いくつになっても脳は若返る

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478860557

感想・レビュー・書評

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  • 成長期に到達した後でも、人間の能力は向上しうる。

  • 人物像が類型化し、固定化されるところに差別が生まれる。その意味で、本書はエイジズム(高齢者差別)を打破する格好の書だ。老い(加齢)が多様で、可能性に満ちているかが、臨床時のエピソード、アンケート調査、脳科学の知見から裏付けられている。

    個人的には、「中年の危機」の主張が限定的な意味しか持たないことを述べた箇所が興味深かった。

    ・加齢に伴う精神的機能の低下は、加齢そのものではなく、ストレス、過度のアルコール、無気力、喫煙、肥満、栄養不良、社会的孤立が原因。
    ・脳のフィットネス:1.心理的達成感を伴う活動。2.肉体運動。3.やりがいのある余暇。4.一芸に秀でることでコントロール感の醸成。5.社会的な繋がり。
    ・人間の発達規則:1.自分自身をよく知ると、自分自身であることを快く感じる。2.よく生きる方法を学んでいる。3.適切な判断力。4.喪失や傷心があっても、心理面、精神面、人間関係面においてすべてを包括的に感じられる。5.人生の最後まで精一杯、生き抜く。6.他人や家族、地域に尽くす。7.自分の物語を語る。8.発見と変化の過程を続ける。9.逆境にあって希望を失わない。
    ・相対主義(多様な視点)、弁証法的、体系的(総合的)思考は時間、経験、学習が必要。
    ・怒り、社会不安、劣等感、自己卑下など積年の心理的課題を抱えていても、それらは一生のうちに変えられる。性格も。年齢を重ねることが変化の触媒に。
    ・後半生の4つの発達段階:1.再評価。いつかは自分も死ぬ。2.解放。いましかない。3.まとめ。自分の知恵をみなと共有。4.アンコール
    ・全ての人に中年の危機が来るのは誤解。むしろ探求心を抱く。
    ・中年期には、日常生活で状況や相手に対して前ほど衝動的な反応を示さない。
    ・解放段階では「第二の少年期」と笑われるような、向こう見ずで軽はずみは行動が現れることがある。
    ・「長い歴史を発展させることが重要ではない。大切なのは、自分の一日一日であり、そのどれもが貴重」
    ・自らの人生の記録は、研究者の間で広く支持されている。バトラーの回想法も。
    ・アンコール段階は「無数のテーマが集まる時期」
    ・25歳より中年期の方が、言語、計算、論理、言葉記憶力の全てが向上していた。
    ・男性は感情面で内省的に。女性は社会的役割に。いずれも健康や自尊心を高めている。
    ・社会的ポートフォリオ:団体X個人。エネルギーが多いX少ない:お金の面ばかりで、時間の面について計画する人はほとんどいない。
    ・無為な時間は私とへとへとにさせるが、仕事では疲れを感じたことはない。ドイル。
    ・エレン・グラスゴー:人生の極意は60歳を過ぎないと身につかない。そうなって初めて、自己の熾烈な部分だけでなく、自分というそのままの存在すべてで生きることができる。
    ・ウィリアムズ:歳を取ると言うことは、何かを奪われながら、何かを与えられるものだ。

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