江戸川乱歩全短篇 2 本格推理 2 (ちくま文庫 え 7-3)

著者 :
制作 : 日下 三蔵 
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 68
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (565ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480034120

感想・レビュー・書評

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  • 本編には長めの短編推理ものが収められており、各話とも表の推理、どんでん返し、裏の推理という展開が無理なく織り込まれているため読んでいて面白い。第一部の短編推理ものより断然良い。

    長編の推理ものはないのだろうか。

  • 『湖畔亭事件』
    療養のために湖畔亭にやってきた「私」。昔からレンズにとりつかれ他人の行動を覗き見る事を趣味としてきた。脱衣場に仕掛けを施し様々な人々を観察していたが、ある夜女が何者かに殺害される場面を目撃する。同じく湖畔亭に宿泊する河野と現場で血痕を発見する。事件当夜から失踪した芸者・長吉。風呂炊きの三造。早朝慌ただしく消えたトランクをもった二人組の客。長吉と河野の関係。

    『鬼』
    N市からS村へ歩いて帰ってきた大宅と出会った殿村。二人が発見した野犬に食われた顔の潰された遺体。着物から大宅の婚約者・鶴子であると判明する。鶴子との婚約が不満でN市に雪子という恋人のいる大宅。事件当夜のアリバイは雪子と過ごしたと言うものだが、否定する雪子。殿村が雪子を訪ねた直後に部屋から消えた雪子。雪子の部屋の下を通る線路。事件の前に現場付近に捨てられていたナイフの刺さった藁人形と事件の関連。

    『屋根裏の散歩者』
    犯罪に興味を持つ郷田三郎。新しく出来た東栄館に引っ越し寝床を押し入れにする郷田。押し入れから屋根裏に行けることに気がつき屋根裏を散歩する事を楽しむようになる。嫌いな隣人の医学生・遠藤が口を開けて寝ているのを盗み見て遠藤の殺害を計画する。屋根裏から垂らされる毒。自殺として処理されるが明智小五郎が被害者の目覚まし時計がセットされていることから自殺に疑問を持つ。タバコを吸わなくなった郷田の秘密。

    『何者』
    友人・結城の屋敷にやってきた松村と甲田。ある夜、小説を書きに一人はなれに向かった結城がが何者かに銃撃される。盗まれた金製品。事件直後に何かを隠した常爺。窓から古井戸に向かってつけられた足跡。結城家の客・赤井の捜査。入院中の結城の推理。警察が逮捕した金を集める琴野。犯人が内部の人間とする結城の推理。逮捕される甲田。退院した結城に推理を披露する赤井。

    『月と手袋』
    金貸しをしている股野の妻あけみと関係をもっているシナリオライターの北野克彦。股野からあけみと会うことを禁じられ危害を加えれそうになり反撃した弾みに股野を殺害してしまう。あけみに股野の変装をさせアリバイを作る克彦。事件を担当する花田警部が明智小五郎に相談しながら捜査する。次第に親しくなる克彦と花田警部。花田警部が披露した手品に動揺するあけみ。ジワジワせめる花田警部の攻撃に神経をすり減らした二人の落ちた罠。

    『堀越捜査一課長殿』
    警視庁捜査一課長堀越の元に届けられた手紙。渋谷警察署長時代に起きた東和銀行盗難事件の真相が語られる内容。銀行から輸送車に運ばれる途中に奪われた現金。犯人の大江が逃げ込んだ自宅アパート。消えた大江。大江の隣人で手紙の差出人・北園荘助。警察による捜査は北園の部屋のテレビの箱を調べるまで慎重に行われたが迷宮入り。大江の恋人でバーの女給・弓子と結婚した北園。死を目前にした北園の告白。

    『陰獣』
    会社重役の小山田氏の妻・静子と知り合い文通するようになった推理作家・寒川。静子がかつて婚約していた平田一郎が大江春泥と言う推理作家になり、彼女を脅迫していると静子から相談を受ける寒川。大江春泥を知る本田に話を聞く寒川。小山田の屋敷に侵入したと思われる大江春泥。天井裏に落ちていた手袋のボタン。大江が公園で道化者の格好をしてビラ配りをしているのを目撃した本田。殺害された小山田。接近する寒川と静子。小山田家の運転手の手袋のとれていたボタン。手袋は小山田氏からもらった物だった。小山田氏が春泥をかたり静子を脅したと推理する寒川。運転手が手袋を貰った日付。

  • 本格推理1に続く本格推理2。有名な「屋根裏の散歩者」とか収録。

  • 何はトモアレ乱歩。屋根裏に陰獣に、全部好き

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著者プロフィール

1894(明治27)—1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。
大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。
あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。
主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。

「2023年 『江戸川乱歩 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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