浦上四番崩れ: 明治政府のキリシタン弾圧 (ちくま文庫 か 15-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480025357

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  • 江戸時代にキリシタンが弾圧されたことはよく知られているが、明治になってからこのように激しい弾圧があったとは知らなかった。シャル博士の「廃墟からの歌声」でこの弾圧について触れられていたので読んでみた。
     弾圧の程度は凄まじく、拷問の程度も突き抜けている。罪もないただのキリスト教を信じているというだけでここまで、ひどいことがよくできたものだと思われるが、その当時の人間としは普通のことだったんだと思われる。
     罰する方からしたら「なぜよその国に宗教なんか信じているのだろう」「仏教や神道で十分ではないか」と思ったであろうし、、信者からしたら「世界の根本原理は神デウスであり、そのデウスを信じてこそ天国にいけるのだから信仰を捨てる理由はない」といったところか。
    それにしても、食べ物、衣服を与えられず、池にほうりこまれ、糞尿まみれになっても信仰を捨てないという態度は感動的である。
     長崎に教会がたって、隠れキリシタンが名乗り出て、拷問、惨殺。
     諸外国の批判がでてきて、故郷から違う場所に強制移住され、その先で拷問、惨殺。
     諸外国の批判で、強制移住が解かれ、故郷に帰り、極貧、赤痢流行。
    フランスからド・ロ神父来朝。いろいろ改善される。
    そして昭和20年、長崎原爆、信者半数死亡。
    このような日本の黒歴史は多くの日本人が知っておいて欲しい。

  • (1997.01.30読了)(1991.06.25購入)
    明治政府のキリシタン弾圧
    (「BOOK」データベースより)amazon
    残虐凄惨さにおいて、他に比類ない我が国のキリシタン弾圧。その中でも、最も熾烈なものが「浦上四番崩れ」だった。一村総流罪、悲惨な拷問など想像を絶した苛酷な迫害にも負けず神への信仰を貫いたキリシタンたち。日本の近代黎明期の痛ましい事件を現地での綿密な調査と貴重な史料をもとに描きあげたなまなましい記録。

    ☆関連図書(既読)
    「踏絵」片岡弥吉著、NHKブックス、1969.06.20
    「聖書の世界」白川義員著、新潮社、1984.07.25
    「切支丹の里」遠藤周作著、中公文庫、1974.04.10
    「深い河」遠藤周作著、講談社文庫、1996.06.15

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