- Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480036780
作品紹介・あらすじ
家族関係がうまく機能しない家庭で育った人々を、アダルト・チルドレン(AC)と呼ぶ。本書では、5人のACへのインタヴューをもとに、AC体験の克服の過程を描き出す。厳格な親、暴力的な恋人との暮らしを捨て、オウムに入信したあかり、アルコール依存症の父を持つシズカと摂食障害の妹ユメ、共依存に陥った結婚生活を捨て前向きに生きる秋央。
感想・レビュー・書評
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2022/07/15 図書館
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本書が自分に及ぼした影響は、「この手のドキュメンタリー番組を見るときの姿勢の変化」程度だ。
それ以上踏み込んで彼らの心情を理解したり感じたりすることは難しい。ただ、このような人たちが確かにいるのだ、ということを知ることしかできない。図書館で借りて読んだものであるため、手元に置いておけないのが残念だが、何度でも反芻して考えたい内容だ。自分の生きてきた道、そしてこれから生きる道、自分がもつかもしれない子供の道。何が最善なのか考え続けても間違えてしまうのではないかと思うが、少なくともこれを読んだことには意味があると思う。
「この手のドキュメンタリー番組を見るときの姿勢の変化」といっても、私にとっては小さいものではない。本書を読んだ後、ドキュメンタリー番組を見る自身の姿勢の変化に自分でも驚いたぐらいだ。
今までは、ただ「へー、ふーん」と吸収するばかりであったが、では、このような人たちに自分や彼らの周りの人たちができることとは何か、何が彼らをそうしてしまったのか、それを考えながら見ることができるようになった。もっと深くに踏み込みたい、という欲求もわく。