- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062561457
作品紹介・あらすじ
自分の中に自分の知らない「私」がいる…「私は誰なのか」…もの静かな若い女性が偏頭痛が治らないといって精神科を訪れた。面接を重ねる精神科医の前で、彼女は突如、まったく別人格をもつ"もう一人の女"に変わった。この多重人格症患者の発病から治癒にいたるまでの凄絶な「心の病」との闘いの全記録を主治医が克明に描きだす。人が内面にもつ謎、心のからくりに鋭く迫る快著。
感想・レビュー・書評
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「『私』は脳のどこにいるのか」澤口俊之
心は脳の活動である
自我は前頭連合野の活動である
自我と呼ばれるものが活動しているときに脳内で何がおこっているか、ということは、少なくとも本書の主張するところで殆ど尽くされているように思う。
しかし読みはじめたときの期待とは異なり、それですべてがすっきりする訳ではないのだった(当たり前だが)。
むしろここで示されたことを誰もがわきまえるべき前提としつつ、その先の問題を考えなければならない。
脳科学研究による解明は欠かせないものとして、同時に「私とはなにか」を社会学、心理学、哲学の知見で考え続けなければならない理由がある。理系/文系というすでに無用の二項対立に収束してしまうことなく、全体としての人間を考えていくべきなのだと思う。
心と自我について積み上げられてきた2000年に及ぶ思索の営為にたいする敬意が欠けているような書きぶりなのも(信じるかどうかは別にして)気になった。
これ以降の著書量産ぶりもすごいな…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルに惹かれて手に取りました。著者は北大助教授。その後北大を退職したようで、どうしたのかと思ったらセクハラ問題があったようですね。私は知りませんでしたが、現在よくTVに出ている方とのこと。そういえば見たことあるかも。
本書を読んでいて、何か語り口が偉そうなのが気になっていましたが(科学者の方が書いた本でこう感じるのは珍しいです)、やはり人格に少々問題がある方なのかもしれませんね。内容はいまいちでした。