現代民話考 6 (ちくま文庫 ま 8-7)

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  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480038166

感想・レビュー・書評

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  • 第2巻の「軍隊」もそうでしたが、この巻こそ、語り継ぐべきものに溢れた一冊だと思います。民話というにはあまりにも凄惨であり、また、記憶に新しい「現実」です。しかし、そんな鮮やかな記憶も、次第に薄れていってしまいます。現に、あれほど強かったはずの非戦への誓いが、なし崩しに忘れ去られようとしているではありませんか。

    1945年3月9日の東京大空襲、というように明確に日時がわかっているものを「民話」として語り継ぐことこそ、現代の民話の意義なのだと思います。

    『人は神と悪魔のどちらにでも限りなく近づくことが出来る。そのどちらでも選ぶことができる、ということが自由意志なのだ』という安積得也さんの言葉を思い出しました。この本を読みながら、むかうべき方向の「究極の選択」を迫られているように思えてなりませんでした。

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著者プロフィール

1926年、東京生まれ。1944年頃より童話を書きはじめ、1956年、信州へ民話の探訪に入り、『龍の子太郎』(講談社)に結実、国際アンデルセン賞優良賞を受ける。以来、民話に魅せられ創作と共に生涯の仕事となる。日本民話の会の設立にかかわり、松谷みよ子民話研究室を主宰。著書に『女川・雄勝の民話』(国土社)『日本の昔話』『日本の伝説』『昔話一二ヶ月』『民話の世界』(共に講談社)『現代民俗考』8巻(立風書房)など。

「1993年 『狐をめぐる世間話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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