人間関係が楽になるアドラーの教え (だいわ文庫) (だいわ文庫 D 372-1)

著者 :
  • 大和書房
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479307082

感想・レビュー・書評

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  • よく耳にするアドラー心理学。初めて手に取る。初心者に優しい、軽めの文庫本。

    感想。
    良かった。当たり前のこと書いてある気がするが、心理学者が研究した見解として聞くと、とても安心感がある。

    備忘録。
    ・人間関係にベストはない。苦手な人がいることを受け入れよう。好き嫌いや相性の善し悪しもやむを得ない。

    ・人間関係の4つの要素(この整理はとても気に入った!)。①自分自身、②相手、③関係(上司と部下、先輩と後輩、妻と夫等)④環境(職場、学校)。

    ・人間関係を改善したいと思う人は、最初に「②相手」についてフォーカスしたがる。「彼はわがままだ」「部長は命令ばかり」とかとか。そして相手の心を変えたがる。でも「②相手」が最も変わりにくい。

    ・「④環境」や「③関係」は、自分の意思で変えられるが、変えた結果が自分の思う通りになるとは限らない。

    ・「①自分自身」が最も変えやすい。先ず、自分がこれからどうしたいのかを考え、選ぶのだ。

    ・アドラーは「人は目標を達成しようとする欲求を持っていきている」と考えている。過去にいろいろ問題があっても、未来の目標に向かってnext actionを考えるのだ。

    ・人は、過去の体験から苦手意識を作り上げ、誰かと会った時に無意識で「苦手」「得意」「まあまあ」に分類。これは各自の過去の体験とかに基づいているので、同じ対象者でも、どう分類するかは人によって様々。

    ・自分が苦手意識を持つと、その警戒心は相手に伝わる。

    ・人間関係の「基本的な誤り」という考え。「誇張」「過度の一般化」「単純化」とか。例えば、根拠もなく「皆んな私のことを嫌ってる」という勘違い。皆んなって具体的に誰と誰で、全体の何割ですか?。他にも「彼はいつも自分勝手」って、0か100かで考えてない?

    ・相手の機嫌が悪いのは、自分のせいではない。でも人は自分のせいと思いがち。そして相手の不機嫌は長続きしない。

    ・イヤな人間関係は仕事と割り切る。好き嫌いよりも、建設的であるか非建設的であるかの尺度で考える。自分の目標に対し、建設的にどう捉えるか。

    ・笑いを取り入れよう。喜びは自分と他者を結びつける。「君が笑えば世界は君とともに笑い、君が泣けば一人で泣くのだ」という西洋のことわざ有り。

    ・楽天主義ではなく、楽観主義で。楽天主義とは、根拠もなく能天気。楽観主義とは最善の努力をした上で、良い結果も悪い結果も起こりうると理解すること。

    ・褒めるデメリット。やり続けないといけない、褒めるレベルを高めないと効果が薄まる、絶えず関与が必要。

    ・ありがとうをメールで送る。

    ・他者の失敗に対するなぜなぜ攻撃は、相手の勇気をくじき、人間関係を崩す。人ではなく事象に着目し、未来の目標に向けて振り返る努力を。

    ・挑発的な人には、先ず持論を好きにしゃべらそう。それで相手は満足する。

  • 人間関係に悩んで読んだわけではない。
    本屋でアドラー心理学の言葉が目に飛び込んできたため、読んでみた。

    アドラー心理学者との出会いは、元小学校教師の赤坂真二さんが書いた本を読んでからだ。これまで何気なくしてきた自分の行動を改めるきっかりとなり、自分の使う言葉も変化させてみた。そうすることで、周りの反応も変わってきたことからアドラー心理学の凄味を感じた。

    今回、岩井俊憲さんの書いた本を読んでみたが、赤坂さんと重なるところが多々ある。アドラーが書いた本を読んだことはないが、かなり噛み砕いて説明していると感じた。

    アドラー心理学の鍵となるもの、それは「感情には目的がある」ということ。これは、赤坂さんも同じことを書いている。
    怒りという感情がある。怒りにも一次感情と二次感情がある。怒りは二次感情であり、怒りの元となる一次感情というものが存在する。怒りの背景には、「分かってほしい」のような別の感情があるのである。怒ることで何をしたいのか?を自問すると、意図が掴める。

    アドラーは、役割に違いはあるが上下をつくらない考え方だ。立場による上下関係をつくらず、尊敬の念をもつことの重要性も説いている。だから、相手が自分のために何かをしてくれた時には、「偉いね」ではなく「嬉しいね」「ありがとう」など、貢献してくれたことを共感する。共同体感覚をもつのだ。

    加点主義で人と関わる三大要素。
    ①共感する
    ②未来志向をもつ
    ③プロセスを重視する
    人間関係が上手くいかない人は、他人を減点主義で捉えているようだ。

  • アドラー心理学に関しての著書が60冊以上ある岩井先生の書かれた実践的な1冊。アドラー心理学を知らなくても、ここに書かれていることを1つでも実践すれば、自分が変わっていくことに気づけると思います。人の悩みは全て人間関係から来ているのがアドラーの考えなので、まずは自分が変わることは人間関係を良くするための1歩。とてもよみやすく、わかりやすい1冊でした。

  • 嫌われる勇気は読んでいないが、嫌われても平気でありたいと日々思っている。

    自分にたくさんのOKが出せる気にさせてくれる本。以下学んだこと。

    ❤︎全て自分のせいかもと思いがちなわたしであるが、他人の不機嫌はその人の責任であって「課題の分離」が必要。気持ちよく過ごすには「共同の課題」を考える。

    ❤︎罪悪感は、わたしがこんなに自分を責めてるんだからわたしを責めないでねという自己防御。

    ❤︎過去を顧みて現在と折り合いをつける
    現在の人間関係に満足していればOK

    ❤︎プラスのセルフトークを!
    自分へのマイナスの言葉をかけてしまってもプラスの言葉がけを付け足せばOK

    ❤︎批判してくる奴には
    「自分では気づきませんでした。ありがとうございました」感謝の言葉で返すトレーニングを!格好の相手がいるな…感謝!

    ❤︎外見の短所を指摘するのは勇気くじきの代表例

    ❤︎挑発的な質問されたら議論せず、相手の意見を聞けばOK
    相手はそれについて話したいだけ。

    ❤︎苦手な相手は全否定せず肯定できる要素とだけ繋がり適度な距離を取ってOK

    ❤︎嫌いな人がいてもOK

    ❤︎2/6/2 自分のことを好きな人/どうも思ってない人/嫌いな人 2割の人=全体と考えない



  • 「怒り」とは何なのか、等なるほどなあとなることが多かった!

  • ・人間関係を楽にするためには、簡単に言うと、自分が大人になるってことなのかもしれませんね。人間関係が苦しくなる人は、結局、ものごとを主観的に考えているから、ということだと思います。

     『嫌われる勇気』を読んだ時、今一つピンとこなかったのが、目的論のところだったのですが「機嫌が悪いことにも、他者を近づけたくないという目的がある」など、岩井俊憲さんの解説を読むと、少し分ったような気がしました。

     本来の目的を達成するためには、怒りがこみ上げてくるような時にも、直ぐに感情的になったりせず、理性的に最も良い手段を選択し実行した方が良いのです。

     冷静に自分の気持ちを観察した上で行動することによって、相手との間に信頼が生まれ、長期的に協力し合える関係が築ける可能性が高まるのです。

     岸見一郎先生の、目的論が良く分からなかった理由は、原因論と対比させ、原因論を否定していたからではないでしょうか?誰もが、原因論だって関係あるよね、と感じていたのではないかと思います?目的論と原因論は、論点がズレている話なのではないかと考えます…。

     人間関係を楽にするためには、先ず、自分が譲歩しなければならないということだと思います。

  • There is no one who is not good at giving courage to others.

  • 人間関係を楽にするのに、相手や環境を変えるのは難しい。
    けれども自分を変えることはできる。
    まず自分を勇気づけからはじめる。
    過去ではなく目的からなる未来志向が大事。
    その後素直に相手に関心を持ち、勇気くじきにならぬよう関わる。
    この本は日常生活に活かし習慣化して欲しい。

  • 誰もが思っているような事が書いてあり、あまり心に響きませんでした。書いてあるようなことが上手く出来ないからみんな悩んでいるのでは…と思いました。日記をつけると良いというのはとても共感しました。

  • ●人間関係はトレーニングが可能です。嫌いだから単純に遠ざけてしまうよりも、思い切って触れてみることで、人生は大きく変わります。
    ●みんなに好かれている、と言うのは幻想です。同じように、みんなから嫌われていると言うのも妄想に過ぎません。だから好かれることに執着しなくても大丈夫。
    ●「ありがとう」はメールで送ろう。何度も読み返され、相手の中で感謝のメッセージが繰り返し再生される効果があります。
    ●劣等感は「かけがえのない友」、決して否定はしていません。
    ●自慢話は優越コンプレックス。根底にある劣等感を解消するために、自分ができるだけ大きく見せようとする行動に走ってしまう。家柄や過去の能力、人脈など。
    ●いちどでも復讐的行動をしてしまうと、相手との関係修復はほとんど困難なものになってしまいます。自滅的な行動である。一時的に快感を得られたとしても、長期的に見れば自分に得することがないのです。
    ●ライフスタイルは、今この瞬間から変えられる。
    ●いい人を続けた結果、人間関係がうまくいかなくなることが非常に多いのです。
    ●「自分だけが苦手な人」がいたら、自分の価値観は絶対的でないと認める。その人のリソースを認めて活用する。
    ◼️「幸せな家族は誰も皆同じように見えるが、不幸な家族にはそれぞれの不幸の形がある」トルストイのアンナカレーニナの冒頭。
    幸せに生きる家族は、シンプルな生き方をしているが、わざわざ不幸になるような生き方をする家族は、物事を複雑に受け止めて、結果として不幸を招いてしまう。

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著者プロフィール

1947年栃木県生まれ。早稲田大学卒業。1985年、有限会社ヒューマン・ギルドを設立。代表取締役。アドラー心理学カウンセリング指導者、上級教育カウンセラー。2つの大学のほか独立行政法人系の看護学校の非常勤講師を歴任。
著書は『マンガでやさしくわかるアドラー心理学』シリーズ(日本能率協会マネジメントセンター)、『人生が大きく変わる アドラー心理学入門』(かんき出版)、『男と女のアドラー心理学』(青春出版社)など多数。

「2017年 『看護師のためのアドラー心理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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