※押しつけを回避する。
    リアクタンスが起こってしまっては、自己説得できない。気持ちよく「重要だ」と思えるような質問を工夫して投げかける。
    ▼ディスタービング・クエスチョン
    ・脅しに近い、ブラックジョークとも認識されかねない質問で動揺させる。
     ⇒あるテーマについて真剣に考えてほしい時の必須のテクニック。
    ※エクスキューズのセリフを加える。
    ・「本当に検討してほしい」というこちらの思いを表情、口調、ボディランゲージによって相手に伝える。
    ▼情報を小出しして話題に引き込む。
    ・相手に情報を少しずつ与えて「もっと知りたい」「もっと教えてほしい」と思わせ、思わず相手から、こちらに質問を投げかけてくるように仕向ける。
    ※価値をちらつかせた質問⇒広告手法としてよく、使用される。
    ▼集団心理を利用する。
    ・「他のみんながやっていますよ。」と言われると、自分だけ取り残されているような心理に訴えかける。
    ※他者を露骨に引きあいに出すと、不快感を与えかねないので注意する。
    第四章 決断を後押しする
    ▼フット・イン・ザ・ドア
    小さな要求をして、それを相手に受け入れさせ、徐々にお願いを大きくしていく。
    ※少しだけ高い要求をする事。高すぎればリアクタンスが起きる。
    ▼ドア・イン・ザ・フェイス
    最初に大きなお願いをしてわざとそれを断らせ、次に小さなお願いをしてそれを受け入れさす技術。※大きすぎる状態のまま、要求を飲まれてしまったらハードルを下げる配慮が必要。
    ▼アサンプティブ・クローズ
    相手が「受け入れる」という前提を勝手に作り、強引に話を進めてしまう方法。
     ※オルターナティブ・チョイス・クローズ⇒選択肢を用意してしまう方法。
    「仮に~~」といったワンクッション挟む。
    ▼デッドライン
    期限や締切を設定して、決断を促す。※相手自身に設定させた方が有効的である。
    ▼シャープ・アングル・クローズ
    鋭い角度で切り込んで、確約をとりつける。※「ここだ」と思った時には恐れずに切り込んでいく。
    第四章 満足感を分かち合う
    ▼話題を掘り下げて不安を解消する。
    ・相手が抱えている懸念、心配、疑問点を明らかにして掘り下げる。
    ⇒話を聞いてもらうだけでストレスや不安は解消される。
    ※「どんなことでもいいから言ってほしい。」というスタンスを持つ。
    ▼共感から信頼を築く
    ・話をまとめ上げたり、不安を明確にすることで、救いの手を差し伸べる。
    ▼ニュートラル・クエスチョンで押しつけを解消する。
    ・人は常に相手から良い答えが返ってきてほしいと望んでいるので、希望に満ちた質問(ホープクエスチョン)を投げかけてしまいがち。
    ・ネガティブ・クエスチョン⇒相手が100%満足していない、という前提で丁寧に聞いていく。
    第六章 質問を駆使した自己主張
    ▼アグレッシブ・クエスチョンの回避
    ・質問の形をとりながら、相手が答えることすらできない質問を投げかけない。
    ⇒自分が同じ質問されたらどういう気持ちになるかを念頭に置き、前向きな質問を投げかける。
    ▼自己主張から質問形に切り替える。
    ・「こう思いますが、いかがでしょうか?」というよう形を取れば、相手を立てながら自己主張ができる。
    ▼クオリファイヤーの活用
    ・「もしかしたら~~」「個人的な認識ですが~~」というような枕言葉を添えて、質問することによって、謙遜のニュアンスを付け加える。
    ▼「WE」を主語にした質問の仕方
    ・一体感や、サポート感を感じさせることができる。
    ▼コミュニケーションサイクルの効果
    ①共感する。
    ②話を深める。
    ③確認する。
    ④自分の意見を言う。
    ⑤投げかける。
    ※意見の賛同を得られなかったり、合意できなくても、実りある会話が出来たという結果を残すことができる。

    【実践できる事】
    ① 友人と会う時に、何かしらの提案考えて、実践の中でメソッドを活用してみる。
    ② 質問をした後に、その時の質問の種類を考えてみる。そして、その場面でどのような質問の仕方が良かったのか振り返ってみる。
    ③ 業務の中で、上司に提案する場面では、コミュニケーション・サイクルで回っているかを意識する。

  • あまりこういうジャンルの本は読まないんだけど、これは読みやすくて面白かった。
    人間の心には分類できないものがいっぱいあると思ってるし、だからそういう意味で心理学は苦手なんだけど、ビジネスの場においてはこういうことを知っていることは大切なんだろうな、って思った。
    共感する⇒話を深める⇒確認する⇒意見を言う⇒投げかける、のサイクルが大切だそうです。
    あたしは人の話が聞けないので、そもそも最初の段階で躓いてるわけだ。。。
    (06/02/28)

著者プロフィール

心理学者、東京心理コンサルティング代表

「2014年 『「中途ハンパ」は必ず直る!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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