- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480029423
感想・レビュー・書評
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ここに描かれる虫は、友情、幸福、愛国心、民族など。ちょっと見、ユーモラスな絵だけれど、じっと見つめていると結構気色悪い、凝視していると次第にグロテスクなものを見出してしまうのは、本来かたちのないこれらの概念も同様かもしれない。
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風刺画文集。たぶん何年か前に書評集か何かで知り、読みたいリストに入れておいたのをやっと読む。空想の虫の絵がちょっと気持ち悪いが面白かった。
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人と世間のスキマに住み着く虫たちの博物誌。辻まことの鋭いアフォリズムを添えて。
時折読み返して、自分に住み着いた虫たちを追い払わなくてね。 -
祝!復刊。面白いけど虫の絵がきもい。
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世論、幸福、科学、マスコミ――などといった概念的なものや特定の形を持たないものを「虫」として捉え、挿し絵とその生態を書いた風刺画文集。
風刺しつつもそれを嫌いになれないと思わせる箇所が多く、著者の人柄が文章や挿し絵に出ている。 -
辻まことの一面である皮肉屋的な資質が発揮されたアフォリズム集である。様々な「虫類」のイラストは独創的で面白いが、文章は同時代に読まないと、もう一つピンとこない感がある。
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一つの言葉に対し、虫になぞらえた風刺画と、短い文章が並んでいる。ムカデみたいなのとか、結構気色悪い虫たちと、鋭い批評文が見事にマッチしており、ブラックユーモアとして楽しめた。時代背景が関係しているので、よくわからない部分もあったけれど、「陶酔」「友情」「匿名批評」「栄誉」等々、今の方がより共感を得られるのではと思う言葉も多数あった。草野心平氏による序文がまた良い。
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風刺にみちた詩的画文集
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山を愛し、スキーを愛した辻まことさん。
様々な事象を「虫」として絵と文で描いた本作は、
ユーモアがあって、とても知的で、そして鋭い。
いま見ても色褪せない虫イラストだけでも一見の価値があります。 -
アナーキーな辻潤の息子、辻まことにより描かれた、風刺に富み、洒脱な描線の大人の漫画「虫類図譜」。私はみすず書房の「辻まことの世界(正・続)」で持っている。日本人とは思えないドライなエスプリに満ちています。